ホトトギス (植物)

ホトトギス
神奈川県箱根町 2023年9月下旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: ユリ目 Liliales
: ユリ科 Liliaceae
: ホトトギス属 Tricyrtis
: ホトトギス T. hirta
学名
Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook.[1]
シノニム
  • Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook. var. minor Honda[2]
  • Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook. f. atropurpurea Hisauti[3]
  • Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook. var. saxicola Honda[4]
和名
ホトトギス(杜鵑草)[5]

ホトトギス(杜鵑草、学名:Tricyrtis hirta)はユリ科ホトトギス属多年草[5][6][7]。花言葉は「永遠にあなたのもの」「秘めた意志」[要出典]

特徴

[編集]

は直立するか、崖地では垂れ下がり、長さは40 - 80cmになる。は左右に互生し、葉身は長楕円形から披針形で、長さ8 - 20cmになり、先端はしだいにとがり、基部は円く茎を抱く。葉の両面に軟毛が生える。茎には斜上する褐色の毛が密に生える[5][6][7]

花期は8 - 10月。葉腋に2-3個のを上向きにつける。花に花柄があり、花は漏斗状鐘形で径約25mmになる。花被片は6個で、長さ約25mmあり、斜め上向きに開き、外側に毛が生え、内側には白色地に紫色の斑点が多くあり、下部に黄色の斑点がある。3個の内花被片と3個の外花被片があり、外花被片の基部に袋状のふくらみがある。雄蕊は6個で、花糸は互いに寄り添って束状に立ち、上部で反り返って先端に葯を外向きつける。花柱の先は3つに分かれて球状の突起があり、各枝の先はさらに2裂する。 果実は線状長楕円体の蒴果で3稜があり、長さ30mm前後になり、熟すと胞間裂開する。種子は小円形で淡褐色をしている[5][6][7]

分布と生育環境

[編集]

日本固有種[8]。北海道南西部、本州の関東地方以西・福井県以南、四国、九州に分布し、山地の半日陰地に生育する。観賞用に栽培もされる。花被片の紫色の斑点の大小、多少は個体によって変異が大きい[6]

名前の由来

[編集]

和名の「ホトトギス」は、「杜鵑草」の意で、花の紫色の斑点のようすを鳥のホトトギス(杜鵑)の胸にある斑点に見立てたことによる[6][7]。斑点を油染みに見立てて、ユテンソウ(油点草)という別名もある[9]

種小名(種形容語) hirtaは、「短い剛毛のある」の意味[10]

ギャラリー

[編集]

下位分類

[編集]
  • シロホトトギス Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook. f. albescens (Makino) Hiyama[11] - 花被片に斑点がほとんどないもの[6]
  • サツマホトトギス Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook. var. masamunei (Makino) Masam.[12] - 茎や葉に毛がない変種[6]鹿児島県西部に分布する[8]。絶滅危惧IA類(CR)。

市町村の花

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ ホトトギス 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ ホトトギス(シノニム) 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ ホトトギス(シノニム) 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  4. ^ ホトトギス(シノニム) 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  5. ^ a b c d 山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.80
  6. ^ a b c d e f g 『改訂新版 日本の野生植物 1』pp.175-176
  7. ^ a b c d 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.228
  8. ^ a b 『日本の固有植物』p.159
  9. ^ ホトトギス | Tricyrtis hirta”. かぎけん花図鑑. 2021年11月19日閲覧。
  10. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1496
  11. ^ シロホトトギス 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  12. ^ サツマホトトギス 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  13. ^ 逗子市の市の花

参考文献

[編集]