![]() |
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
---|---|
対応機種 | ニンテンドー ゲームキューブ |
開発元 | チュンソフト |
発売元 | チュンソフト |
ディレクター | 丸田康司 |
人数 | 1人 - |
メディア | GC用8cm光ディスク |
発売日 |
2005年4月29日(ネット販売) 2005年6月30日(店頭販売) |
利用料金 | 無料 |
対象年齢 | 全年齢対象 |
デバイス | ブロードバンドアダプタ |
ホームランド(HOMELAND)は、チュンソフト発売のニンテンドー ゲームキューブ用ロールプレイングゲーム(RPG)。当初の販売形態はゲームの公式サイトでのネット通販のみ(発売日は2005年4月29日)だったが、6月30日から一般の店頭でも購入できるようになった。 ネットワーク対応であり、別売りのブロードバンドアダプタを使用してオンラインマルチプレイが可能である。
ソフト単品が5,800円、ブロードバンドアダプタ同梱版が6,800円で販売された。
本作はネットワーク対応のRPGであるが、ネットワークプレイは無料である(通信にかかる費用は別)。 また管理会社に利用登録をする必要もない。
一般的なネットワーク対応RPGは、運営会社が管理するゲーム用サーバにプレイヤーが接続するシステムであるが、本作はプレイヤーのゲームキューブをサーバとして使用し、P2P技術によって他のプレイヤーがサーバ用のゲームキューブに接続するシステムをとっている。運営会社はサーバ用ゲームキューブと他のプレイヤーを仲介するマッチングサーバのみを管理すればよく、サーバのメンテナンスコストを低く押さえられる。その為ネットワークプレイを無料にすることが可能になった。
ゲームキューブをサーバにするプレイヤーは「かみさま」と呼ばれ、ログインしているプレイヤー(「クエスター」という)に対し、アドバイスを送ったり、かみわざを使って様々なちょっかいを出したり、迷惑プレイヤーをサーバから強制ログアウトさせることができる。一つのサーバに一度にログインできる「クエスター」は35人までと少ないので他のプレイヤーとコミュニケーションが取りやすく、和気あいあいとプレイできる。
公式発表によりホームランドのマッチングサーバは2007年4月30日をもって閉鎖となった。だが、デバッグ用に残された設定を用いてサーバーに直接接続する事ができる(実際にはこれ以外のデバッグ用設定は見つかっていないため、おそらくマッチングサーバー運営の中止を予見していた開発陣が残したものと思われる)。
突然あらわれた「テンシ」から「クエスター」に認定されたと言われた主人公は、マスコットで変身して不思議な世界へ旅立ち、さまざまなクエストを解いていく。どのクエストを解いたかによってストーリーが分岐する。
クリアするごとに活躍に応じたポイントとアクセサリがもらえ、そのポイントで新たなマスコットやかみわざを使えるように出来る。また、アクセサリでマスコットを装飾することが出来る。
他のキャラクターと手をつなぐことでパワーアップする。 また、炎に強い、など、つないだキャラクターの特性を受け継ぐことができる。 手をつなぐことができるのは、プレーヤーキャラクターに限らず、ノンプレイヤーキャラクターも可能。 手をつなげばつなぐほどパワーアップし、最大36人で数珠つなぎに歩く。
死亡(本ゲームでは「きぜつ」とされている)状態の時に、手つなぎで牽引してもらうことができる。
オンラインプレイでは、手つなぎをすることによって、メッセージの送受信が可能となる「きずな」を結ぶ役割りも担う。 また、手つなぎを「されている」間は、「している」側であるリーダーに操作をまかせることができるため、一時的に離脱したり、初心者にとりあえずゲームの流れを体験させるなど、このゲーム独特の和気あいあいとしたコミュニケーションの一要因となっている。
プレイヤーは、能力値や使用できる技が異なる「マスコット」という人形を使ってクエスター(ヒーローに近い冒険者、という意味合いのようである)に変身し、冒険に向かうこととなる。
マスコットの入手は、エンディングを迎えるごとにエンディングの内容に応じて決まった中からランダムで1種類が製作が可能となり、同様にクリア時手に入る後述の「ポイント」を特定の量消費して使用可能な状態にすることができる。 マスコットは全14種類。詳細は後述。
通常のネットワークゲームでは、プレーヤーがオンラインから離れる(ログアウトする)と、その存在は他者には見えなくなり、ゲームから一時的に消滅する。しかし、このホームランドでは、オンラインから離れても(ログアウトしても)、そのキャラクター(マスコット)は、世界に存在しつづける。魂が抜けた状態のようでもあり、これを留守番と呼ぶ。これらの留守番は自動制御され、他のオンラインプレーヤーたちの仲間として加われば、戦闘に加担する、回復するなどのアシストをしてくれる。
本作品が多くのオンラインRPGと異なる点の一つとして、「一度エンディングを迎えるとそのプレイのデータは削除され、ストーリー最初から初期状態でのスタートとなる」という点がある。
一般的なオンラインRPGはストーリー進行やレベルアップなどに膨大な労力を要するが、本作は開始からエンディングまで数時間単位でたどり着く非常に短いストーリー展開となっている。これによって「長期間かけて一つの内容を遊ぶ」ではなく「繰り返し同じものを何度も遊び、その過程におけるプレイヤー間の交流を楽しむ」ことに重点が置かれた内容となっているのである。
しかも、ストーリーには分岐点が存在しており、ある特定のイベント行うことでストーリー展開が変化していき、それに応じた異なるエンディングを迎えるようになっている。ストーリー展開及びエンディングは12種類あり、一部のエンディングはオンラインモードで無ければたどり着けない。
各ストーリーの分岐に関わる節目や、その他数多く設定された冒険項目の変動に加担すると、「評価された」として評価ポイントが累計されていく。
エンディングを迎えると、それまでの評価ポイントの合計が手に入り、新たなマスコットやアクセサリー、かみわざなどを作るための糧となる。また、ストーリーに応じた「マスコット」とサーバを開いたプレイヤーに応じた「アクセサリー」がランダムで入手されて終了となる。
ネットワークプレイを意識したリアルタイム進行の世界にいながら、「自分が何もしない限り何もされない」というターン形式の戦闘システムを実現している。[1]
今ゲームの会話表現は2種類存在する。
この項では吹き出しタイプについて述べる。
吹き出しは、プレーヤーキャラクターの頭上から、まさしく漫画の吹き出しのような形態で会話内容を表現する。 村人などのノンプレイヤーキャラクターとの会話はもちろん、プレーヤー同士でも、さらにモンスターまでもがこの吹き出しによって「発声」する。
また、吹き出しは画面外での発声分も見える(聴こえる)が、それぞれの位置関係によって表示サイズが変わる。遠くの発声になればなるほど、小さい吹き出しで表示されるため、見づらい(聴きづらい)。
ネットワークプレイ時には、この吹き出しを使って周囲の人限定の会話ができる。コントローラで文字パネルを操作し(キーボードには非対応)、一文字ずつ入力すると、そのまま一文字ずつ吹き出しに表示され、全員に伝わる。
マスコットはサーバー(ゲーム世界)を開く「かみさま」を除いて、以下の14種類が存在する。
前述のように公開当初はオンラインゲームだと公開されていなかったが、当初からオンラインゲームとして製作されており、ゲーム雑誌『ニンテンドードリーム』のNo.109においても中村光一が「ホームランドは○○○○○として製作している」とそれを匂わせる発言していた。またチュンソフトはそれ以前よりインターネットに対応したWindows版『風来のシレン』などオンラインゲームには積極的な姿勢であり、発表当初は勢いがあったものの、ゲームキューブ及びオンラインゲームが想定よりも普及しなかったことなどから失速してしまったのだという[2]。
当初はオンライン販売のみだったことから売り上げはあまり伸びなかったと言われており、同様の理由で量販店での売り上げ集計も無いため具体的な売り上げ本数などについては不明である。ただし大手ゲーム誌『ファミ通』のレビューでは40点中34点とされるなど評価は概ね好評であり、発売当初において同誌では連載コラムを執筆している有名ゲームディレクターの桜井政博ほか数名が、『ニンテンドードリーム』でも編集者による数回のサーバ設立イベントが行われた。