ホーンテッドマンション(The Haunted Mansion)は、世界各国のディズニーパークにあるライド型お化け屋敷のアトラクションである。
ゲストはプレショーとして、「年老いていく肖像画の部屋」「伸びていく肖像画と壁の部屋(ストレッチングルーム)」の順に案内され、それを見たあと、ドゥームバギー(Doom Buggy、死の車[1])と呼ばれる3人乗りの黒い椅子型のライドに乗り込む。
なおライドはオムニムーバーを採用しており、自動的に左右に向きを変えながらレールに沿って進んでいくため、ゲストはライドに乗り込んで以降は歩く必要はない。登場する亡霊たちは様々なオーディオアニマトロニクスによって複雑に動き、ライドに内蔵されたゴーストホストの声に連動してゲストを恐怖に陥れる。
コンセプトアートはマーク・デイヴィスが担当し、アトラクション内の音楽はバディ・ベイカーが担当した。
999人の亡霊が住んでいる屋敷が舞台。亡霊たちは館に訪れるゲストを1000人目の仲間に迎えようと狙っている。ディズニーランド・パリのみアトラクション名称やストーリーなどが異なる。詳しくは下記。
ホーンテッドマンション The Haunted Mansion | |||
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オープン日 | 1969年8月9日 | ||
スポンサー | なし | ||
所要時間 | 約10分(メイン約6分) | ||
定員 | 3名/1台 | ||
利用制限 | なし | ||
ファストパス | ○ | ||
シングルライダー | ○ |
世界各国のディズニーパークで最初に作られた言わばオリジナル。設置場所はニューオーリンズ・スクエア。
外観や内部の構成が東京およびマジック・キングダムとは異なり、ゴーストライターの書斎エリアが存在せず、ライドの乗り場までしばらく歩く構成となっている。ただし、書斎エリアにあるものと同じような胸像と本棚は乗り場に行くまでの通路に設置されている。乗り場の位置は東京やマジック・キングダムのものに当てはめるとピアノの位置に当たる。また、通路の壁に飾られている絵画は時間の経過によって変わっていくもの(女性→メドゥーサ、帆船→フライング・ダッチマンなど)だったが、現在は窓から差し込む稲光の演出にあわせて変化するものに変更されている。東京にある「どこにいても自分の方を見てくる(いわゆるトリックアート)」演出は無い。
ホーンテッドマンション The Haunted Mansion | |||
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オープン日 | 1971年10月1日(マジック・キングダムと同時にオープン) | ||
スポンサー | なし | ||
定員 | 3名/1台 | ||
利用制限 | なし | ||
ファストパス | ○ | ||
シングルライダー | ○ |
アナハイムに続いてできた2番目のアトラクション。設置場所はリバティー・スクエア。
アナハイムのものとは外観が大きく異なり、内部の構成も若干変更されている。東京のホーンテッドマンションはマジック・キングダムのものを基にして建設されたため内容はほぼ同様であったが、近年の大幅リニューアルによりオリジナルの要素が多く取り入れられた。2007年には「キューライン付近にマダム・レオタの墓標の設置」、「プレショーで部屋が伸びる際の音声に木の軋む音が追加」、「マダム・レオタの水晶玉が浮く仕掛けが追加」、「屋根裏部屋エリアの大幅改装」(ディズニーランドでも2006年のリニューアルの際に行われた)などのリニューアルが行われた。
2011年にもリニューアルが行われた。主な変更点は「屋外のキューラインにインタラクティブ要素(ゲストが叩くと音が鳴る楽器や本が飛び出る本棚など)」、「フィナーレシーンで乗り込むゴーストがゲストにいたずら(ゲストの顔を膨らませたり髭をつけたりする等)」である。
2023年11月下旬には「どこまでも長い廊下」があるシーンにハットボックスゴーストが登場することを発表した。
ホーンテッドマンション Haunted Mansion | |||
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オープン日 | 1983年4月15日 (東京ディズニーランドと同時にオープン) | ||
スポンサー | なし | ||
所要時間 | 約15分(プレショー約7分30秒、メイン約7分30秒) | ||
定員 | 3名/1台 | ||
利用制限 | なし | ||
ファストパス | 2022年現在はサービス停止中 | ||
シングルライダー | 対象外 |
前述のようにマジック・キングダムのものを基に作られているため外観は酷似しているが、設置場所はファンタジーランド。古びた煉瓦色を基調とした大きな屋敷と、深く生い茂った木々が周囲の建物やアトラクションと対照的となっている。
日本のものとアメリカのディズニーパークのもので使用されるBGMは音程が少し異なっている。東京では低めのキーを、逆にアメリカでは高めのキーになっており、これは2つの国の「お化け」や「幽霊」の類に於けるインパクトの受け方が違うため、東京ディズニーランドにホーンテッドマンションを導入する際に、日本人が怖がりそうな低い音程を採用したという。
オープン当初からノースポンサーであったが、1998年から2003年3月25日まではセコムが提供していた。
「ドアがたくさんある廊下」ではゴースト達の肖像画がたくさんあるが、東京ではそれがない代わりにひとつだけ初老の男性の肖像画があるが、ライドのタイミングが合うと彼の肖像画がみるみる立体化し、やがて恐ろしい顔になるという幽霊が登場する。 これはセコムがスポンサーに就いてから登場した幽霊である。
2023年7月26日から「40周年記念プライオリティパス」を導入している。
ファントム・マナー Phantom Manor | |||
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オープン日 | 1992年4月12日(ユーロ・ディズニーランド(当時)と同時にオープン) | ||
スポンサー | なし | ||
定員 | 3人/1台 | ||
利用制限 | なし | ||
ファストパス | 対象外 | ||
シングルライダー | 対象外 |
ファントム・マナー(Phantom Manor)は、ホーンテッドマンションとほぼ同一のアトラクションである。設置場所はフロンティアランド。建物は第二帝政期建築(ヴィクトリア様式)の外観をしている。ストーリーはフロンティアランド全体のストーリーや設定と連動しており、屋敷はビッグサンダー・マウンテンの金鉱を掘り当てたヘンリー・レイヴンズウッドの私邸という設定である。
音楽はホーンテッドマンションのものをジョン・デブニーがアレンジしたもので、オーケストラとソプラノソロを主体としている。また、カタコンベのシーンで胸像が合唱するグリム・グリニング・ゴーストの伴奏はジャズ調になっている(胸像はホーンテッドマンションの流用)。ハロウィーンの時期にはファントムマナーを含めたサンダー・メサの町全体がカボチャなどで飾り付けられるが、ディズニーランドのようなホーンテッドマンション・ホリデー(ホリデーナイトメア)は実施されない。2019年5月にリニューアルを行ないストーリーや演出を一部変更した。
ホーンテッドマンションと基本的な構造は変わらないが、外観やストーリーが大きく異なり、それに従って内部の演出にも変更がある。大きな違いとして、ストーリーのメインキャラクターであるメラニーとファントムが要所に登場する、アトラクション内では英語とフランス語が入り混じっている点が挙げられる。また、リニューアル前後で内容変更を行っている。
前半はディズニーランドのホーンテッドマンションとほぼ同様だが、後半はメラニーの私室、墓地、カタコンベ、ファントムキャニオン(大地震の影響で壊滅したサンダー・メサの町)、鏡の部屋という構成である。
リニューアル前では「肖像画と伸びていく壁の間(ストレッチングルーム)」の絵画は全てメラニーのものになっている。また、部屋が伸びきった後に天井の中から出現する首吊り死体がある点は同じだが、それはメラニーの恋人のものであり、同時に吊るしているファントムも登場する。アトラクション内に登場する亡霊もホーンテッドマンションとは異なり、人間に近い姿となっており、カタコンベのシーンでは骸骨しか登場しない。終盤の鏡の部屋では白骨化したメラニーが登場し、鏡にはライドの背後にファントムが映る演出になっている。
リニューアル後(現在)では、「肖像画と伸びていく壁の間(ストレッチングルーム)」の絵画は全てメラニーとその求婚者達のものになっている。部屋が伸び始めるとメラニーは消え、求婚者のみが悲惨な目にあう内容となっている。鏡の部屋では今まで死んでいった求婚者達の墓に変更され、鏡にはライドにメラニーが乗り込み、ゲストに求婚している演出に変更された。
下記はリニューアル前のものである。
ビッグ・サンダー・マウンテンで金鉱を発見したヘンリー・レイヴンズウッドは、サンダー・メサ・マイニング・カンパニーを設立し「山の神の怒りに触れる」という原住民の警告を無視して開発を続け、そうして得た富でサンダー・メサの町を見下ろす丘の上に屋敷を建てた。
ヘンリーの一人娘のメラニー・レイヴンズウッドは、父の会社で働く技術者と恋に落ちて結婚の約束をする。しかし、ヘンリーは娘の結婚と自分の元を離れることを許さなかった。そんな中、大地震が起きてサンダー・メサの町は壊滅的な被害を受け、メラニーの両親は命を落とす。
メラニーの結婚式の日、屋敷にファントムが現れて花婿となるはずだった恋人を殺害してしまう。以来、そのことを知らないメラニーは屋敷を離れることなく亡霊となった今も、現れることのない花婿が来ることを信じて花嫁衣装のまま待ち続けている。
管理する人間がいなくなって荒れ果てた屋敷はファントムの影響で亡霊の巣窟となり、奇怪な現象が起きたり不気味な音が聞こえたりするその屋敷は、いつしか町の人々からファントム・マナーと呼ばれるようになった。
そして、ファントムは屋敷を訪れたゲストをも死の世界に引きずり込もうとする。
インターネット上で見られる「マダム・レオタが屋敷のほとんどの住人を殺した」などの詳細なストーリーはディズニー公式のものではなく、マジック・キングダムのホーンテッドマンションのキャストが創作したものである。
各アトラクションでは基本的に5分刻みとなっているスタンバイの待ち時間表示であるが、このアトラクションでは5分、10分、15分では忌み数を用いて4分、9分、13分と表示される。ちなみに、13分はトワイライトゾーン・タワー・オブ・テラー、及びタワー・オブ・テラー (TDS)でも表示される。
1963年、本家のディズニーランドにホーンテッドマンションの建物が完成した。しかしニューヨーク博のために内部の設計は中断され、6年間放置された。その後、ウォルトのアイディアにより幽霊に対して入居者を募集する案内をオープン前に設置していた。看板には賃貸契約にはゲストを驚かせる許可証が含まれること、入居希望の場合は死亡証明書を添えてディズニーランド・ゴーストリレーションズへ送付することなどが書かれていた[2]。
アトラクション出口にある墓標は15世紀の西洋の貴族・青ひげ(BLUEBEARD)のものである。青ひげは1440年に死亡するまでに7人の女性と結婚しているが、毎年のように妻を殺害し再婚を繰り返していた。刻まれている女性の名前(ペネロペ、アビゲイル、アナスターシャ、プルーデンス、フェーベ、ユージニア)はその妻たちの名前で、彼女たちは全員貞淑だったと言われ、それに因んだ名前ばかりである。しかし、最後に刻まれている7人目の妻・ルクレチアは逆に青ひげを殺し、6人の先妻たちの無念を晴らしているため、彼女のみ没年は刻まれていない。[3]
アトラクション出口にある巨大な墓標には20(アメリカでは32)の名前が刻まれている。一見すると人名のようだが、英語の単語や文章・慣用句をもじったジョークになっている[3]。下記は日本のもの。
ディズニーランド(アナハイム)と、東京ディズニーランドで毎年9月から翌年1月まで行われている、期間限定のバージョン。