IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | Noxafil, Posanol |
Drugs.com | monograph |
MedlinePlus | a607036 |
ライセンス | EMA:リンク、US Daily Med:リンク |
胎児危険度分類 | |
法的規制 | |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | Low (8 to 47% Oral) |
血漿タンパク結合 | 98 to 99% |
代謝 | Liver (glucuronidation) |
半減期 | 16 to 31 hours |
排泄 | Fecal (71–77%) and renal (13–14%) |
データベースID | |
CAS番号 | 171228-49-2 |
ATCコード | J02AC04 (WHO) |
PubChem | CID: 147912 |
DrugBank | DB01263 |
ChemSpider | 130409 |
UNII | 6TK1G07BHZ |
KEGG | D02555 |
ChEBI | CHEBI:64355 |
ChEMBL | CHEMBL1397 |
化学的データ | |
化学式 | C37H42F2N8O4 |
分子量 | 700.778 |
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ポサコナゾール(Posaconazole)は、トリアゾール系抗真菌薬である[2][3]。
欧州で2005年に医療用医薬品として承認された[4]。米国では2006年9月に承認された[5][6]。日本では2020年1月に承認された[7]。
ポサコナゾールは、侵襲性アスペルギルス症およびカンジダ感染症の治療に使用される[11]。イトラコナゾールやフルコナゾールに抵抗性を示すものを含む口腔咽頭カンジダ症の治療にも使用される[11]。
また、重度の免疫不全患者におけるカンジダ属、ムコール属、アスペルギルス属による侵襲性感染症の治療にも使用される[12][13]。
フザリウム種による侵襲性疾患の治療における有用性を示す臨床的証拠は限られている[14]。
また、マウスのネグレリア症モデルにおいても有用であると考えられている[15]。
ポサコナゾールは以下の微生物に対して有効である[16][17]。
である。
また、5%以上に悪心、下痢、ALT増加が見られる[8][9]。
ポサコナゾールは、主にUDP-グルクロン酸転移酵素で代謝される[8][9]。また、P-糖蛋白(P-gp)の基質であり、腸管ではP-gpを阻害する可能性がある。更に、CYP3A4を強く阻害する。
ポサコナゾールは3~5時間以内に吸収される。半減期は約35時間で、主に肝臓から排出される。高脂肪食と一緒にポサコナゾールを経口投与すると、生物学的利用能が90%を超え、空腹時に比べて濃度が4倍に上昇する[17][18]。
ポサコナゾールは、リン脂質のアシル鎖の緊密な結合を崩し、ATPaseや電子伝達系の酵素など、膜に結合した特定の酵素系の機能を低下させ、真菌の生育を阻害する。本剤は、ラノステロール14α-脱メチル化酵素を阻害してエルゴステロールの合成を阻害し、メチル化されたステロール前駆体を蓄積させる事により、真菌の増殖を抑制する。ポサコナゾールは、イトラコナゾールよりも14α-脱メチル化酵素を阻害する力が強い[16][19][20]。