トラック5「アイム・ジ・オンリー・ウーマン」は、カーティス・メイフィールドが1972年に制作した「ギブ・ミー・ユア・ラヴ」(Give Me Your Love)がサンプリングされている[4][18]。その「ギブ・ミー・ユア・ラヴ」のハープの入っているサウンドが「水の中にいるような感じになって、青い世界が見えるような気持ちにさせてくれる曲」だとメアリーは昔を思い出しながら語っている[4]。このトラック5もメアリーの姉・ラトーニャがバック・ボーカルをしている[4][18]。
トラック6「K.マーレ―・インタールード」は、ケイス・マーレ―(英語版)の短いラップと、最後にパフィの言葉で構成されている[19]。サンプリングには、ケイス・マーレと繋がりのあるエリック・サーモン(英語版)の「テル・Em」(Tell 'Em)と、トラック1にも少しサンプリングされているノトーリアス・B.I.G.の「フー・ショット・ヤ?」(Who Shot Ya?)が採用されているが、この「フー・ショット・ヤ?」にはデイビッド・ポーター(英語版)の「アイム・アフレイド・ザ・マスカレード・イズ・オーバー」(I’m Afraid The Masquerade is Over)がサンプリングとして含まれている[19]。
トラック7「マイ・ライフ」は、アルバムのタイトル・トラックとなるスローな曲で、「When you're feeling down, you should never fake it/Say what's on your mind and you'll find in time/That all the negative energy」(気持ちしている時にはその気分を決してごまかず、心の内を言葉にして言えばそのうち否定的なエナジーは消えると分かるわ」というメッセージ的なフレーズを含む曲だが、コーラス部に「If you looked at my life/And see what I see (Oh, you will see I'm so blue)」(あなたが私の人生を見たのなら、私が見ているものがわかるでしょう。ああ、私がとても気落ちしてるのが)とアドリブ入りでも歌われているので、自分自身の言い聞かせの意味も感じ取れる曲である[20]。サンプリングには、ロイ・エアーズが作詞・作曲した1976年の曲「エヴリボディ・ラヴズ・ザ・サンシャイン」(Everybody Loves the Sunshine)が、「My life, my life, my life, in the sunshine」というフレーズ込みで使われている[20][4]。「エヴリボディ・ラヴズ・ザ・サンシャイン」は、メアリー自身がジョデシィ(英語版)とのロンドンのツアーで歌ったことがあり、この曲は父親を思い起こさせるなつかしい曲だという[4]。
トラック8「ユー・ガッタ・ビリーヴ」は、メアリーの他、トゥデイ(英語版))のメンバーで本名・Frederick Lee Drakefordのビッグ・バブ(英語版)や、フェイス・エヴァンス(ノトーリアス・B.I.G.の妻)、メアリーの恋人でジョデシィのメンバーのK-Ciヘイリー(英語版)らが作詞に関わり、ハーブ・ハミルトン(英語版)が作曲している[21][4]。その他、K-Ciヘイリーの相棒のJoJo・ヘイリーもトラック3と同様にバック・ボーカルに参加している超大作で、メアリーの味わい深い洗練されたボーカル・センスが特に光る珠玉のバラード・ナンバーとなっている[4]。
トラック9「アイ・ネヴァー・ウォナ・リヴ・ウィズアウト・ユー」も、トラック8同様にメアリー自身がメインに作詞し、ハーブ・ハミルトンが作曲した曲で、ジャズのエッセンスが漂いながらも女心が切々と歌われているバラード・ナンバーとなっている[4]。ハーブ・ハミルトンは、これら『マイ・ライフ』中盤の好ナンバーを制作をしたことで名前が広く知られるようになった[22]。「I never wanna live without you, baby」(あなたなしでは生きていけないの)と哀切に歌うメアリーのボーカルに、K-Ciヘイリーのことを深く思い詰め、恋に身を焦がしている様がありありと感じられる楽曲となっている[10]。
トラック11「マイ・ライフ・インタールード」は、タイトル・トラックのインタールードで、「Oh oh, ooh oh, thank you, thank you/Oh, this is my life (This is my life)/You are my life (You are my life)/You are my life」(ああ、ありがとう、ああ、これが私の人生、あなたは私の人生)とソウルフルに詠じるメアリーの人生の苦しみ悲しみ、そして喜びも感じ取れるものとなっている[4]。
トラック12「ビー・ウィズ・ユー」には、サンプリングにドクター・ドレーの1992年の曲「ハイ・パワード」(High Powered)がイントロやバックにさりげなく使われている曲だが[25]、メアリー作詞の歌詞は、「I can't deal with the fact that/You don't want me around/Why you wanna see me down?」(あなたが私をそばに置きたがらないことが私にはよく解らない、どうしたあなたは私をこんなに落ち込ませるの?)という率直な恋の悩みが綴られ、感情を込めて歌うメアリーのけなげさが伝わる曲である[4]。
トラック14「ドント・ゴー」は、楽曲全体に「Baby, don't go」(行かないで)という小さな呟きが散りばめられ悲しく繰り返されている切ない別離の曲であるが[10]、曲によって声質が幅広くアレンジされうるメアリーの男顔負けのボーカル・ワークのすごさや、その声の魅力が堪能できる楽曲でもある[4]。曲のサンプリングには、ニュージャックスウィングで一世を風靡したバンド・ガイの1988年の曲で、彼らが制作した「グッバイ・ラヴ」(Goodbye Love)が使われている[4][27][10]。その他、デバージの「ステイ・ウィズ・ミー」(Stay with Me)の中の一節がコーラス部にサンプリングされ、ドニー・マクラーキン(英語版)の「スピーク・トゥ・マイ・ハート」(Speak To My Heart)もサンプリングされている[27]。
トラック15「アイ・ラヴ・ユー」は、離れてしまった恋人(K-Ciヘイリー)に「I still love you」(今でもあなたを愛している)と歌を通して訴えている歌詞であるが、所々で聞こえるメアリーの詠嘆のような声や、「You know I really really miss you」(本当に、本当にあなたが恋しいのよ)と悲しくこだまするボーカルが印象的で、シングル・ヒットした曲である[24]。イントロなどのノスタルジックな響きを持つピアノの音色は、アイザック・ヘイズが制作した1970年の曲「アイクズ・ムード・アイ」(Ike’s Mood I)がサンプリング使用されている[10][28]。このアイザック・ヘイズの曲は、DJ ハリウッド(英語版)の1987年の曲「ハリウッズ・ワールド」 (Hollywood's World)にもサンプリングされていて、「アイ・ラヴ・ユー」はどちらかというと「ハリウッズ・ワールド」のアレンジに近い感もある[注釈 4]。
トラック16「ノー・ワン・エルス」は、アルバムが終わりに差し掛かっているのを予感させるミディアム・テンポの落ちついたナンバーで、ジョディシィのメンバー・ミスター・ダルヴィン(英語版)のプロデュースにより、メアリーの恋人のK-Ciヘイリーが作詞を担当し、「No one else/Can do me like you do me」(他には誰もあなたのように私を扱える人はいないわ)というコーラス・フレーズが繰り返されているが、「Many are called but the chosen are few/The best of the few is you」(神に呼ばれる人々は多いけれど選ばれる人は少なく、あなたはその数少ない一人)、「Baby, your time is so perfect/Why in the hell I deserve it?/Keep on doin' what you do」(あなたの人生はそりゃあ完璧よ、でも何故それを私が受け入れなければならないの? あなたは自分の生き方を貫いていって)というフレーズもあったりする楽曲である[29][4]。サンプリングにはアル・グリーンの「フリー・アンド・ラスト」(Free at Last)が使われ、イントロや間奏部で何度か出てくる「There is no competition」(報いは何もない、勝ち目はない)というフレーズは、ダグ・E・フレッシュとスリック・リックの1985年の曲「ラ・ディ・ダ・ディ」(La Di Da Di)からのボーカル・サンプリングとなっている[29]。
トラック17「ビー・ハッピー」は、パフィの他、トラックマスターズ(英語版)のメンバー・Poke(英語版)ことジーン・クラウデ・オリバーがプロデュースし、先行シングルとしてヒットしたナンバーであるが、イントロや伴奏のファンクと甘美さが融合したリズムはカーティス・メイフィールドの1979年の曲「ユー・アー・ソー・グッド・トゥ・ミー」(You're So Good To Me)が基調としてサンプリングされ[4]、他にもマーヴィン・ゲイの1976年の曲「アイ・ウォント・ユー」(I Want You)がサンプリングされている[30]。このカーティス・メイフィールドのサウンドとメアリーのボーカルが調和したポテンシャルの高い曲を最後の収録曲として置いたことでアルバムの余韻がより印象深いものになっているが、「Happy (幸せ)」を求めているみんなのためにこの曲を作ったとメアリーは語っている[4]。そんな曲でも、「Oh, I cannot hide the way I feel inside(No, I don't know why)/I don't know why but every day I wanna cry(Every day I wanna cry)」(ああ、私は自分の心の内を隠すことができない。なぜだか分からないけれど毎日泣きたくなるのよ)というフレーズなどに、様々なことに悩む自身の素直な感情が吐露されている曲である[4][30]。バック・ボーカルは姉のラトーニャが担当している[4][30]。