マザール峠(マザールとうげ、英語: Mazar Pass、中国語: 麻扎达坂)は、中華人民共和国新疆ウイグル自治区とチベット自治区を結ぶG219国道沿いにあるヘアピンカーブの多い長い峠である。崑崙山脈を横断していて、新疆南西部のカシュガル地区カルギリク県クディ村とマザール村の間にある。欧米の資料ではチラグサルディ峠(Chiragsaldi Pass)と表記されることが多い。
マザール峠はG219国道の北の始点(カルギリク県)から240kmに位置する。全長約40km(25マイル)で、新疆チベット高速道路で最も長い峠である[1]。この国道は1957年に初めて完成し、2013年には全面的にアスファルト舗装された[2]。 南にある小さな村マザールは、ウイグルの2つの陵墓、マザールがあったことからこの名がついた。この村には中国軍のサービスステーションがある。ここ数十年、マザール峠はG219国道のトラックストップやK2への遠征隊の停車場としても機能している[3]。
チラグサルディ峠は1800年代後半にイギリスの探検家によって使われた名前であり、同様に当時キャラバンのキャンプ場でしかなかったマザール村はチラグサルディと呼ばれていた[4]。 この名前はキャンプ場の風の強さを意味し、「ランプの火が消える」という意味である[5]。1900年代初頭のフランス軍の地図では、チラグサルディ峠(チラク・ソルディ)とセーリヤック峠(サーラク)は同じ谷から西に行く峠と東に行く峠の2つの異なる峠であった[6]。