マックスファクター(Max Factor)は、ポーランド系ユダヤ人の実業家、マックス・ファクター(1877年 - 1938年)が、1909年に設立した化粧品メーカーである。
1991年からはプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の化粧品ブランドとなっていたが、現在は米国の香水メーカー・コティの化粧品ブランドになっている。
1909年、ロシアのボリショイ・バレエのビューティーアドバイザーであったマクシミリアン・ファクトロヴィッチ(渡米後にマックス・ファクターと改名)がハリウッド(アメリカ・ロサンゼルス)に、化粧品・演劇用品店「マックスファクター」を開店したのが始まりである。ファクターはアメリカに渡った後、ハリウッド映画の黎明期に美容アドバイザーとして活躍し、生み出した数々のメークアップ製品は映画スターに愛用され、広く知られるようになった。マスカラやリップブラシなど今では馴染み深い化粧品の多くは、マックスファクター1世によって生み出されたものである。
また、「メークアップ」という言葉は、常に現状に満足できなかった彼の「Make Up(もっと美しい表情を)」の台詞が、後に「化粧する」という意味で使われるようになったものである。
マックスファクターは1986年以降、アメリカの化粧品会社、レブロンの傘下にあったが、1991年、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が1.5億ドルで買収した。
2009年にマックスファクターは、誕生から100周年を迎えた。
2009年、P&Gは、販売が低迷する本国アメリカ市場でのマックスファクター・ブランドの販売から 2010年の第1四半期をもって撤退、ロシアやイギリスを始めとする国際市場での販売に集中することを発表した[1]。
そして2015年7月、P&Gがマックスファクター・ブランドを他の43ブランドと一緒に、125億ドル(約1兆5000億円)でコティに売却[2]した。
日本での販売はP&Gマックスファクター合同会社(現:P&Gプレステージ合同会社)によって行われていた。同社は2006年、会社法施行で新たに誕生した会社形態である合同会社に改組されたものである。
マックスファクターは、1953年に日本へ進出し、1991年に米本社同様P&G傘下[注 1]となった。