マムーニア (Mamunia)は、ポール・マッカートニー とリンダ・マッカートニー による楽曲。1973年のウイングス のアルバム『バンド・オン・ザ・ラン 』に収録された。また、アメリカではシングル「ジェット 」のB面としてリリースされたが、将来のシングルA面候補とされたため、「レット・ミー・ロール・イット 」と差し替えられた[ 1] [ 2] [ 3] 。
「マムーニア」は1973年初めにマラケシュ で作曲された[ 1] 。タイトルは当時マッカートニー一家が滞在していたホテル「マムーニア (Mamounia )」にインスパイアされた物である[ 1] [ 2] [ 3] 。「Mamounia 」はアラビア語 で「安全な避難所」を意味する[ 1] [ 2] [ 3] [ 4] 。作家のジョン・ブラニーによると、ポールはこの語を「再生のメタファー」として使用したとする[ 1] 。「マムーニア」はアルバム『バンド・オン・ザ・ラン 』中のタイトル曲 や「ブルーバード 」と共に、脱出と自由のテーマを信奉する[ 5] 。曲のヴァース では、「雨」を人々が直面する困難な時の比喩として使用する[ 6] 。雨にうんざりしている様子を歌った歌詞は、ポールがラゴスで体験したことそのままを表しており、曲のメッセージは、皆が厳しい時に直面しても不平を言わずに、自分の「安全な避難所」に焦点を合わせた方が良い、と言うものである[ 6] 。
「マムーニア」はラゴス で録音された『バンド・オン・ザ・ラン』収録曲の中で、最初のものであった[ 1] [ 6] 。ポール・マッカートニーはリードボーカルとベースを担当し、デニー・レインがギターとバックボーカル、リンダ・マッカートニーもバックボーカルを担当した[ 1] 。バスドラム はポールのローディー が担当している[ 2] 。「マムーニア」は「ブルーバード」同様にアコースティック曲である[ 7] 。音楽評論家のロバート・クリストガウ は曲のイントロを「アフロ・ソウル」と表現した[ 8] 。曲とリフレイン のキー はAメジャー 、ヴァースはCメジャー である[ 6] 。作家のチップ・マディンジャーとマーク・イースターは曲を「浮かぶようにとても軽い調子」と評したが、「厳しく旋律的だ」とも述べている[ 2] 。
ヴィンセント・ベニテズ教授はこの曲を「マッカートニーのポップスのスタイルの典型的な例」と記した[ 6] 。ブラニーは「明るくて快活なポップソング、人生の中で良いことを祝い、等しく楽しむ[ 1] 。」と著した。「モジョ 」誌は「ナイーブな知恵の真珠[ 9] 」と記した。作家のロバート・ディマリーとマイケル・ライドンは「『マムーニア』は『ソリッドなB面曲』」と著した[ 10] 。ポール・マッカートニーの伝記作家、ピーター・カーリンは「『マムーニア』は(ビートルズ の)『レイン 』より気楽な感情へのアプローチを取る。[ 11] 」とした。作家のティム・ライリーも「レイン」との関係性に同意し、「レノン の『レイン』の淡いリライトであるが、『スマートな2つのキーの枠組み』を称賛する。」とした[ 12] 。
プロモーションビデオは1974年7月に制作された[ 2] 。プロデューサーはジム・クィック [ 2] 。ビデオの大半はアニメーション で、ポールは登場しない[ 2] 。「The Dave Cash Radio Show 」で初めて放送され[ 2] 、2007年の『ポール・マッカートニー・アンソロジー 1970-2005 』に収録された[ 13] 。
ドン・フレミング が2003年の『バンド・オン・ザ・ラン』のリメイクでカバーしている[ 14] 。ラリー・ペイジは1990年代中旬のアルバム『John Paul George Ringo 』『Imagine 』でカバーしている[ 15] 。
この曲はアルバム「バンド・オン・ザ・ラン」収録曲で、唯一ライヴ演奏の記録が無い曲 として知られている。
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^ 実際にはアラビア語辞典に掲載が無い語で、各方言も含め「安全な避難所」という意味では使われていない。曲名の由来となったモロッコのホテル「La Mamounia」はアラビア語でالمأمونية(アル=マアムーニーヤ、口語的表記:المامونية, アル=マームーニヤ)と書かれるが、同地の歴史とホテル建設の経緯を紹介した各種記事によるとムワッヒド朝の王が息子のマアムーンに結婚祝いとしてプレゼントした庭園が由来となってい地名で、マアムーン王子の名前にちなんでつけられた場所名のうち「マアムーンの」という部分が残り、ホテル名として残ったものだという。
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アルバム
シングル
1972年 1973年 1974年 1975年 1976年 1977年 1978年 1979年 1980年
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シングル
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