マリオ・チェッキ・ゴーリ(Mario Cecchi Gori、1920年3月21日 - 1993年11月5日)は、イタリアの映画プロデューサーであり企業グループのオーナーである。生涯で200本以上の映画作品を製作した。ダミアーノ・ダミアーニ、エットーレ・スコラといった監督の作品、ディーノ・リージ監督の『追い越し野郎』や『怪物たち』といった「イタリア式コメディ」の代表作のプロデュースで知られる。
1920年、イタリア・ロンバルディア州ブレシア県の県都ブレシアに生まれる。
1951年、ディーノ・リージ監督の長篇デビュー作『ギャングと過ごすヴァカンス Vacanze col gangster』(マンブレッティ社製作、日本未公開)のアソシエイト・プロデューサーとして、初めて映画にその名をクレジットされる。
1950年代、「マクシマ・フィルム」社で製作主任、ついでプロデューサーとしてステーノ作品を多く手がけたのち、1960年、映画製作配給会社「フェア・フィルム」を設立する。設立第一作はディーノ・リージ監督の『ローマの恋』(1960年)である。以降、リージ作品を主体に「イタリア式コメディ」を量産する。同社は1973年を前後して役割を終え、製作主体を「キャピタル・フィルム」社に移行する。
1987年、映画配給会社チェッキ・ゴーリ・グループを設立。傘下にタイガー・チネマトグラフィカ等の製作会社をもつ企業グループである。
1991年、ガブリエレ・サルヴァトレス監督の『エーゲ海の天使』で、アカデミー外国語映画賞を受賞。ジャンニ・アメリオ監督の『ラメリカ Lamerica』で1994年度のヨーロッパ映画賞最優秀作品賞を受賞した。1995年のマイケル・ラドフォード監督の映画『イル・ポスティーノ』は、第68回アカデミー賞アカデミー作品賞にノミネートされたが、イタリア映画では初めてのことであった。
1990年から死去するまで、サッカークラブチーム「フィオレンティーナ」の代表をつとめた。
1993年11月5日、ローマで死去。77歳没。1980年以降、父親との共同プロデューサーをつとめてきた息子のヴィットリオ・チェッキ・ゴーリ(1942年 - )が企業群チェッキ・ゴーリ・グループの経営を引き継いだ。
※初期2作を除いてすべてプロデューサーである。