マークII手榴弾 | |
---|---|
第二次世界大戦期のマークII手榴弾 | |
種類 | 時限信管式手榴弾 |
原開発国 | アメリカ合衆国 |
運用史 | |
配備期間 | 1918年-1960年代 |
配備先 | アメリカ合衆国ほか多数 |
関連戦争・紛争 | 第二次世界大戦以降の戦争・紛争 |
開発史 | |
開発期間 | 1918年 |
諸元 | |
信管 | パーカッション式時限信管(4-5秒) |
マークII手榴弾(マークツーしゅりゅうだん、Mk II Grenade / Mk 2 Grenade)は、アメリカで開発された手榴弾である。フランス製F1手榴弾を参考に開発したマークI手榴弾を原型に改良を加えたもので、第二次世界大戦以降はアメリカ軍を中心に広く使用された。1950年代より、後継のM26手榴弾に更新されている。
第一次世界大戦中に使用されていたマークI手榴弾の改良型にあたり、形状から「パイナップル」と呼ばれたと言われるが、実は本体の色が黄色だったため兵士からパイナップルと愛称された。尚、第二次世界大戦中に写真の如くODに変更されている。上部の黄色部分は旧塗装の名残りである。
アメリカ軍では第一次大戦の直後に採用され、第二次世界大戦を通じて使用された。1950年代にM26手榴弾が開発されると制式手榴弾の座を譲り、段階的に更新されていったが、その後もベトナム戦争の辺りまで使用されていた。また、西側諸国の軍隊でもしばしば採用され、日本の陸上自衛隊ではM26手榴弾を採用するまで「MK2破片手榴弾(マークツーはへんしゅりゅうだん)」の名称で採用していた。
鋳造製の本体には縦横に溝が彫られ、この溝で区切られた四角形の突起が表面を覆っている。これは、手が泥などで汚れていたとしても確実に握り、正確に投擲できるように施されたものである。この溝と突起には爆裂時の破片の大きさを調整する効果も期待されており、マークIでは破片が細かくなりすぎたため、マークIIでは突起が1列減らされた。しかし、後の研究で刻み目の通りには割れず、弾体の外側ではなく内側に刻まなければ効果はないということが判明したため、後継のM26手榴弾は内側が加工され外側は滑らかな形状になった。
指定火薬はTNTを使用していたが、供給不足によりニトロスターチが多く使われるようになった。爆発有効範囲は5-10ヤード(4.5-9.1メートル)ほどだが、記録によると50ヤード(45メートル)先に居た人を殺傷する力を有するとされる。投擲距離は30-40ヤード(27-37メートル)ほどとされる。