著者 | アストリッド・リンドグレーン |
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原題 | Mio min Mio |
翻訳者 | 大塚勇三 |
絵 | イロン・ヴィークランド |
国 | スウェーデン |
言語 | スウェーデン語 |
出版社 | ラベン&シェーグレン 岩波書店 |
出版日 | ![]() ![]() |
出版形式 | 上製本 |
ISBN | 978-9129455816 スウェーデン語版 978-4001150735 日本語訳版 |
『ミオよ わたしのミオ』(Mio min Mio)はアストリッド・リンドグレーンによって書かれたスウェーデンの児童文学作品である。本作はリンドグレーンが書いた最初のハイ・ファンタジー小説であり、洗練された文体で綴られる物語は伝統的な北欧民話の雰囲気を有している。1956年にドイツ児童文学賞を受賞した。本作は少なくとも29の言語に翻訳されている。
1987年にはスウェーデン・ソビエト連邦・ノルウェー合作で実写映画化され、日本では『ミオとミラミス 勇者の剣』の改題で上映された。
物語は孤児のブー・ヴィルヘルム・ウルソン、通称ボッセが10月に流れた自らの失踪を報じるラジオ放送を回想するところからはじまる。
1歳のとき「子供の家」からシクステンとエドラの老夫婦に引き取られたボッセは、男の子より女の子のほうがほしかった2人にいつも邪険に扱われ、通りに出ても近所の男の子たちからいじめられるという孤独な日々を送っていた。
彼の心の支えは果物屋のルンディンおばさんと、ビール工場の老馬カッレ・プント、そしてたった1人の親友ベンカのみである。
父親を知らないボッセはベンカに優しい実父がいることを羨み、彼の息子に成りたいと時折夢想している。
ある日の夕方、ボッセはエドラおばさんの言いつけでパン屋に向かっている途中、ルンディンおばさんによびとめられる。ボッセはおばさんからりんごを1つ貰い、1枚の葉書の投函を頼まれる。 別れ際、ルンディンおばさんはボッセに「さよなら、ブー・ヴィルヘルム・ウルソン」と真剣な面立ちで告げる。
ポストに入れる寸前、ルンディンおばさんの書いた葉書の文字が燃えるように光り始め、ボッセは思わず文面を見てしまう。そこには「はるかな国」の王様に宛てて、王様が長らく探していた人物がもうすぐで帰り着くこと、証拠にその人物は黄金のりんごを持っていることが綴られていた。そしてボッセは、貰ったりんごがいつの間にか黄金に輝いていることに気づく。
その後、ボッセは普段の遊び場であるテグネルルンデン公園のベンチのそばで、木切れで栓のされた空のビール瓶を見つける。ボッセはアラビアン・ナイトのくだりを連想し、ばかばかしいと思いながらも木切れを引き抜く。 はたして瓶の中から魔神が現れ、ボッセに感謝を告げる。魔神は「はるかな国」の王様の命で彼の息子を迎えにきた使いであった。ボッセは魔神とともに空高く飛び、ストックホルムの街を去る。