ミナミソコホウボウ (学名:Bovitrigla acanthomoplate) は、ホウボウ科に分類される魚類の一種[3]。ミナミソコホウボウ属 (学名:Bovitrigla) は単型。西太平洋に分布する。
1938年にアメリカの動物学者であるヘンリー・ウィード・ファウラーによって記載され、同時に本種をタイプ種とするミナミソコホウボウ属が設立された[4]。ホロタイプはフィリピンのミンダナオ島西部、サンボアンガ半島地方沖で採集された[5]。属名はおそらく「Bos (牛)」と「trigla (ホウボウ科のタイプ属)」を組み合わせたもので、雄牛のような大きく角のある頭に由来すると考えられる。種小名は「acanthus (棘)」と「omos (肩)」と「plate (刃)」を組み合わせたもので、頭部後方にある棘を「肩の刃」と捉えたことによる[6]。
西太平洋に分布し、標本はフィリピン付近、南シナ海、南日本で収集されている[7]。水深300 - 500 mから記録されている[2]。
吻先と頭蓋骨の後部に一対の長い棘があり、眼後棘がある[7]。第1背鰭は8棘から、第2背鰭は11軟条から、臀鰭は1棘と11軟条から成る[2]。第2背鰭は10軟条から成ることもある[2]。背側は淡い赤色で、薄緑色の斑点が散らばる。腹側は無地の白色。全長は最大でも16 cm[7]。
- ^ Arceo, H.; Williams, J.T.; Carpenter, K.E.; Quiazon, K.M.; Muallil, R.; Nanola, C. (2019). “Bovitrigla acanthomoplate”. IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T114192219A154750974. doi:10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T114192219A154750974.en. https://www.iucnredlist.org/species/114192219/154750974 30 April 2024閲覧。.
- ^ a b c d Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2024). "Bovitrigla acnathomoplate" in FishBase. April 2024 version.
- ^ J. S. Nelson、T. C. Grande、M. V. H. Wilson『Fishes of the World』(5th)Wiley、2016年、467-495頁。ISBN 978-1-118-34233-6。オリジナルの2019年4月8日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20190408194051/https://sites.google.com/site/fotw5th/。2022年5月31日閲覧。
- ^ “CAS - Eschmeyer's Catalog of Fishes Pterygotriglinae”. researcharchive.calacademy.org. 2024年4月30日閲覧。
- ^ Fowler, H. W. (1938). “Descriptions of new fishes obtained by the United States Bureau of Fisheries steamer "Albatross", chiefly in Philippine seas and adjacent waters”. Proceedings of the United States National Museum 85 (3032): 31-135. https://www.biodiversitylibrary.org/page/7721586#page/115/mode/1up.
- ^ “Order Perciformes (Part 12): Suborder Triglioidei: Families Triglidae and Peristediidae”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf and Kenneth J. Lazara (10 June 2021). 30 April 2024閲覧。
- ^ a b c 矢頭卓児、手良村知功、瀬能宏「遠州灘から得られた日本初記録のホウボウ科魚類ミナミソコホウボウ(新称)」『神奈川県立博物館研究報告(自然科学)』第51巻、2022年、1-7頁。
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