ミロスラフ・ホルブ Miroslav Holub | |
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1964年 | |
誕生 |
1923年9月13日 チェコ プルゼニ |
死没 | 1998年7月14日(74歳没) |
職業 | 詩人、免疫学者 |
教育 | M.D., Ph.D. |
最終学歴 | プラハ・カレル大学 |
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ミロスラフ・ホルブ(Miroslav Holub, 発音 [mɪrɔslaf ɦɔlʊp], 1923年9月13日 - 1998年7月14日)はチェコの詩人、免疫学者。免疫学者としての経験から科学的知識を詩的効果に用いて多くの詩を書いた。ホルブの作品はたいていが韻を踏まない自由詩で、翻訳が容易である。詩は30言語以上に翻訳され、とりわけ英語圏で人気を博した。国際的に最も有名なチェコの詩人の一人だが、自国においての評判は低迷している。
1923年、西ボヘミアのプルゼニで生まれた。第二次世界大戦後にプラハ・カレル大学に入学して医学を学んだ。同時期に詩を書き始め、1947年に『Ohnice』のアンソロジーに作品を発表。1948年のチェコスロバキア政変まで日刊紙やジャーナルで活動を続けた。1954年からは免疫学者としてチェコスロバキア科学アカデミーの微生物学研究所に勤務し、ヌードマウスを飼育して実験に用いた。150以上の学術論文と「Immunology Of Nude Mice」のモノグラフを執筆[1]。1951年から1965年まで科学誌『Vesmír』の編集長を務めた。
1950年代後半、ホルブは文芸誌『Květen』(五月)を中心とした文学グループで創作活動を再開した。グループが掲げた「Poezie všedního dne(日常の詩)」は共産主義文学の表面的なレトリックと対照をなすものであった[2]。1958年にチェコ語で最初の著書『Denní služba』(日々の営み)を出版した。「プラハの春」に参加したホルブは微生物学研究所を解雇され、1982年まで作品の出版を禁止された。しかし、自己批判を行ったことと、共産主義体制への反対を公然とは表明しなかったことから、体制崩壊後には非難を受けた。[3]
一方英語では、1962年に『オブザーバー』に初めて登場し、その5年後、アル・アルバレス(Al Alvarez)による前書きとイアン・ミルナー(Ian Milner)とジョージ・タイナー(George Theiner)による翻訳がついた『Selected Poems』がPenguin Modern European Poetsシリーズとして出版された。ホルブの作品はテッド・ヒューズやシェイマス・ヒーニーらに称賛された[4]。ヒューズの『Crow』(1970)にホルブの影響が認められる。
詩に加えて、科学の様々な面、特に生物学や医学(免疫学)、生命に関連する短いエッセイを数多く執筆した。これらのエッセイは『The Dimension of the Present Moment』の題で出版されている。また、1960年代に「セミ・ルポルタージュ」として長期にわたるアメリカへの訪問滞在にについて2冊の本を出版している。
小惑星帯外側に位置する小惑星ミロスラフホルブ(7496 Miroslavholub)は、彼にちなんで名付けられた。