ムニンアオガンピ

ムニンアオガンピ
東京都夢の島熱帯植物館温室 2013年12月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: フトモモ目 Myrtales
: ジンチョウゲ科 Thymelaeaceae
: アオガンピ属 Wikstroemia
: ムニンアオガンピ W. pseudoretusa
学名
Wikstroemia pseudoretusa Koidz.[1]
和名
ムニンアオガンピ(無人青雁皮)[2]

ムニンアオガンピ(無人青雁皮、学名:Wikstroemia pseudoretusa )は、ジンチョウゲ科アオガンピ属常緑低木。別名、オガサワラガンピ(小笠原雁皮)[2][3]

特徴

[編集]

ふつう樹高は0.5-2mになるが、林内には2mを超えるものもある。よく分枝し、若いには淡褐色の毛が密生し、毛は2-3年宿存する。の樹皮は紫褐色で、縦じわがある。はほとんど無柄で密に対生し、枝先に集まる傾向がある。葉身は長さ1.5-10cm、幅1-4cm、形は楕円状倒卵形ないし長楕円形で、先端は円く、ときにやや凹み、基部はくさび形となる。縁は全縁、葉の表面は緑色、裏面は淡色で、7-9対の葉脈が目立つ[2][3]

花期は主として7-9月。茎先に筒型の黄色いを4-8個つける。花冠にみえる萼筒は長さ6-7mm、花冠裂片にみえる萼裂片は4片に割れ、長さ3-4mmになる。雄蕊は8本あり、萼筒の内側につく。子房は短い柄があり、柱頭は小さい。果実液果で長さ5-7mmになる卵形体で赤く熟し、光沢があり長毛をまばらにつける[2][3]

雌雄異株で、雌花にある雄蕊に葯の痕跡があるが、花粉はつくられない。また、雄花には雌蕊があるが柱頭がなく、結実もしない[4]

分布と生育環境

[編集]

小笠原諸島固有種父島列島母島列島に分布し、尾根付近のやや乾燥した向陽の地や岩礫地に生育する[2][3]

和名のムニンアオガンピ(無人青雁皮)は、小笠原諸島の古い呼称の「無人島(ムニンジマ)」に産することにちなむ[2]

ギャラリー

[編集]

保全状況評価

[編集]

準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト

2000年のレッドデータまでは、絶滅危惧II類(VU)。

脚注

[編集]
  1. ^ ムニンアオガンピ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e f 『新牧野日本植物圖鑑』p.444
  3. ^ a b c d 『日本の野生植物 木本II』p.80
  4. ^ 雌雄性の分化 小笠原自然情報センター

参考文献

[編集]