メゼレイン | |
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(2S)-3aβ,3bβ,3cβ,4a,5,5a,8aα,9,10,10a-Decahydro-5β,5aβ-dihydroxy-4aβ-hydroxymethyl-7,9α-dimethyl-10aβ-(1-methylethenyl)-10β-[[(2E,4E)-1-oxo-5-phenyl-2,4-pentadienyl]oxy]-2-phenyl-6H-2,8bα-epoxyoxireno[6,7]azuleno[5,4-e]-1,3-benzodioxol-6-one | |
別称 12β-[(E,E)-5-Phenyl-2,4-pentadienoyloxy]daphnetoxin | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 34807-41-5 |
PubChem | 22833497 |
日化辞番号 | J53.914G |
特性 | |
化学式 | C38H38O10 |
モル質量 | 654.7 g mol−1 |
外観 | 無色固体[1] |
水への溶解度 | 不溶 |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | LC Laboratories |
EU分類 | Xi |
主な危険性 | 刺激性 |
Rフレーズ | R38 |
Sフレーズ | S22, S24/25 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
メゼレイン(mezerein)は12β-ヒドロキシダフネトキシンのキサントフィル酸エステルである。メゼレインは動物実験において抗がん活性を示す[2] 。
1970年に、ジンチョウゲ属 (Daphne) 植物セイヨウオニシバリ (Daphne mezereum)から単離・構造決定された[3]。メゼレインはダフネトキシンと同様にプロテインキナーゼCを活性化する[4][5][6]。
メゼレインは主にセイヨウオニシバリ (Daphne mezereum)といったジンチョウゲ属 (Daphne) 植物の種子に含まれている。種子には0.1%程のメゼレインが含まれており、さらにダフネトキシンも含まれている。果実やその他の部位の毒性は低い[7]。Daphne mezereum種子は、吐剤や便秘薬、抗がん剤として利用される。外用としては痛風やリウマチ、皮膚病に使用される。農業分野では、この種子は魚毒としても使用されていた。
Daphne mezereum種子のエタノール/水抽出物はアメリカ国立癌研究所 (NCI) の標準プロトコルである白血病細胞株P-388に対して経口で増殖抑制活性を示し[8]、マウス白血病細胞株P-1210に対しても50 μg/kgで活性を示す。メゼレインを12〜13 μg/回の濃度で経皮投与すると発がん促進作用を示す[2]。
ヒトに対してはメゼレインおよびDaphne mezereum種子は高い毒性を示し[9]、経口摂取すると数時間後に口および喉の焼けつくような感覚、顔および唇の腫れ、口渇、吐き気、出血性下痢といった深刻な症状を引き起こす。メゼレインの慢性摂取は腎臓に損傷を与える。10から12粒の種子を摂取すると死に至る。外部的には、メゼレインは強力な皮膚刺激や腫れ、水膨れ、激しいかゆみを引き起こす。皮膚接触の影響閾値は約1 μgである。