モケット(英・仏:Moquette)とはパイル織物の布地の一種である。
縦糸と横糸に綿糸や麻糸、リネン糸、化学繊維などを使い、ウールや化学繊維(ポリエステルなど)の糸を織り込んで多数のパイルを作る[1]。様々な色の糸をパイルとして織り込むことにより模様をつける。
肌触りが滑らかで、耐久性が高く長持ちするため[2]、長期間にわたり使用される航空機・鉄道車両・バス・高級乗用車の座席の表地や、絨毯・椅子・ソファなどに使用される。
フランスで考案され、手織りで織られていた。標準的な幅は27インチのフランドル・エルであった。英国のウィルトン織のように切ったパイルを持つ「ヴルーテ」と、ブリュッセル絨毯のように切らないパイルを持つ「ブークレ」の2種類の仕上げがあった[3]。ヨークシャーではまだ伝統的な手法を使って織られている。
米国で最も有名なモケットは、ルイ16世からジョージ・ワシントンに贈られたものである。それはマウントバーノンの宴会室のために作られ、まだ見ることができる[3]。