インド哲学 - インド発祥の宗教 |
ヒンドゥー教 |
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『ヤージュニャヴァルキヤ法典』とは、3世紀から4世紀にかけてつくられたダルマ・シャーストラのひとつ。聖仙ヤージュニャヴァルキヤがダルマ(社会的宗教的義務)について説くというスタイルをとっており、韻文体で書かれている。
『ヤージュニャヴァルキヤ法典』は、『マヌ法典』(紀元前2世紀から紀元後2世紀にかけて成立)が著述されたのち、ウッダーラカ・アールニとならんでウパニシャッド最大の哲人と称されるヤージュニャヴァルキヤ(紀元前7世紀から紀元前6世紀にかけて活躍した人)の著作として仮託されたもので、ヒンドゥー社会における生活規範や法規定が集められている。
慣習・司法・贖罪の3部に分かれており、これによりヒンドゥー世界における法は格段に進歩を遂げ、伝統的なインド社会の秩序観念を大きく規定したとされる。分量は『マヌ法典』の5分の2程度であり、同法典とならび、後世きわめて重視されて、数々の注釈書が刊行された。