「ユー・ガット・ザ・シルヴァー」 | |||||||||||||
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ローリング・ストーンズの楽曲 | |||||||||||||
収録アルバム | 『レット・イット・ブリード』 | ||||||||||||
リリース | 1969年12月5日[1] | ||||||||||||
録音 | ロンドン、オリンピック・スタジオ(1969年2月) | ||||||||||||
ジャンル | カントリー・ブルース | ||||||||||||
時間 | 2分50秒 | ||||||||||||
レーベル | デッカ・レコード ロンドン・レコード[1] | ||||||||||||
作詞者 | ジャガー/リチャーズ | ||||||||||||
作曲者 | ジャガー/リチャーズ | ||||||||||||
プロデュース | ジミー・ミラー | ||||||||||||
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「ユー・ガット・ザ・シルヴァー」(You Got the Silver)は、ローリング・ストーンズの楽曲。1969年発表のアルバム『レット・イット・ブリード』収録。作詞・作曲はミック・ジャガーおよびキース・リチャーズ。
キース・リチャーズが初めて全編リード・ボーカルをとった曲として知られる(彼がリード・ボーカルをとった作品としては、部分的には、それ以前に「昨日の出来事」や「地の塩」があった)。リチャーズはこの曲を「自分で書いた曲を始めてミックに聴かせた最初の曲の一つ」と語っている[2]。録音は1969年2月から3月にかけて、ロンドンのオリンピック・スタジオで行われた一連のセッションの中で録音されている[3]。ブライアン・ジョーンズが生前最後にレコーディングに参加した作品であるが、彼の弾くオートハープは極めて小さい音でミックスされている。
ブートレッグ等で出回っているようにミック・ジャガーが歌ったバージョンも存在するが、リチャーズのバージョンが公式アルバムに採用されるに至った経緯について、『レット・イット・ブリード』のレコーディングエンジニアを務めたグリン・ジョンズは、自著で以下のように述べている。
『レット・イット・ブリード』の制作中にもうひとつ、わたしの無能ぶりを示す出来事があった。ジミー・ミラーと〝ユー・ガット・ザ・シルヴァー〟をミックスしていた際、ジミーがリード・ギターにリヴァース・エコーをかける案を思いついた。テープを上下反対にして逆に回し、ギターにエコーをかけ、チェンバーからの戻りを空トラックに録るという技だ。わたしは初めてだったこともあって、どちらが空トラックなのかを見誤り、ものの見事にミックのヴォーカルを消してしまった。折悪く、ミックは1万マイル彼方のオーストラリアで映画『太陽の果てに青春を』の撮影中だった。わたしは死ぬほど恥ずかしかったのだが、幸いにも、この過ちにも救いがあった。わたしたちの頼みを受けて、キースが歌ってくれることになったからだ[4]。
しかし、この曲はリチャーズのボーカル録りも含めて1969年2月のうちに完了しており[3]、また、ジャガーの映画撮影も同年の7月上旬から9月中旬までの間で、しかもそれ以降もアルバムの制作は続けられており(全ての録音が完了したのは10月27日)[5]、ジョンズの記憶違いの可能性が高い。なお、リチャーズは自身がこの曲でリードボーカルをとった理由について、「単に仕事量を分散させるためだ」と自著の中で明かしている[2]。
1970年公開のミケランジェロ・アントニオーニの映画『砂丘』に使用された。
この曲は、リリースから長らくストーンズのコンサートでは演奏されなかったが、1999年になってから演奏され始め、以降2006年-2007年、2013年-2014年、2016年、2018年-2019年の各ツアーでも披露されている[6]。2008年公開のコンサート映画『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』にライブパフォーマンスが収録されており、同コンサートのライブ・アルバム『シャイン・ア・ライト』にも収録された。