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ライツヴィル(Wrightsville)は、ミステリー作家エラリー・クイーンによる複数の作品の舞台となる架空の町。中期の長編『災厄の町』で初登場した。
ニューヨークの北方に位置する山麓の街であり、エラリーはその古風な町並みを「心の故郷」と愛して再三訪れるが、そのたびに事件が発生して捜査に走り回る羽目になる。
クイーンの作風上、レギュラーキャラはほとんど登場しないが、警察署長のデイキンとその後任のニュービーだけは複数の作品に登場している。
ニューヨークとモントリオールを結ぶ鉄道路線上に位置し、市内を州道16号と478号が通っている。ただしこの路線は実在せず、州道16号と478号は隣接していない。また、ライツヴィルがどの州に所属しているのかも作中には明確な記述はない。
周辺には『ガラスの村』の舞台であるシン・コーナーズの村があり、他にもコンヘーヴン、スロカムなどの都市がある(名称のみ登場)。
1701年、インディアンの去った土地(草原とウィロウ川の地)に、ジェズリール・ライトが入植し、土地を耕し農場を開いて、ライツヴィルの町を建設した。彼は町の祖として、広場に銅像が建ち、一族は町一番の名士であったが、『災厄の町』事件でその名声は地に堕ちた。
マホガニー山地のボールド・マウンテン山麓に位置する(いずれも架空の地名)。
市内は上流階級の邸宅が並ぶ「丘通り(ヒル・ドライブ)」、下層階級が暮らす「下町(ロウ・ヴィレッジ)」、両者の中間の商業街「上通り(ハイ・ヴィレッジ)」に三分されている。上下両階級は基本的に没交渉で、ごくまれに生じる「身分違いの恋」は、たいてい悲劇で終わっている。