『ラディテュード』 | ||||
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ウィーザー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | オルタナティヴ・ロック、パワー・ポップ | |||
時間 | ||||
レーベル | ゲフィン・レコード/インタースコープ・レコード/DGC | |||
プロデュース |
ブッチ・ウォーカー(#1, #3, #5, #8) ドクター・ルーク(#2) ポロウ・ダ・ドン(#4) ジャックナイフ・リー(#6, #9, #10) | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ウィーザー アルバム 年表 | ||||
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『ラディテュード』(Raditude)は、アメリカのオルタナティヴ・ロック・バンド、ウィーザーが2009年に発表した7作目のスタジオ・アルバム。
本作リリース前のライヴより、パトリック・ウィルソンがドラムスでなくギターを演奏するようになり、ジョシュ・フリースがウィルソンの代役のドラマーとなった[10][11]。リヴァース・クオモはウィルソンのギター演奏について「パットは長年バックステージでたくさんギターを弾いてきたから、彼の腕前は大したものだよ」「僕はもう少し、ギターを弾かずデイヴィッド・リー・ロスみたいにステージを走り回りたいと思っていたから、結果的にうまくいっている」、フリースのドラムス演奏について「ソリッドで頼りになる」とコメントしている[10]。なお、フリースは本作でも「アイム・ユア・ダディ」、「ザ・ガール・ガット・ホット」、「レット・イット・オール・ハング・アウト」の3曲でドラムスを担当しているが[12]、フリースがパーマネントなメンバーかどうかという質問に対し、クオモは「この先どうなるかは分からない」と答えている[10]。
バンドは本作で、ブッチ・ウォーカーやジャーメイン・デュプリを含む外部ソングライターを起用した。クオモは2009年のインタビューにおいて、「共作するという許諾が得られるかどうかは定かでない」と前置きした上で、他にもブライアン・ウィルソン、カレンO、ピート・タウンゼント、ジェフ・リン、カラ・ディオガーディ、スパイク・ジョーンズ、ネイト・ヒルズ、それにザ・キラーズのメンバーを「共作したいミュージシャンのリスト」に挙げていたという[13]。デラックス・エディション盤ボーナス・ディスクに収録された「ザ・アンダードッグス」は、クオモが日本の作曲家である原一博と共作した曲で、ウィーザーは既に、原が作曲したBoAのヒット曲「メリクリ」をカヴァーしており、原とのコラボレーションは以前からの念願だった[11]。
「キャント・ストップ・パーティイング」にはリル・ウェインがゲスト参加しており、クオモはウェインのことを「彼はとても自然体かつ異様で、ゲットーやギャングスタやインテレクチュアルに行こうとしていない」と評している[13]。「ラヴ・イズ・ジ・アンサー」ではインドの楽器が使用されており、この曲は本作に先駆けてリリースされたシュガー・レイのアルバム『Music For Cougars〜復活の常夏番長〜』(2009年)に、クオモ本人をゲストに迎えたカヴァーが収録された[14]。
アルバム・タイトルは「rad」と「attitude」を合わせた造語で、クオモと親しい俳優レイン・ウィルソン(映画『トランスフォーマー/リベンジ』やテレビドラマ『The Office』等に出演)が考案した[15]。なお、クオモは当初『Bring It』というタイトルも考えていたが、PUFFYによる『Bring it!』の発売が決定していたため断念したという[11]。
ジャケットに使用された犬の写真は、ジェイソン・ニーリーが自分の飼い犬「シドニー」 を撮影したもので、元々は『ナショナルジオグラフィック』誌の2009年8月号に掲載されていた[16]。
本作からの第1弾シングル「アイ・ウォント・ユー・トゥ」のミュージック・ビデオは、マーク・ウェブが監督し、メンバー4人に加えて女優のオデット・ユーストマンが出演した[17]。
バンドの母国アメリカでは、総合アルバム・チャートのBillboard 200で7位に達し、『ビルボード』のロック・アルバム・チャートとモダン・ロック/オルタナティヴ・アルバム・チャートではいずれも1位を獲得した[3]。アメリカでの初週の売り上げは6万6千枚で、前作『ウィーザー (ザ・レッド・アルバム)』(2008年、全米4位)の12万6千枚を大幅に下回る結果となった[18]。また、シングル「アイ・ウォント・ユー・トゥ」はBillboard Hot 100で81位を記録している[3]。
全英アルバムチャートでは80位に終わり、ウィーザーのスタジオ・アルバムとしては初めて全英トップ50入りを逃す結果となった[7]。
Matt Collarはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「『ラディテュード』は往年のウィーザーのように響く一方、迎合しておらず時代遅れにもなっていない」と評している[19]。また、ロブ・シェフィールドは『ローリング・ストーン』のレビューで5点満点中3.5点を付け「愉快で安っぽい、ウィーザー的な曲に満ちている」と評している[20]。一方、Evan SawdeyはPopMattersのレビューで10点満点中1点を付け「楽しませることでなく売れることを意図した、冷徹で計算高く、喜べない製品」「年間最悪のアルバム」と批判している[21]。
日本盤CD (UICF 1119/20)には11. - 12.が収録され、インターナショナル盤には11.が収録された。
アディショナル・ミュージシャン