リジェ・JS P2

リジェ・JS P2
カテゴリー LMP2
コンストラクター オンローク・オートモーティヴ
デザイナー ニコラ・クレメンソン
先代 モーガン・LMP2
後継 リジェ・JS P217
主要諸元[1]
シャシー カーボンファイバー モノコック
サスペンション(前) 独立懸架 ダブルウィッシュボーン プッシュロッド
サスペンション(後) 独立懸架 ダブルウィッシュボーン プッシュロッド
全長 4,610 mm (181 in)
全幅 2,000 mm (79 in)
ホイールベース 2,865 mm (112.8 in)
エンジン ニッサンジャッドホンダ製のいずれか 縦置きミッドシップ
トランスミッション エクストラック626 6速 油圧式シーケンシャルマニュアルトランスミッション
重量 900 kg (2,000 lb)
タイヤ ミシュランダンロップコンチネンタル
主要成績
チーム フランスの旗 オーク・レーシング
フランスの旗 ティリエ・バイ・TDSレーシング
ロシアの旗 G-ドライブ・レーシング
アメリカ合衆国の旗 クローン・レーシング
アメリカ合衆国の旗 マイケル・シャンク・レーシング
アメリカ合衆国の旗 テキーラ・パトロン・ESM
初戦 2014年のル・マン24時間レース
出走優勝
387
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リジェ・JS P2 ( Ligier JS P2 ) は、フランスのマニュファクチャラーのオンローク・オートモーティブにより設計と製造が行われ、同社とフランス人の元レーシングドライバーのギ・リジェの提携により名付けられたレーシングカーである[2]ル・マン・プロトタイプ (LMP2)のレギュレーションに基づいて設計されており、オンロークの顧客であるレーシングチームに対して、2012年以来レースで使われているオンロークのモーガン・LMP2の後継機で購入候補となるべく製作された。オンロークが自社で完全設計した初の(運転席が)クローズドボディの車両となる[3]。JS P2は、2014年のル・マン24時間レースでデビューし、FIA 世界耐久選手権ヨーロピアン・ル・マン・シリーズアジアン・ル・マン・シリーズ及びユナイテッド・スポーツカー選手権に参戦している。

開発

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オンロークは当初LMP1カテゴリー向けのレースカーとして開発計画を進めていたが、その計画を取り止め、LMP2カテゴリー向けの開発に専念することになった[3]。北米で販売しやすいようにオンロークによって施された設計は、運転席がクローズドタイプのデザインで、LMP1で必要とされる要件の全てを満たし、新しいユナイテッド・スポーツカー選手権で使用するLMP2カーとデイトナ・プロトタイプカーの重要な選択ともなっている[2]。LMP1の設計はそれゆえ、フランス西部自動車クラブ(ACO)のLMP2カテゴリーのコスト上限枠に適合する様に定められたLMP2カーの設計を進化させたものになっている。ニッサン製とジャッド製の自然吸気V8及びホンダ製のターボ化されたV6のLMP2用エンジンを搭載できるように設計されている。ハイ・ダウンフォースでスプリント・レース用のデザインとロー・ダウンフォースでル・マン用のデザインを設定できるようになっている[1]

「JS P2」の名称は、チーム・リジェマルティニの協力関係に基づくギ・リジェとオンロークとの提携に由来する。ギ・リジェの親友で事故死したフランス人レーシングドライバーのジョー・シュレッサー (Jo Schlesser、略称: JS ) を偲んで付けられるリジェのレースカーの命名方法に従って、JS P2と名付けられた。オンロークが引き継いだリジェ-マルティニ'のグループCNのレース車両の開発にも、車名に関する提携の効力は及んでいる[2]

レースの歴史

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#57 クローン・レーシングと#60 マイケル・シャンク・レーシングのレースカーとしてデイトナに置かれたリジェ・JS P2(2015年)

JS P2は、2014年3月に走行テストを開始した[4]。JS P2のデビュー戦は、6月のル・マン24時間レースに決まり、1975年に総合順位で2位に入って以来のリジェの名前を冠したレースカーの出走を果たした[2]オーク・レーシングは2台を参戦させており、1台には日産製エンジンを搭載し日産のワークスドライバーを乗せ、ホンダ製エンジンを搭載したもう1台には3人の中国人ドライバーを乗せた。他にも、中古の日産製エンジンを搭載したプライベーターのティリエ・バイ・TDSレーシングが、JS P2を購入して参戦している[5]。2台の日産製エンジンを搭載したJS P2は予選を好調に走り、TDSの車両はクラス内でポールポジションを獲得し、オークの車両も予選3位に入った[6]。3台全車がル・マンを完走し、TDSがLMP2クラス2位、オークがクラス5位と7位に入っている。

TDSレーシングは、ル・マン24時間レース後に行われた同年のヨーロピアン・ル・マン・シリーズの残りシーズンの3戦にリジェ・JS・P2を使用して参戦しているが、3戦とも完走できずにシーズンを終えた。オーク・レーシングはその間にリジェ・JS・P2をアメリカ合衆国に持ち込んでユナイテッド・スポーツカー選手権の残り2戦を走らせ、アレックス・ブランドルがホンダ製エンジンを搭載したJS P2をサーキット・オブ・ジ・アメリカズでのシリーズデビュー戦でポールポジションをもたらし[7]、2位でレースをフィニッシュした。 日産のエンジンを搭載したオーク・レーシングの車両については、G-ドライブ・レーシングとしてそのままFIA 世界耐久選手権に参戦。残る5戦で5戦連続ポールポジションを獲得して、富士スピードウェイ上海インターナショナルサーキットでクラス優勝を挙げている。

G-ドライブ・レーシング、JS P2-日産(2015年)

2015年に、アメリカの クローン・レーシングチームがJS P2を1台購入して、JS P2にジャッド製エンジンを初搭載して、ユナイテッド・スポーツカー選手権の部分参戦とヨーロピアン・ル・マン・シリーズのフル参戦を行った[8]マイケル・シャンク・レーシングはホンダ製エンジンを搭載したJS P2を購入してユナイテッド・スポーツカー選手権にフル参戦し、開幕戦のデイトナ24時間レースでポールポジションを獲得している[9]FIA 世界耐久選手権では、JS P2-日産を2台走らせたG-ドライブ・レーシングが2台合わせて8戦中5勝を挙げ、26号車とそれに乗ったロマン・ルシノフジュリアン・カナルサム・バードの3人が4勝して、それぞれチームとドライバーズのLMP2耐久トロフィーを獲得し、LMP2クラスの二冠を達成した。

2016年エクストリーム・スピード・モータースポーツ英語版ユナイテッド・スポーツカー選手権で、ホンダ製3.5L V6ターボエンジンを搭載したJS P2で参戦し、デイトナ24時間セブリング12時間レースの両方で総合優勝し、デイトナ・プロトタイプをデイトナで破った最初の車となった。そしてチームは1998年以来の「フロリダの36時間」を勝ち取ったチームになった[10]

脚注

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  1. ^ a b Onroak Automotive Ligier JS P2” (PDF). Onroak Automotive. 13 February 2015閲覧。
  2. ^ a b c d OnRoak, Ligier Announce Partnership”. Sportscar365 (6 December 2013). 13 February 2015閲覧。
  3. ^ a b Dagys, John (4 March 2014). “Ligier JS P2 Breaks Cover”. Sportscar365. 13 February 2015閲覧。
  4. ^ Mercier, Laurent (4 March 2014). “Nicolet Pleased with Ligier JS P2 Rollout”. Sportscar365. 13 February 2015閲覧。
  5. ^ Dagys, John (16 March 2014). “Ligier JS P2 Receives Homologation, Set for Le Mans Debut”. Sportscar365. 13 February 2015閲覧。
  6. ^ Dagys, John (12 June 2014). “Nakajima, Toyota Take Landmark Pole at Le Mans”. Sportscar365. 13 February 2015閲覧。
  7. ^ DiZinno, Tony (19 September 2014). “Brundle Secures Ligier-Honda TUSC Debut Pole at COTA”. Sportscar365. 13 February 2015閲覧。
  8. ^ Dagys, John (29 January 2015). “Nergi Completes Krohn Racing Lineup in ELMS”. Sportscar365. 13 February 2015閲覧。
  9. ^ Negri Takes MSR Ligier JS P2 Honda to Rolex 24 Pole”. Sportscar365 (22 January 2015). 13 February 2015閲覧。
  10. ^ Fira, Michael (22 March 2016). “12 Hours of Sebring Race Report”. Topspeed. 18 February 2021閲覧。

外部リンク

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