リン化ガリウム | |
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gallanylidynephosphane | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 12063-98-8 |
PubChem | 82901 |
ChemSpider | 74803 |
RTECS番号 | LW9675000 |
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特性 | |
化学式 | GaP |
モル質量 | 100.697 g/mol |
外観 | 薄いオレンジ色の固体 |
匂い | 無臭 |
密度 | 4.138 g/cm3 |
融点 |
1477 °C, 1750 K, 2691 °F |
水への溶解度 | 不溶性 |
バンドギャップ | 2.26 eV (300 K) |
電子移動度 | 250 cm2/(V*s) (300 K) |
熱伝導率 | 1.1 W/(cm*K) (300 K) |
屈折率 (nD) | 3.02 (2.48 µm), 3.19 (840 nm), 3.45 (550 nm), 4.30 (262 nm) |
構造 | |
結晶構造 | 閃亜鉛鉱型構造 |
空間群 | T2d-F-43m |
格子定数 (a, b, c) | a = 545.05 pm Å |
配位構造 | 四面体 |
危険性 | |
NFPA 704 | |
引火点 | 110 °C (230 °F; 383 K) |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 窒化ガリウム ヒ化ガリウム |
その他の陽イオン | リン化アルミニウム リン化インジウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
リン化ガリウム(リンかガリウム、GaP、gallium phosphide)は、ガリウムのリン化物で、2.26 eV(300 K)の間接バンドギャップを持つ化合物半導体である。
多結晶体は、薄いオレンジ色である。非ドープ単結晶ウェーハは透明なオレンジ色だが、ドープされたウェーハは自由キャリア吸収によって暗くなる。
硫黄、ケイ素、テルルは、n型半導体を製造するためのドーパントとして使用される。亜鉛は、p型半導体のドーパントとして使用される。
リン化ガリウムは、光学材料としても利用され、波長840 nm (IR)で 3.19、550 nm(緑)で 3.45、262 nm (UV) で4.30の屈折率を持つ[1]。
1960年代から、低〜中輝度の赤・オレンジ・緑発光ダイオード(LED)の低コスト製造に使用されている。単体もしくはGaAsPと組み合わせて製造される。
純粋なGaP系LEDは、波長555 nmの緑色光、窒素ドープ品は黄緑色(565 nm)、酸化亜鉛をドープしたGaPは、赤色(700 nm)の光を発する。
リン化ガリウムは、赤〜黄色の光に対して透明であることから、GaAsP-on-GaP系LEDは、GaAsP-on-GaAsより効率が良い。
リン化ガリウムは常圧下900 ℃以上の温度では、気体のリンと液体のガリウムに解離する。結晶成長時に融液は1500℃程度の温度となるため常圧化ではリンとガリウムとが解離してしまう。このことから、解離を防ぐため、10〜100気圧の不活性ガス雰囲気下で溶融した酸化ホウ素でリン化ガリウムの融液を覆い、リンの蒸気圧を下げて結晶を成長させる必要がある。
結晶成長は、シリコン単結晶と同じくチョクラルスキー法を用いる。ただし、上記の通り酸化ホウ素により融液を覆うため液体封止チョクラルスキー法(Liquid Encapsulated Czochralski、略称: LEC)と呼ばれる。