ジャンル | レースゲーム |
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対応機種 | アーケードゲーム |
開発元 | セガ・AM3研 |
発売元 | セガ |
人数 | 1人-6人 |
発売日 | 1997年 |
システム基板 | MODEL3 |
『ル・マン24』 (Le Mans 24) は、セガが1997年に発売した、ル・マン24時間レースを題材にしたアーケードゲームである。
規定時間を走破した時の走行距離を競う耐久モードがゲームの中心である。コースを走破した時のタイムを競うスプリントモードや、対人対戦ができる通信モードも存在する。
ゲーム中の「架空の1時間」は、初期設定では現実の20秒に相当する。これは、10秒・30秒・40秒に変更可能。変更すると、耐久モードでの初期順位も同時に変更になり、初期設定の20秒なら20位、設定変更で10秒ならば10位、30秒ならば30位、40秒ならば40位になる。
各座席ごとに、特定の車両をスペシャル仕様として設定できる。通常よりも加速力が良くなり6速の最高速に達する。逆に言えば、スペシャル設定でない限り、車両選択時に表示されている最高速度は出ない。
このゲームでは、持ち時間制が採用されている。持ち時間の初期設定は、架空の6時間に相当する時間である。設定をHARDにすると-30秒、EASYにすると+30秒。
持ち時間は、自分以外の車を抜く事により増加し、逆に抜かれると減少する。車の上に順位が表示されているライバルカーは9秒、表示されていないアザーカーは4秒(共に初期設定)を抜くことで、プレイヤーの持ち時間を増加させる。なお、それぞれを18秒・8秒とする設定が存在し、この設定の場合、1クレジット完走が大幅に楽になる。
また、周回を完了するごとに得られるLAP BONUSや、耐久モードでは「架空の6時間(後述)」経過毎に得られるHOURS BONUSも存在し、持ち時間を増加させる。
本物のサルト・サーキットは一周13kmを超える長いサーキットであるが、このゲームでは一周1分数秒台で周回できるサイズに縮小されている。
このモードの目的は「サルト・サーキットで行われている耐久レースで、架空の24時間を完走する」ことにある。プレイヤーはピットから前述の初期順位でスタートし、持ち時間が切れる前に24時間を走破すればゲームクリアとなる。24時間を経過した瞬間の走行距離が記録となり、ベストテンがランキングされる。
サーキットは常に時間が経過しているため、朝から昼を経て夕方になり、夜になるという変化が存在する。また、架空の24時間のうちに必ず一度は雨が降る。雨が降っている間はグリップが大幅に低下する。また、プレイヤーカーのタイヤは3周ほどでグリップが低下する。ピットインすることでタイヤ交換を行い、グリップを回復する事ができるが、前の順位のライバルカーと距離を離されてしまうため、その後のゲーム展開が大幅に不利になる。なお、ピットイン中は順位の低下はなく、持ち時間の減少も無いが、サーキット上の時間は経過しているため、ラップタイムはそのまま加算されていく。タイヤを交換せずに24時間を完走することも可能ではあるが、最後の方ではグリップが無きに等しい状態になる。なお、ガソリンの概念は存在しない。
持ち時間が切れるとオートパイロットになり、コンティニューをするかどうかの画面になる。指定されたクレジットを投入してスタートボタンを押すと継続プレイが可能になる。
24時間が経過すると、ゲームクリアとなりその瞬間にオートパイロットとなって順位が確定する。
完走すると、ポルシェ917Kと1周だけの直接対決となるボーナスステージが始まる。勝っても負けてもエンディングとはなるが、勝敗によってエンディングのBGMが変わる。
レースの最中にピットから様々な内容の無線が入る。前方に事故車が存在する場合にその存在を予告して注意を促したり、雨が降って来ることを連絡して来たり、タイヤのグリップが低下しているのでピットインを促す連絡や、架空の6時間が経過してHOURS BONUSが加算される毎に、激励の言葉をかけてくれたりもする。これらは無線のノイズ音が一瞬入る他の内容は文字で表示され、24時間完走時のみ"24 Hours"という音声が流れる。
このモードでは、複数人が通信プレイをすることが可能だが、「複数人が同一のレースに出場」という扱いではなく、「サーキットで複数のレースが同時に開催されるが、各プレイヤーは別々のレースに参加している」という状態になる。例えばあるプレイヤーの画面ではライバルカーとして表示されている敵車は、他のプレイヤーの画面にはアザーカーとして表示される。ただし、プレイヤーカーを抜いた場合に獲得できる秒数は、アザーカー相当の4秒ではなく、ライバルカー相当の9秒である。また、処理の関係でサーキット上に存在する敵車の合計は、複数人がプレイしているからといって倍になるわけではないために獲得できる時間が減少し、難易度が上昇する。
複数人がプレイしている場合にそれを実感できるイベントの一つとして、ピットからの無線がある。プレイヤーの誰かがラップタイムのコースレコードを更新した場合、通信プレイに参加している全プレイヤーに「1Pコースレコード!」(1Pがレコードを更新した場合)という無線通信が入る。またこのときプレーヤー画面にUFOが出現する。
このモードは、サルト・サーキットと市街地コースのいずれかを選んで、コースを持ち時間が無くなる前に3周することがゲームの目的である。プレイヤーは15位からスタートし、コース上をプレイヤーと同様に走行しているライバルカーを抜く事により持ち時間を増やし、3周してゴールした時のタイムが記録となる。なおコンティニューはできない。
複数人で対戦を行いたいときはこのモードを選ぶ。誰か一人がこのモードを選ぶと、デモ中の全ての筐体の画面にカウントダウンが表示されるので、他の参加者はその間にクレジットを入れてスタートボタンを押すと参加する事ができる。
このモードでは、サルト・サーキットと市街地コースのいずれかを選んで、コースを持ち時間が無くなる前に他のプレイヤーより早く2周することがゲームの目的である。スタート前に2周するには十分な時間が与えられる代わりに、Lap Bonusによる加算と、時の経過による自然減算のみが持ち時間に影響するようになる。誰かが2周を完了した時点で全車の順位が確定し、ゲームが終了する。
バグが多い。
他にも、攻略上の仕様として黙認されているものも含めて、細かい不具合は多数ある。
国内向けには、完成品(TWIN筐体)として出荷された筐体と、『セガツーリングカーチャンピオンシップ』(TWIN筐体)からコンバートされた筐体がある。二者はハンドル径・ブレーキの固さ・ビューチェンジボタンの数などで判別できる。この作品は、TWINタイプの筐体のみ発売され、それ以外の形態の筐体は存在しない。 また、この筐体に対するほかの作品へのコンバージョンキットは存在しない。
すでに次世代の基板が見えている時期に、初期のMODEL3 STEP1.5仕様を採用しており、登場時期が明らかに遅い。最も多く供給されたセガ系列ロケの筐体も発売後1年も経たぬうちに海外に中古品として輸出されてしまったために、国内にはあまり現存していない。
本作が稼働した当時はまだ、フェラーリやポルシェに対するライセンスの独占体制が敷かれていなかったため、堂々と実名で登場しているのが特徴といえる。
ゲームでの初級/中級/上級の分類は、初級=「操縦性が高く、最高速が低い」、上級=「操縦性が低く、最高速が高い」、中級はその中間である。
操縦性にはそれほど差が無いので、初心者だからといって初級車を使う必要は無く、速度が遅い分、逆にゲームオーバーになりやすい。性能的には、8車中ポルシェ917Kが頭抜けている。
ただし、上述のスペシャル仕様を設定すると、ザウバーC9メルセデス・マツダ787Bの2車は、最高速はわずかに負けるが、加速力で上回り、ポルシェ917K以上の性能に変化する。
車選択時にスタートボタンと視点1ボタンを押しつつアクセルで決定すると、デザイン違いの車を選択できる。これらのデザイン違いの車はCPU車両としてもスプリント・24時間耐久どちらにも登場する。
ポルシェ917Kは、スプリントレースでは1位の車として登場。24時間耐久レースでは、完走後のボーナスステージで登場。自車として使うには車選択時にコマンド入力が必要。
ソニックバギーは、CPU車両としては全く登場しない完全隠し車両。自車として使うには、ポルシェ917K同様、車選択時にコマンド入力が必要。
また、隠しコマンド入力により、1995年NISMO GT-R LM 22号車(5速ミッション仕様)等の車両も出すことができ、それを探す楽しみも有った。