ルーシー・ハンナ(Lucy Hannah、旧姓テレル〈Terrell〉およびブラウン〈Brown〉、1875年7月16日?〈または1895年8月12日〉 - 1993年3月21日)は、かつて世界で2番目の長寿とされたアメリカ合衆国の黒人女性。
ソロモン・テレルとサリー・エドワーズの娘として、アラバマ州に生まれる。成人後、ブラウン某と結婚するも死別。1943年10月1日、デトロイト在住のトラック運転手のフレッド・ハンナと再婚する[1]。1993年3月21日、ミシガン州にて死去[2]。
なお、生前の彼女の確かな写真は見つかっておらず、遺族の有無や消息も不明である[3]。
2003年、社会保障局における社会保障身体障害保険(Social Security Disability Insurance / SSDI)の記録より、ハンナの年齢が長寿研究者から注目を集めた[3]。加えて、1880年の国勢調査において、4歳の黒人女児「ルーシー・テレル」の記録が存在した事から[4]、ハンナの117歳248日の没年齢が、2003年9月9日にジェロントロジー・リサーチ・グループ(GRG)によって認定された。
死没時にはアウグスタ・ホルツ(115歳79日没)の年齢を上回り、アメリカにおける史上最高齢の人物とされた。同時に、(ハンナより5カ月年長とされた)ジャンヌ・カルマンに次ぐ人類史上2番目の長寿記録保持者とみなされた[注釈 1]。
2015年、結婚記録などの新資料が判明して以降、以下の疑問点が挙がった[3]。
2020年12月、GRG理事のロバート・ヤングおよび同管理者のヴァツワフ・ヤン・クロチェクによって、ルーシー・ハンナの117歳没の認定が取り下げられた[3][注釈 3]。これにより、同年末時点でのアメリカ史上2番目の長寿者はスザンナ・マシャット・ジョーンズ、黒人の歴代最長寿者はヴァイオレット・ブラウンとなった。