ロバート・J・ラング (Robert J. Lang、1961年 5月4日 - [要出典 ] )はアメリカ の物理学者 。世界の主要な折り紙作家およびその理論家の1人でもある。複雑でエレガントなデザイン、特に昆虫や動物のデザインで有名である。折紙の数学 を研究し、折り紙の背後にある理論を研究するためにコンピュータを用いている。工学上の問題に対し、現実の折り紙を適用するのに大きな発展をもたらした。
アメリカ国旗を折り紙で折るロバート・ラング。50の星、15本の白線、13本の赤線を1枚の紙から切ることなく折っている。
オハイオ州 デイトン 生まれ。ジョージア州 アトランタ で育った[ 1] 。カリフォルニア工科大学 で電気工学 を学んだ。そこで後に妻となるDianeと出会っている[ 2] 。1983年にスタンフォード大学 で電気工学で修士 号を取得し、応用物理 でPh.D.を取得するためにカリフォルニア工科大学に戻った。Semiconductor Lasers: New Geometries and Spectral Properties という論文でPh. D.を取得している[ 2] [ 3] 。
1988年よりNASA のジェット推進研究所 で働き始めた[ 2] 。サンノゼ にあるSpectra Diode Labや[ 4] JDS Uniphaseで科学研究員としても働いていた[ 4] [ 5] 。
半導体レーザー 、光学 、集積光エレクトロニクスに関する80以上の論文を単著・共著しており、これらの分野で46の特許 を所持している[ 5] 。2001年、工学から離れ、専業の折り紙作家・顧問となった[ 4] 。しかし、自身の物理学のバックグラウンドは継続しており、2007年から2010年までIEEE Journal of Quantum Electronics の編集長を務め、サイプレス・セミコンダクター で非常勤のレーザー顧問も務めていた[ 5] 。現在はカリフォルニア州アラモ に住んでいる[ 1] 。
ラングが折り紙を知ったのは、6歳の時に先生から紹介されたときであった。その時の先生は、教室で彼を楽しませる方法が尽きてしまい折り紙を紹介した[ 2] 。15歳ごろまでに、オリジナルの折り紙パターンを設計していた[ 2] 。学部の勉強のプレッシャーから逃れるために折り紙を用いていた。カリフォルニア工科大学で勉強している間、他の折り紙マスターであるMichael LaFosse、John Montroll、Joseph Wu、Paul Jacksonなどとオリガミ・センター・オブ・アメリカ(現在はオリガミUSAとして知られている)で接触した[ 2] 。
ドイツ でポスドク をしている間、ラングと妻はシュヴァルツシルト の鳩時計 に夢中になり、3か月間設計し、6か月間実際に折ったことでそれを作ることに成功すると、ラングは折り紙界で大評判となった[ 2] 。
レーザーカッターを用いて複雑な折り目を紙につけるなど、現代技術を最大限活用している[ 6] 。
折紙の数学 の主要な理論家の1人とされている。折紙を設計する過程をアルゴリズム化する方法を開発し[ 7] 、藤田・羽鳥の公理 に完全な証明を与えた[ 8] 。
ラングは、自身が発展させた様々な折紙の理論に対する現実世界の適用を発見することを専門にしている。これには、ドイツ のエアバッグ メーカーに対して折りこむパターンを設計することも含まれる[ 3] 。カリフォルニア州 リバモア にあり、100mのレンズを薄膜の形状で備えた強力な宇宙望遠鏡を開発しているチームがあるローレンス・リバモア国立研究所 と共同研究をしている。ラングは、宇宙空間で広げることができ、どんな恒久的な傷や折り目にも悩まされることがないように、Eyeglassとして知られている巨大なレンズを小さなロケットに合わせる方法を開発すべくチームに従事した[ 9] 。折紙に関する8冊の本および多くの記事の著者・共著者である[ 1] 。2012年3月14日にGoogleで使われた吉澤章 生誕101周年のDoodleのデザインも手掛けている[ 10] 。
2012年にアメリカ数学会 のフェローとなった[ 11] 。また、広い視野と専門知識を持っているエンジニアであるHinge Visible Expertと認められている[ 12] 。
The Complete Book of Origami ; Dover Publications, 1988, ISBN 0-553-38016-8
Origami Zoo (with Stephen Weiss ); St. Martin's Press, 1989, ISBN 0-312-04015-6
Origami Sea Life (with John Montroll); Dover Publications, 1990, ISBN 0-486-26765-2
Origami Animals ; Crescent, 1992 (out of print ), ISBN 0-517-07320-X OCLC 439612324
Origami Insects and their Kin ; Dover Publications, 1995, ISBN 0-486-28602-9
Origami in Action ; St. Martin's Press, 1996, ISBN 0-312-15618-9
Origami Design Secrets: Mathematical Methods for an Ancient Art . A K Peters. (2003). ISBN 1-56881-194-2
^ a b c Lang (2007年). “About the Artist ”. Robert J. Lang Origami. 2007年4月12日 閲覧。
^ a b c d e f g Orlean (February 19, 2007). “The Origami Lab ”. Onward and Upward With the Arts . The New Yorker . p. 2. 2007年4月11日 閲覧。
^ a b Kirsten Sanford and Justin Jackson [in 英語] (7 July 2005). "July 7, 2005 Broadcast" . This Week in Science (Podcast). 2007年9月27日時点のオリジナル よりアーカイブ。2007年4月12日閲覧 。
^ a b c Orlean (February 19, 2007). “The Origami Lab ”. Onward and Upward With the Arts . The New Yorker . p. 1. 2007年4月11日 閲覧。
^ a b c Orlean (February 19, 2007). “The Origami Lab ”. Onward and Upward With the Arts . The New Yorker . p. 4. 2007年4月11日 閲覧。
^ Orlean (February 19, 2007). “The Origami Lab ”. Onward and Upward With the Arts . The New Yorker . p. 3. 2007年4月11日 閲覧。
^ Hull (November 29, 2003). “Origami Mathematics ”. Merrimack College . April 18, 2007時点のオリジナル よりアーカイブ。2007年4月12日 閲覧。
^ Lang, Robert J. (2003) (PDF). Origami and Geometric Constructions . Robert J. Lang. http://www.langorigami.com/science/hha/origami_constructions.pdf 2007年4月12日 閲覧。 .
^ Britt (February 20, 2002). “Origami Astronomy: The Art and Science of a Giant Folding Space Telescope ”. Tech Wednesday . Space.com . 2002年6月6日時点のオリジナル よりアーカイブ。2007年4月12日 閲覧。
^ Albanesius (March 14, 2012). “Origami Legend Akira Yoshizawa Honored With Google Doodle ”. PC Magazine. March 14, 2012 閲覧。
^ List of Fellows of the American Mathematical Society , retrieved 2013-01-27.
^ Hinge Marketing , retrieved 2014-02-03.