略称 | MRCE |
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本社所在地 |
オランダ アムステルダム[1][2][3] |
設立 | 2004年[4] |
業種 | リース |
事業内容 | 機関車のリースなど[1][3] |
売上高 | 1億4,900万ユーロ(2022年現在)[3] |
主要株主 | 三井物産(全株所有) |
三井レール・キャピタル・ヨーロッパ(みついレール・キャピタル・ヨーロッパ、英語: Mitsui Rail Capital Europe GmbH、MRCE)は、日本の大手総合商社である三井物産の完全子会社の1つ。オランダのアムステルダムに本社を有しており、ヨーロッパ各国に機関車のリースを実施している[1][3]。
日本の総合商社である三井物産は1996年にアメリカ合衆国に貨車のリース業を実施する三井レール・キャピタル(Mitsui Rail Capital)を設立して以降、世界各国に鉄道車両のリース業を実施する子会社の設立・展開を進めていた。その中で、欧州連合による鉄道貨物輸送のオープンアクセスの規定に今後の市場の成長が見込まれるヨーロッパの機関車リース市場に参入するため、2004年に三井レール・キャピタル・ヨーロッパが設立された[4][5]。
一方、それ以前の2001年、ドイツに本社を置くシーメンスは自社が開発した機関車のリースを実施する部門としてシーメンス・ディスポロック(Siemens Dispolok GmbH)を設立し、2002年に独立した有限責任会社へと移管した。これは機関車リース事業への商機に加え、機関車の修繕をはじめとしたサービスの向上などの目的もあった[4][6]。
そして2006年、三井物産はシーメンス・ディスポロックを買収し、2008年に三井レール・キャピタル・ヨーロッパへ統合した。これにより、同社は150両の機関車を所有する事となり、当時のヨーロッパにおける最大の機関車リースおよび保守事業を含めたフルサービス事業者となった。この統合に合わせて社名は「MRCEディスポロック(MRCE Dispolok)」に変更されたが、2013年に「三井レール・キャピタル・ヨーロッパ」への再度の変更が実施されている。この統合以降も同社とシーメンスとの関係は続いており、新型機関車の発注が継続して行われている他、2018年にはオランダで機関車の保守事業を行う合弁会社(Locomotive Workshop Rotterdam、LWR)が設立されている[1][3][4][7][8]。
2023年現在、三井レール・キャピタル・ヨーロッパは340両以上の電気機関車を所有し、ヨーロッパの各国の事業者へリースを実施している。特にシーメンスが展開しているベクトロンは2022年時点で147両が在籍している他、同年に14両の追加発注を行っており、三井レール・キャピタル・ヨーロッパはベクトロンを多数購入している事業者の1つとなっている[1][3][9][10]。
2023年、三井物産は事業ポートフォリオを再構築する一環として、同社が所有していた三井レール・キャピタル・ヨーロッパの全78万株を、ヨーロッパで鉄道車両のリースを実施するビーコンレール・メトロ(Beacon Rail Metro Finance B.V.)へ売却する旨を発表した。この売却はドイツ当局による認可を経て2024年3月までに完了する予定で、これに伴い三井物産は売却益を計上する事になっている[2][3][15]。