『三匹荒野を行く』(原題:The Incredible Journey)は、カナダの作家シーラ・バーンフォードが1961年にイギリスで出版した児童書、およびそれを原作としたウォルト・ディズニー製作の実写によるアメリカ映画である。固い絆で結ばれた犬2匹と猫1匹を主人公として、彼らが協力して飼主であるハンター教授、子供のピーターとエリザベスの元に戻るまでの冒険物語である。
書籍は各種の文学賞を受賞して、また、アメリカ、イギリス、カナダでベストセラーとなった[1]。また、ドイツ、フランス、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェーなどで翻訳刊行された[1]。
舞台はカナダのオンタリオ州の大自然である。若くて勇敢なラブラドールのルーア、勇敢で忍耐強いが、年老いて左目が見えなくなった11歳のブルテリア犬のボジャー、そしてサファイア色の目とチョコレート色の前足を持つシャム猫のテーオの3匹の冒険談である。飼い主のジム・ハンター教授は大学の講義のために一家4人でイングランドに出かけたため、3匹を自宅から300キロメートルも離れたジョン・ロングリッジの家に預けていた。
しかしジョンが、3週間の鴨狩りの旅行に出かけることになり、留守にしてしまった。その間に残された3匹は寂しさに耐え切れず、本当の主人であるハンター家に戻る旅に出てしまう。固い絆で結ばれた3匹が、大自然の中を長くて厳しい冒険を続けることになる。時には熊と戦ったり、時には猟銃に追われたりするなどの困難に遭遇した。途中で激流にのまれテーオと離れ離れになったが、やがて合流し、最終的にはハンター家の息子ピーターの誕生日に3匹は一家のもとに戻ることで物語が完結した。
三匹荒野を行く | |
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The Incredible Journey | |
監督 | フレッチャー・マークル |
脚本 | ジェームズ・アルガー |
原作 | シーラ・バーンフォード |
製作 |
ジェームズ・アルガー ウォルト・ディズニー |
音楽 | オリヴァー・ウォーレス |
撮影 | ケネス・ピーチ |
編集 | ノーマン・R・パルマー |
製作会社 | ウォルト・ディズニー・プロダクション |
配給 | ブエナ・ビスタ・ディストリビューション |
公開 |
1963年11月20日 1965年1月15日 |
上映時間 | 80分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 | 420万ドル[2] |
1963年に公開。映画内の3匹は台詞を一切しゃべらず、ナレーターが状況を説明するスタイルである。1993年には『奇跡の旅』のタイトルでリメイクされた。
公開の2か月前に死去したオリバー・ウォレスが、最後に映画音楽を担当した作品となった。
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
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ソフト版 | TBS版 | ||
ボジャー (ブル・テリア) |
マフィー | 台詞無し | |
ルーア (ラブラドール・レトリバー) |
ルアス | ||
テーオ (シャム猫) |
タオ | ||
ナレーター | レックス・アレン | 久米明 | 江守徹 |
ジョン・ロングリッジ | エミール・ジェネス | 北村総一朗 | |
ハンター教授 | ジョン・ドレイニー | 西本裕行 | |
ナンシー | サンドラ・スコット | 小沢寿美恵 | |
エリザベス | マリオン・フィンレイソン | 土井美加 | |
ピーター | ロナルド・コーフーン | 下川久美子 |
※ 日本語吹替は上記の他、劇場公開版も存在する。