三菱・2G10は三菱自動車工業(当初は三菱重工業)によって製造されていた同社の軽自動車用の水冷2ストローク直列2気筒のガソリンエンジン。
三菱・2G10 | |
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2G10-2 38 PSを発揮するゴールドエンジン | |
生産拠点 |
三菱重工業 (1968年 - 1970年) ↓ 三菱自動車工業 (1970年 - 1976年) |
製造期間 | 1968年 – 1976年 |
タイプ |
2ストローク・直2 ピストンリードバルブ |
排気量 | 0.36 L (359 cc) |
内径x行程 | 59.6 mm×62.0 mm |
鋳鉄製のシリンダーブロックとクランクケースを持つ水冷エンジンで、空冷のME24型エンジンを更新(または補完)すべく開発された[1]。1968年(昭和43年)に同社の初代ミニカ(後期型・LA23)に搭載されたのが最初[2]で、のちに同社のミニカスキッパーや2代目ミニキャブトラック(後期型)などにも搭載され、さらに黄色ナンバーへの変わり目を経て長期にわたって生産され続けた。
ME24型から名前が大きく変わったのは、1967年(昭和42年)に三菱車内のエンジン命名規則が変更された為である。2G1は2気筒のガソリンエンジンの1系列目を示し、2G10の0は系列の一番はじめに開発されたエンジンである事を示している。なお、2G10型はハイフンと数字を形式名の後に付ける(一例として2G10-5など)事で、様々なバリエーションが存在した事を示していた。
2G10型は公式にはペットネームは存在しなかったが、搭載車種毎にエアクリーナーボックスに異なる色が塗られており、これによりレッドエンジンやゴールドエンジンという渾名で呼ばれていた[注釈 1]。
後継は1972年(昭和47年)9月登場の2G10型の4ストローク版、2G2系シリーズ。4ストロークへの移行は自動車排出ガス規制の強化を見据えたもので、軽自動車におけるミツビシクリーンエアシステム(MCA)の決定打と位置付けられていた。しかし、1976年(昭和51年)1月に軽自動車の規格が550 ccに拡大されるまで、廉価グレード向けのエンジンとして2G10型は製造され続けた。
エンジン形式 | 2ストローク 直列2気筒[1] | |
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排気量 | 359 cc | |
ボア x ストローク | 62.0 x 59.6 mm | |
燃料 | オートミックス分離給油式・ガソリン | |
最大出力 | 2G10 ミニカ LA23 スーパーデラックス | 23 PS (17 kW) / 5500 rpm |
2G10-1 初代"レッドエンジン" | 28 PS (21 kW) / 6000 rpm[1] | |
2G10-2 "ゴールドエンジン" | 38 PS (28 kW) / 7000 rpm | |
2G10-4 二代目 "レッドエンジン" | 34 PS (25 kW) / 6500 rpm | |
2G10-5 三代目 "レッドエンジン" | 31 PS (23 kW) / ? rpm | |
最大トルク | 2G10 ミニカ LA23 スーパーデラックス | 33 N⋅m (24 lb⋅ft) / 5000 rpm |
2G10-1 初代"レッドエンジン" | 35 N⋅m (26 lb⋅ft) / 5000 rpm | |
2G10-2 "ゴールドエンジン" | 38.3 N⋅m (28 lb⋅ft) / 6500 rpm | |
2G10-5 三代目 "レッドエンジン" | 37 N⋅m (27 lb⋅ft) / ? rpm |