三菱・エクリプスクロス GK1W/GK9W/GL3W型 | |
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2017年販売型欧州仕様 (フロントビュー) | |
2017年販売型欧州仕様 リヤビュー | |
インテリア:大阪モーターショー2017展示車両 | |
概要 | |
製造国 |
日本(愛知県岡崎市) 中国(湖南省長沙市) |
販売期間 |
海外:2017年10月 - 日本:2018年3月1日 - |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 5ドアクロスオーバーSUV |
駆動方式 |
前輪駆動 四輪駆動 |
プラットフォーム | 三菱・GSプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
4B40型: 1,498cc 直列4気筒 DOHC 直噴ターボ 4N14型: 2,267cc 直列4気筒 DOHC インタークーラー付ディーゼルターボ 4B12型: 2,359cc 直列4気筒 DOHC(PHEV) |
モーター |
S61型(フロント) Y61型(リア) (PHEVのみ) |
最高出力 |
エンジン 4B40型: 110kW (150PS)/5,500rpm 4N14型: 107kW(145PS)/3,500rpm 4B12型: 94kW(128PS)/4,500rpm モーター S61型: 60kW(82PS) Y61型: 70kW(95PS) |
最大トルク |
エンジン 4B40型: 240N・m (24.5kgf・m)/ 2,000-3,500rpm 4N14型: 380N・m (38.7kgf・m)/2,000rpm 4B12型: 199N・m (20.3kgf・m)/4,500rpm モーター S61型: 137N・m (14.0kgf・m) Y61型: 195N・m (19.9kgf・m) |
変速機 |
ガソリン車:INVECS-III 8速スポーツモードCVT クリーンディーゼル車:8速スポーツモードA/T PHEV:非搭載(モーター直結) |
前 |
前:マクファーソンストラット式 後:マルチリンク式 |
後 |
前:マクファーソンストラット式 後:マルチリンク式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,670mm |
全長 |
4,405mm(2017年10月発売型) 4,545mm(2020年12月改良型) |
全幅 | 1,805mm |
全高 | 1,685mm |
車両重量 | 1,460-1,680kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク |
エクリプス クロス(ECLIPSE CROSS)は、三菱自動車工業が製造・販売するクロスオーバーSUVである。
コンパクトSUV「RVR」とミッドサイズSUV「アウトランダー」および「アウトランダーPHEV」という、三菱自動車のクロスオーバーSUVラインアップに新たに加わる新型コンパクトSUVである[1]。
三菱自動車のグローバル戦略車として、2017年10月の欧州への出荷を皮切りに、11月に豪州・ニュージーランド・ASEAN地域、2018年1月に北米に向けて出荷しており、最終的に約80ヶ国へ展開する計画であるとしている[2]。
デザインテーマは「VIBRANT & DEFIANT(躍動、そして挑戦)」で、アスリートがクラウチングスタートから走り出す瞬間を表現している[3]。フロントデザインには、三菱自動車の最新デザイン言語である「ダイナミックシールド」をさらに進化させて採用。薄くシャープなLEDヘッドライト(G、G Plus Packageに標準装備)とLEDデイライトをフロントフェイス上部に配置し、ターンランプとフォグランプを下部に配置することで、より精悍なイメージを表現するとともに、ターンランプの視認性の向上を図っている。また、ベルトラインや彫刻的なキャラクターラインによるウェッジシェイプ(前傾姿勢)、前傾したリヤウインドウ、テールゲートを直線的に落とし込みオーバーハングを切り詰めたリヤエンド、大きく張り出した筋肉質な前後のフェンダーにより、三菱自動車はこの車を「クーペSUV」と表現している[2]。 なお、流麗なフォルムはストレートに「クーペスタイルのSUV」を表現する理由から、三菱クーペの象徴でもあるエクリプスになぞらえ、その名が採用された[4]。
インテリアは、ブラックとシルバーのモノトーンとし、水平基調のインストルメントパネルと立体的なシルバー加飾を採用。また、薄型のスマートフォン連携ディスプレイオーディオ[SDA]+タッチパッドコントローラー(前期モデル/G Plus Packageに標準装備)、ヘッドアップディスプレイ(G、G Plus Packageに標準装備)を搭載することで、運転席の先進感を高めている[2]。
2020年12月のマイナーチェンジモデルでは、「Daring Grace(大胆にして、優雅)」の新たなデザインコンセプトを掲げ、 全長を140mm延長するとともに前後のデザインが一新された。フロントは「ダイナミックシールド」の進化により各種ランプのレイアウトが変更され(例・ヘッドランプのマウント位置がフロントグリル上部直線上から既存のeKクロス、および後期型デリカD:5などと同様、フロントバンパーの両脇に移動)、SUVとしての力強さを表現するため、バンパー下部にスキッドプレートを追加。リアはダブルガラスからシングルガラスに変えたほか、立体形状のリアランプを高い位置に配置した。インテリアはブラック基調に変え、「G」以上のグレードにはエンボス加工のスエード調素材と合成皮革のコンビネーションシートを採用。メーカーオプションの本革シートではブラックに加えてライトグレーの選択が可能となり、ドアトリムもシートカラー同色でコーディネートされた[5]が、リヤシートのスライド機構は省略された。なお、リアデザインの大幅な変更により、車名エンブレムの位置がテールゲート左側からリアのスリーダイヤの真下に移動した。
エンジンは2種類が設定されており、当初は新開発のダウンサイジング直列4気筒1.5L・DOHC16バルブ直噴ターボ「4B40」型[注 1]が搭載された。運転状態により筒内噴射と吸気ポート噴射をきめ細かく制御することで、優れた燃費性能とクリーンな排出ガス特性を両立させている。また、排気量は1.5Lでありながら従来型の2.4L・SOHC16バルブMIVEC自然吸気ガソリンエンジン「4J12型」を凌ぐ中低速トルクを発揮する。[2]。
2019年6月に追加されたクリーンディーゼル車には、ミニバンのデリカD:5にも採用されている直列4気筒2.2Lコモンレール式DI-D(ダイレクト・インジェクション・ディーゼル)クリーンディーゼルターボエンジン「4N14」型が搭載されており、最大トルクは2000rpmの低回転域から380N・mの大きなトルクを発生させるほか、尿素水溶液「AdBlue」により窒素酸化物(NOx)を安定して浄化させる尿素SCRシステムも搭載される[6]。
2020年12月のマイナーチェンジにより追加されたPHEVモデルには、アウトランダーPHEVにも採用されている直列4気筒2.4LMIVECエンジンの「4B12」型に、前後1基ずつの高出力モーター、13.8kWhの大容量駆動用バッテリーを組み合わせたPHEVシステムを本車種向けに制御を最適化して搭載。走行モードは駆動用バッテリーの電力でモーター駆動する「EV走行モード」、エンジンで発電した電力でモーター駆動する「シリーズ走行モード」、エンジンで発生した動力で走行し、モーターアシストを行う「パラレル走行モード」の3種類があり、走行状況に応じて自動切り替えする。
トランスミッションは搭載エンジンによって異なり、ガソリン車にはINVECS-III 8速スポーツモードCVTが、クリーンディーゼル車には8速スポーツモードA/Tがそれぞれ搭載される。PHEVはモーター直結のため非搭載としている。
プラットフォームは、RVR、アウトランダーと基本部分を共用。ボディのフロント部を3点式のストラットタワーバーで補強(前期モデル)し、リヤ周りを中心に「構造用接着剤」の塗布によって高剛性化したボディや、RVRおよびアウトランダー用をベースに専用開発されたサスペンションにより、操縦安定性の向上を図っている[7][8]。マイナーチェンジモデルでは、ショックアブソーバーの最適化(大経化され容量アップ)により、高い走行性能と優れた乗り心地を両立した。
4WD車は、ガソリン車やクリーンディーゼル車はアクセル開度や車速、車両の走行条件などから、後輪へ伝達するトルクを常に適切に配分する「電子制御4WDシステム」、PHEVモデルは前後に搭載したモーターで駆動する「ツインモーター4WD」がそれぞれ搭載されており、いずれのシステムにもAYCブレーキ制御を追加した車両運動統合制御システム「S-AWC」が採用されている。ドライブモードセレクターも装備されており、ドライバーは状況に応じて「NOAMAL」「SNOW」「GRAVEL(グラベル)」の中から最適な制御を選択することが可能となっている[2]。PHEVには乾燥舗装路での旋回性や安定性を重視した「TARMAC(ターマック)」を追加した4モードとなる。
また、PHEVモデルでは車内に最大1500Wまで対応する100V AC電源が装備されており、電化製品への電力供給が可能なほか、急速充電口を用いてV2H機器と接続することで家庭用蓄電池となり、家庭への電力供給が可能となる。
安全装備では、予防安全技術「e-Assist」に含まれる衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]、誤発進抑制機能(前進&後退時)[UMS]、車線逸脱警報システム[LDW]、オートマチックハイビーム[AHB]を全車に標準装備。また、レーダークルーズコントロールシステム[ACC](G、G Plus Packageに標準装備)、後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)[BSW/LCA]と後退時車両検知警報システム[RCTA](ともにG Plus Packageに標準装備、Gにメーカーオプション)も用意されている[9]。2021年11月の改良時にはアウトランダーに続き、PHEVに「MI-PILOT(マイ・パイロット)」が設定されている。
※ 伸縮型のメニューとして掲載する。[表示]をクリックすると一覧表示される。
グレード別ボディカラー一覧 | |||||||||||
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ボディカラー | カラー コード |
色見本 | 設定グレードまたは特別仕様車 | 設定期間 | 備考 | ||||||
M (ガソリン/PHEV) |
G (ガソリン/PHEV) |
G・Plus Package (ガソリン) |
P (PHEV) |
特別仕様車 「BLACK Edition」 | |||||||
販売期間 | |||||||||||
2018年3月- (PHEV:2020年12月 -) |
2018年3月- | 2020年12月- | 2018年12月-2020年12月 | ||||||||
現行型(2020年12月改良型)に設定中のボディカラー | |||||||||||
ホワイトダイヤモンド | ▲ | ▲ | ▲ | ▲ | - | 2020年12月- | 有料色 | ||||
レッドダイヤモンド | PS | ▲ | ▲ | ▲ | ▲ | ▲ | 2018年3月[2] - | 新規開発色[2]・有料色 | |||
ライトニングブルーマイカ | SB | ● | ● | ● | ● | ● | 2018年3月[2] - | ||||
ブロンズメタリック | NB | ● | ● | ● | ● | - | 2018年3月[2] - | 新規開発色[2] | |||
スターリングシルバーメタリック | HM | ● | ● | ● | ● | - | 2018年3月[2] - | ||||
チタニウムグレーメタリック | TR | ● | ● | ● | ● | ● | 2018年3月[2] - | ||||
ブラックマイカ | CI | ● | ● | ● | ● | ● | 2018年3月[2] - | ||||
過去に設定されていたボディカラー | |||||||||||
レッドメタリック | RR | ● | ● | ● | - | - | 2018年3月[2]-2018年12月 | ||||
ホワイトパール | SL | ▲ | ▲ | ▲ | - | ▲ | 2018年3月[2]-2020年12月 | 有料色 | |||
※色見本は近似色にて表記。●は標準設定、▲は有料色を表す。 |
クーペSUVということで、過去に三菱が販売していたクーペ/コンバーチブル型乗用車の「エクリプス」と「クロスオーバー」を名称の由来としており[27]、「ドライバーに鮮明な印象を与え、心を刺激し、高揚させる存在に慣れるように。そんな思いを込めて」名付けられたとする[28]。
しかし「Eclipse」という単語自体の意味は、クーペ時代は18世紀の競走馬「エクリプス」[注 3]にも因んでいた[29]一方、本車ではあくまでもスペシャリティクーペのエクリプスと、三菱らしい趣味性の高いSUVクロスオーバーとの融合、という観点から「日食」の意味と掛け合わされて「エクリプス・クロス」と名付けられたものである為、敢えて競走馬の件には触れられていない。
2019〜2020年のダカール・ラリーに、三菱自動車のスペイン法人とフランスのソディカーズ・レーシングがグループT1.2規定(プロトタイプ又は改造無制限の四輪駆動のディーゼル車)の下に開発したエクリプスクロスをエントリーさせた。ドライバーは女性歯科医のクリスティーナ・グティエレス・エレーロ、コドライバーはパブロ・モレノ・ウェッテ[30]。
その正体はソディカーズ・レーシングが2013年から投入していたプロトタイプバギーの『BV6』で、鋼鉄製パイプフレームにエクリプスクロスのデザインのカーボンファイバー製ボディを被せたものである(同チームは他にBMW・X6のデザインのBV6も運用した)。車重は1,820kg、トランスミッションを含む駆動系はサデフ製を採用。エンジンはBMW製で最大340馬力/686Nmを発生する、3.0リッター直列6気筒ディーゼルツインターボを搭載した[31][32][33]。
2019年は総合26位、2020年は総合38位でそれぞれ完走した。