乾燥中国ソーセージ | |
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乾燥させた中国ソーセージ | |
別名 | 臘腸(ラプチョン) |
種類 | ソーセージ |
発祥地 | 中国 |
主な材料 | 新鮮な豚肉、あるいはレバー |
中国ソーセージ(ちゅうごくそーせーじ、別称として中華ソーセージとも)とは、中国発祥の様々な種類のソーセージの総称。華南地方のものは、一般に広東語由来のラプチョン(簡体字: 腊肠; 繁体字: 臘腸; 拼音: làcháng; 粤拼: laap6 coeng2; イェ―ル式: laahp chéung)の呼称で知られている。
中国ソーセージには、脂身から作られるものと、赤身から作られるものがある。新鮮な豚肉を使ったものから、豚のレバーや鴨のレバー、さらには七面鳥のレバーを使ったものまで、さまざまな種類のものがある。普通、レバーから作られるソーセージは、他の部位から作られるソーセージよりも色が濃い。近年は、鶏肉の中国ソーセージを製造する国もある。
中国ソーセージは、華南に位置する広東省、福建省、江西省、四川省、湖南省のほか、香港や台湾において、数多くの料理の材料として用いられている。このうち四川省の中国ソーセージは、赤唐辛子粉やカホクザンショウ粉、郫県豆板醤が入っており、独特な風味が特徴である。伝統的な無包装の中国ソーセージは、大抵の場合は屋台や水上マーケットで見られる。
中国東北部、特に黒竜江省最大の都市であるハルビンの名物料理である紅腸は、ポーランドのキールバサやリトアニアのスキランディに似た燻製風味の赤いソーセージで、粗挽きの食感かつ他の中国ソーセージよりもヨーロッパのソーセージに近い風味である。
1909年3月、ハルビン・道里区にあったロシア資本の「秋林ソーセージ工場」で、リトアニア人スタッフによってはじめて製造された。
中国語での別名として「里道斯」があるが[2]、これはロシア語の"колбаса литовская"(原義は「リトアニアソーセージ」)に由来するものである[3]。
紅腸はその後、特に華北地方で普及した[4]。華南のソーセージに似た、甘口の乾燥ソーセージも製造されている。
中国語においては、「紅腸」は中国における他の赤いソーセージを指すこともある。これにはファールコルブソーセージをアレンジした上海の大紅腸も含まれる。前述の「里道斯」という用語は、ハルビンのものを明確に区分して呼称するために用いられる。
ベトナム語では、中国ソーセージはlạp xưởngあるいはlạp xườngと呼称される。中国ソーセージはシンプルなオムレツから複雑なメインコースまで、料理に用いられている。中国ソーセージは塩辛いため、味のバランスを取るために他の食材と一緒に適量用いられる。ベトナムの中国ソーセージは豚肉(lạp xưởng heo)、あるいは鶏肉(lạp xưởng gà)から作られるが、後者の方がさっぱりした味わいになる。トゥン・ロ・モー(チャム語:ꨓ ꨭꩂ ꨤ ꨯ ꨱ ꨥ tung lò mò)は、ベトナム南部のイスラム教徒であるチャム族が作る類似のソーセージで、牛肉を材料とする。
ビルマ語では、キェット・ウ・ギャウン(原義は鶏肉ソーセージ:ကြက်အ)またはウェット・ウ・ギャウン(原義は豚肉ソーセージ:ဝက်အ)と呼ばれる。ミャンマーで作られる中国ソーセージは、中国やシンガポールのものに比べて肉厚かつ小ぶりである。炒飯に入れたり、キャベツなどの野菜と炒めたりして食べる。
フィリピンでは、中国ソーセージはシオパオ・ボラボラなど、いくつかのフィリピン風中華料理で材料として用いられる。フィリピン在来のソーセージである「チョリソー・デ・マカオ」と混同・代用されることもある。(チョリソー・デ・マカオは「中国チョリソー」としても知られている)チョリソー・デ・マカオは中国ソーセージに起源があるわけではないが、その名称はフィリピンにおいて中華料理を連想させるスターアニスを用いることにちなんでいる。
台湾でも中国ソーセージは製造されているが、広東風のように乾燥させることは稀である。脂肪と肉が乳化され、砂糖が大量に用いられることで、より甘みのある味に仕上がっている。これらのソーセージは通常、地元の肉屋によって製造され市場で売られるか、家庭で作られる。この種のソーセージは中国語で「香腸」と呼ばれ、字義通り「香りのよいソーセージ(腸詰め)」を意味する。
シンガポールでは、伝統的なソーセージよりも健康的な創作中国ソーセージが製造されている。低脂肪・塩分控えめ・高食物繊維な中国ソーセージは、その例である。
タイ語では、中国ソーセージはタイの華人社会で支配的な潮州語にちなみ、クンチャンと呼ばれる。多くの在タイ華人社会において様々な中華料理に使われるほか、ヤムクンチャンなどのタイ料理にも使われる。ライギョから作られる中国ソーセージもある。
スリナムでは、中国ソーセージは客家語にちなんでファットジョンと呼ばれる。モクシ・メティ・タウミンに用いられる。
アジア以外の地域においては、中国ソーセージは一般的にアジアンスーパーで入手可能である。ほとんどが真空パックされているものの、一部の中国食料品店はパックされていないものも販売している。国外からの食肉製品の輸入は禁止されているため、中国ソーセージは販売国内で製造されることが多い[6][7][8]。例えば、カナダの場合、同国で販売されている中国ソーセージの多くは、バンクーバーやトロントに拠点を置く業者によって製造されている。ハワイにおいては、多くのハワイ在住中国人が現地の料理に取り入れたことから、ラプチョンが広く普及したソーセージとなっている。