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中枢神経限局性血管炎(ちゅうすうしんけいげんきょくせいけっかんえん、英語: primary angiitis of the central nervous system、PACNS)は、脳の血管のみに限局して炎症が起こる原因不明の疾患で、血管炎のひとつ。自己免疫疾患、膠原病類縁疾患に分類される。中-小動脈を傷害する血管炎である。診断は容易ではなく、その実態はいまだ謎の部分が多い。
CalabreseとMalekによる1988年の定義は以下のようである。
正確な統計情報はないが、これまで考えられていたよりは頻度は高いと考えられている。
診断を確定する検査はないので厳重な除外診断が必要である。除外すべき疾患は以下である。
中枢神経系の肉芽腫性血管炎 (Granulomatous angiitis of the central nervous system: GACNS) は、PACNSの20%を占めると考えられている。軟膜と大脳皮質に壊死性肉芽腫性血管炎を見る。
中枢神経系の良性血管障害 (Benign angiopathy of the central nervous system: BACNS) は、治療反応性が良好で、GACNSとくらべ比較的良性である。
50%以上のPACNSは、GACNSでもBACNSでもない。
確定診断は大脳皮質の生検であるが、患者が生きている間は困難である。腰椎穿刺、MRI、MRA、脳血管造影と、除外診断の結果から、どうしても必要である際に脳生検を検討することになる。
ステロイドとシクロフォスファミドを併用する。