アメリカの音楽家ボブ・ウィルズはニューメキシコ州のロイにある理髪店にいる時にフィドルで「乙女の祈り」を演奏しているのを聴き、その曲をウェスタンスウィング風に編曲した[8]。ウィルズはまず、1935年に器楽曲としてそれを公表し(ヴォーカリオンレコーズ03924、1938年に発表)、すぐにウィルズの定番曲になった[9][10]。後に、バック・オーウェンスの1965年のナンバーワンアルバムI've Got a Tiger By the Tailをはじめとして、多くのカントリーアーティストが演奏するスタンダードな楽曲になった[11]。今でもウェスタンスウィングのバンドのレパートリーの定番である。
ウィルズは「乙女の祈り」の歌詞を書き、1941年にトミー・ダンカンのボーカルで再録音された(オーケー・レコーズ06205)[12]。歌詞はタイトルを反映している。ボーカルのある「乙女の祈り」をカバーしたカントリーシンガーは比較的少ないが、レイ・プライスのトリビュート・アルバム SanAntonio Rose (1962)[13]やウィリー・ネルソンのアルバムRed Headed Stranger(2000年のCD再発行版収録、1975年のLPには未収録)」に収録されている[14]。どちらの歌手もウィルズが書いた歌詞を若干変更して使用した。エヴァリー・ブラザースも1973年に録音している[15]。
ウィルズは1963年のアルバムBob Wills Sings and Playsで3回めの録音を行っている[16]。彼が1970年にナッシュヴィルの作曲者の殿堂入りした時、「乙女の祈り」が作品のひとつとして言及された。
「乙女の祈り」はメアリー・ウィルキンズ・フリーマンの怪談The Wind in the Rose-Bush (1903年出版)において、気味の悪い場面で使われている。主人公が空き家のように見える家からピアノを弾く音で目が覚め、階段を下りて急いでピアノを弾いているのは誰か見ようとするが、そこには誰もいないということが分かる。
McWhorter, Frankie. Cowboy Fiddler in Bob Wills' Band. University of North Texas Press, 1997. ISBN1-57441-025-3
Mishler, Craig. The Crooked Stovepipe: Athapaskan Fiddle Music and Square Dancing in Northeast Alaska and Northwest Canada. University of Illinois Press, 1993. ISBN0-252-01996-2