井上 寛(いのうえ ひろし、1917年 - 2008年6月2日[1])は日本の昆虫学者。
東京農業大学を卒業し、1967年から大妻女子大学で教授を務めた[1]。日本の蛾類研究の第一人者であり[1]、世界的にも著名な蛾類学者である[2]。生涯で記載した新種や新亜種などの分類群は1042にのぼり[1]、また、イノウエマダラ Inouela exiguitata[3] やイノウエトガリメイガ Endotricha inouei[4] など、多くの新種の献名の対象となった。中心となって編纂に関わり1982年に出版された『日本産蛾類大図鑑』は、現在でも日本産の蛾類に関する権威ある図鑑のひとつである[1]。標本のコレクションの多くは1992年にロンドン自然史博物館に寄贈されたが、一部は農業環境技術研究所に収蔵されている[2]。