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伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜
「伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜 」(でんせつのヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜)は、アメリカ合衆国のポップ・ロック・バンドであるFUN. の楽曲。ゲスト・ボーカルに女性歌手であるジャネール・モネイ が参加した。楽曲は2011年9月20日に2作目のスタジオ・アルバム『サム・ナイツ 〜蒼い夜〜 』からの第1弾シングルとして発売され、翌年のBillboard Hot 100 で第1位を獲得した[ 5] [ 6] 。2023年9月時点でSpotify での再生回数は10億回を超えている[ 5] [ 6] 。
第55回グラミー賞 では最優秀楽曲賞 を受賞し、最優秀レコード賞 や最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞 にもノミネートした[ 7] 。Billboard Hot 100の創立60周年を記念したオールタイム・チャートでは第99位を記録[ 8] 。
ゲスト・ボーカルとして参加したジャネール・モネイ
2008年8月25日、Nettwerk からデビュー・アルバム『エイム・アンド・イグナイト 』が発売されるも[ 9] [ 10] 、商業的な成功を収めることはなかった。その後、2作目のスタジオ・アルバム『サム・ナイツ 〜蒼い夜〜 』の制作に入るにあたりメンバーはプロデューサーにジェフ・バスカー を迎えることに決めた[ 11] 。FUN.のフロントマンであるネイト・ルイス は2011年2月にニューヨークにあるホテルでバスカーと会談した[ 11] [ 12] 。ルイスはバスカーとの会談に不安を感じ、ロウアー・イースト・サイド にあるザ・バウリー・ホテルのバーに早めに着いて、気持ちを落ち着かせるために軽く飲んだ[ 12] 。当時についてバスカーは「彼らと会う気は本当になかった。ビヨンセ やアリシア 、カニエ(・ウエスト) 、ジェイ・Z と仕事をしていて、それが自分の人生の大きな目標だった。気を散らす気はなかった」と回想している[ 11] 。バスカーは本作の伴奏がウエストとジェイ・Zのコラボレーション・アルバム『ウォッチ・ザ・スローン 』(2011年)に収録されるまで「あと1インチ」というところだと述べた[ 13] 。
ビヨンセとスタジオでの長時間に及ぶ作業を終えた段階で、バスカーはルイスとの会談を2度断っていたが10分だけ会うことを決めた[ 12] 。2人は音楽について語り始め、「演劇的なポップ・ロック のヒップホップ のビートや電子音楽 の趣との融合」というルイスの望みに興味をそそれらたバスカーは、自身が取り組んでいたビヨンセの楽曲をいくつかルイスに聴かせるためにホテルの部屋に招いた[ 12] 。「ほんの少し酔っていて、感動を覚えた」ルイスは、当時未完成だった本作のコーラス を大声で歌い、ルイスの歌に「ちょっと感動した」バスカーは、すぐにスタジオの予約を入れた[ 12] 。翌日には最終版にほど近い形で録音された[ 11] 。
ジャングル・シティでの録音作業の初日、バスカーはAKAI MPC3000 でドラムのパート、モーグ・シンセサイザー あるいはローランド Juno-106 でベースのパートを打ち込み、ボーカルとピアノを加えた[ 11] 。それから4人はさらに何日もかけて作業に取り組んだものの、本作の最終版の根幹となったのは初日に録音されたテイクだった[ 11] 。ジャングル・シティでのセッション後、エレクトリック・レディランド・スタジオで追加のボーカル、ギター、ピアノが録音された[ 11] 。それからロサンゼルスのイノーマス・スタジオでセッションが続けられ、児童合唱団による合唱の録音をザ・ヴィレッジ・レコーダー 、オーケストラの録音をロンドンのアビー・ロード・スタジオ で行なった[ 11] 。後にバスカーと友好関係を持つモネイをゲスト・ボーカルとして招いた[ 2] 。モネイは間奏の「Carry me home tonight / Just carry me home tonight 」(今夜、僕を家まで送ってくれよ / 送ってくれればそれでいいから)という一節を歌唱した[ 13] 。バスカーは約2週間で44.1kHz/24ビットのPro Tools を使用してミキシング を行ない、Waves のL2とAPI 550を使用してステレオ・ミックスを作成した[ 11] 。
バスカーは本作のコーラスにおけるルイスのボーカルの多重録音時に、「クイーン /フレディ・マーキュリー の雰囲気を持っている」ことに気がついた[ 14] 。ギタリストのジャック・アントノフ は本作について、「アルバムでやりたがっていたことの核みたいなもの」と称した[ 15] 。また、「かなり珍しい曲だ。だって、『これが僕らのバンドだ』なんて言っている曲は僕らが参加した他のどんなプロジェクトでもやらなかったからね」「『この曲聴いて、それから他の曲も聴いてごらん。ほら、どうぞ』って言えることを誇りに思うよ」と語っている[ 15] 。
本作のサウンドはスタジアム・ロック [ 1] [ 2] 、インディー・ロック [ 3] 、インディー・ポップ [ 4] と定義されている。本作はFメジャー で書かれ、最初のセクションのテンポは116 BPMで、その後プリコーラス以降は92 BPMで演奏される[ 16] 。楽曲にはヒップホップ のリズムやグルーヴ が取り入れられている[ 17] 。大元のミックスにおける楽器編成はドラム 、ベース 、シンセベース 、エレクトリック・ギター 、シンセサイザー 、ピアノ 、ホーン 、ブラス 、膨大な数のボーカルトラックとなっていて、ラフ・ミックスではクイーンやカニエ・ウエストのリファレンストラックが2曲が含まれていた[ 11] 。
『スピン 』誌のマウラ・ジョンストン は、本作について「拳を突き上げるスタジアム・ロック とグリズリー・ベア の『Two Weeks 』のようなこぎれいなインディー・ポップ が融合され、意図的なビートや上昇するメロディーはそのままに、聖歌隊の少年の堅苦しさが強い打楽器の音に置き換えられた」楽曲と説明している[ 18] 。Popdustのアンドリュー・アンターバーガーは、パット・ベネター の「愛の嵐 」やスーパーグラス の「オールライト 」を本作のコーラスと比較した[ 19] 。『ガーディアン 』誌のティム・ジョーンズ はアーケイド・ファイア の作品と比較し、本作のコーラスを「聖歌のよう」と表現し、歌詞について「人生を肯定していて、ティーン向けの映画のサウンドトラックにふさわしい」と述べた[ 20] 。
ルイスによれば本作の歌詞は「今までで最悪な酔い方をした夜」に由来している。ルイスは『ローリング・ストーン 』誌の取材でタクシーのあちこちに嘔吐して追い出された話をし、「タクシーの運転手は所持金全てを要求してきて、僕はただただ壁に頭をもたせかけて角に立つしかなかった。まともな大人になって実際にヴァースを書き留めるまでもう1日かかった」と語っている[ 21] 。
『ローリング・ストーン 』誌のジョディ・ローゼンは、本作を「活気に満ちていてキャッチーな」楽曲と称し、「ルイスが持つ聖歌のような音楽の才能は、Y世代のユーモア(大げさな言葉を和らげる情緒不安定な自己非難)に匹敵する」と評した[ 22] 。同誌のコラムニストであるスティーヴ・クノッパーは、フォスター・ザ・ピープル の「Pumped Up Kicks 」を引き合いに本作の商業的な成功について言及し、「軽快なポップ・ノヴェルティ感」を示す楽曲と述べている[ 23] 。WXPN のブルース・ウォーレンは「言うまでもなくハーモニーはクイーン のようなバンドを思い起こさせるから、この曲には年配のリスナーにとってのタッチポイントがある」と述べた[ 24] 。『MTVニュース』のジェームズ・モントゴメリーは、本作をバンドの「大ブレークとなったアンセム」と称し、「今年の最も意外な大騒ぎの1つとなった」と述べた[ 25] 。
『ビルボード 』誌は、FUN.のことを「急上昇するバラードの領域に暖かなレトロなサウンドを取り入れた」バンド、本作を「強力な声明」と称し、曲のアレンジやルイスのボーカルについて肯定的な評価をする一方で、ゲスト・ボーカルとして参加したモネイの扱いの小ささを批判した[ 26] 。『NME 』誌のルーク・ルイスは本作について否定的な評価を下し、10点満点の5点を付けた[ 27] 。
「伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜」は、2011年12月6日にアメリカのラジオ局でヒットを記録し[ 28] 、2011年12月24日の週のBillboard Hot 100 で初登場53位を記録した[ 29] [ 30] 。その後『glee/グリー 』によるカバー版の発売により本作の売上が1,650%上昇し、加えて『スーパーボウル 』での演奏披露により本作は人気を博した[ 31] 。『スーパーボウル』での演奏披露されて以降チャート最高位を更新し続け[ 30] 、2012年3月7日の週のBillboard Hot 100で第1位を獲得した[ 32] 。以来6週連続で第1位を獲得し[ 33] 、2012年11月8日時点でアメリカ国内のダウンロード数は600万ダウンロードを記録した[ 34] 。ロックバンドによるBillboard Hot 100の首位獲得はコールドプレイ 以来3年半ぶりで、初エントリー曲による首位獲得はロックバンド以外でもアウル・シティー 以来2年ぶりとなった[ 35] 。アメリカ国内では、2014年1月時点での売上枚数は683万枚を記録[ 36] 。
イギリスでは、2012年4月15日付の全英シングルチャート で初登場7位を記録し、6週後の同チャートで第1位を獲得した[ 37] 。2012年12月時点で98万6000枚を売り上げ、2012年度年間チャートではゴティエ の「サムバディ・ザット・アイ・ユースト・トゥ・ノウ〜失恋サムバディ (feat. キンブラ )」、カーリー・レイ・ジェプセン の「コール・ミー・メイビー 」に次ぐ第3位を記録した[ 38] 。また、イギリスでは2013年1月時点でミリオンセラーを記録しており、本作は全英シングルチャートの歴史上で128番目に売れたシングルとなった[ 37] 。
「伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜」のミュージック・ビデオ は、2011年12月にYouTube上で公開された。マーク・クラスフェルド が監督を務め、ロサンゼルスにあるデヴィッド・スコニック・コンサート・ホールで撮影された[ 39] 。ビデオはナイトクラブで演奏するFUN.の映像と、スローモーションで映し出されるバーでの暴動の映像で構成される[ 39] 。映像には間奏部分の歌詞を歌唱するモネイや[ 39] 、アントノフの姉であるレイチェル・アントノフ [ 40] も出演している。
2012年1月10日にフュエルド・バイ・ラーメンの公式YouTubeチャンネルで舞台裏映像が公開された[ 41] 。
ミュージック・ビデオは、2022年9月時点で再生回数は10億回を記録している[ 39] 。
2012年2月23日、FUN.はアメリカTBS のトーク番組『Conan 』に出演し、本作を披露した[ 52] 。4月23日にiHeartRadioシアターでの公演では、「サム・ナイツ 」をはじめとした5曲とともに演奏された。この時のパフォーマンスについてジョン・ボン・ジョヴィ から好意的な感想を得た[ 53] 。
2012年6月3日にギブソン・アンフィシアター で開催されたMTVムービー・アワード2012 の授賞式は、本作の生演奏で開始された[ 54] [ 55] [ 56] 。その後11月11日に開催された2012 MTV Europe Music Awards の授賞式[ 57] や12月5日に開催された『The Grammy Nominations Concert Live!- Countdown To Music's Biggest Night』[ 58] でも演奏された。
『ヴィレッジ・ヴォイス 』紙のアル・シプリーは、本作を「2012年のあいこちで聴くおなじみの楽曲の1つ」とし、「バイタミンC のぞっとするような『フレンズ・フォーエヴァー(グラデュエーション/卒業) 』以来の人気のある卒業式ソングに必然的になったとき、2012年5月にはポップ・カルチャーに完全に浸透することだろう」と予測した[ 59] 。
テレビドラマ
ドキュメンタリー
テレビCM
その他
2011年12月に放送されたテレビドラマ『glee/グリー 』のエピソード「全員集合! 」で本作がカバーされた[ 31] 。ドラマのミュージック・スーパーバイザーであるPJ・ブルームは「マスタリングを終えたばかりの『ウィー・アー・ヤング』を手にジョン[ 注 1] がうちのオフィスに来たことは鮮明に覚えている。その曲はまだ赤いシャーピーでタイトルが雑に手書きされたCD-Rに収録されていた」と回想している[ 31] 。ブルームはグリーではバンドをブレークさせるのではなく、すでに人気の曲を賛美するというのが基本スタイル [ 69] という理由から異議を唱えたが、その後1度曲を聴いて気持ちが変わり、共同プロデューサーのライアン・マーフィー に本作を聴かせた[ 31] 。ブルームは『Glee/グリー』のキャストによるカバー版について「シリーズ全体の最高峰の楽曲の1つ」と称した[ 31] 。コロムビア・レコード によれば、本作は『Glee/グリー』をきっかけに「真にブレイクした」最初の楽曲となっている[ 31] 。『Glee/グリー』のキャストによるカバー版は2011年12月6日に発売され[ 70] 、『ビルボード 』誌のHot 100 で最高位12位[ 71] 、Canadian Hot 100 で最高位11位[ 72] 、オーストラリアのARIAチャート で最高位49位[ 73] を記録した。このカバー版は2015年3月時点で45万5000ダウンロードを記録している[ 74] 。
2012年5月、ペンタトニックス がアカペラで本作をカバー[ 75] 。8月21日にはリトル・ミックス が結成1周年を記念して本作をアコースティック・バージョンでカバー[ 76] 。このカバー版は同年11月に発売されたアルバム『DNA 』のデラックス盤や日本盤にボーナス・トラックとして収録された[ 77] [ 78] 。
2013年2月6日、伊藤祥平 が3枚目のシングルとして本作を日本語詞でカバー。女性コーラスとして女優の川口春奈 が参加した[ 79] 。
プロモーション用CD-R (アメリカ盤) # タイトル 作詞 作曲・編曲 時間 1. 「伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜(ラジオ・エディット)」(We Are Young (Radio Edit)) 3:53 2. 「伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜(アルバム・ヴァージョン)」(We Are Young (Album Version)) 4:10 合計時間:
8:03
7インチシングル(アメリカ盤)[ 80] # タイトル 作詞 作曲・編曲 プロデューサー 時間 A. 「伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜(feat. ジャネール・モネイ)」(We Are Young (featuring Janelle Monáe)) ジェフ・バスカー 4:10 B. 「ワン・フット」(One Foot) エミール・ヘイニー 3:32 合計時間:
7:42
マキシシングル(ヨーロッパ盤・日本盤)[ 81] [ 82] # タイトル 作詞 作曲・編曲 時間 1. 「伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜(feat. ジャネール・モネイ)」(We Are Young (featuring Janelle Monáe)) 4:13 2. 「伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜(feat. ジャネール・モネイ) [アコースティック]」(We Are Young (featuring Janelle Monáe) [Acoustic]) 4:32 合計時間:
8:45
※出典[ 11]
FUN.
外部ミュージシャン
チャート (2012年)
順位
オーストラリア (ARIA)[ 124]
12
オーストリア (Ö3 Austria Top 40)[ 125]
8
ベルギー (Ultratop 50 Flanders)[ 126]
19
ベルギー (Ultratop 50 Wallonia)[ 127]
14
カナダ (Canadian Hot 100)[ 128]
3
フランス (SNEP)[ 129]
26
ドイツ (Media Control AG)[ 130]
25
ハンガリー (Rádiós Top 40)[ 131]
55
アイスランド (Tónlist)[ 132]
16
イタリア (FIMI)[ 133]
14
日本 (Japan Hot 100)[ 134]
30
オランダ (Dutch Top 40)[ 135]
23
オランダ (Single Top 100)[ 136]
39
ニュージーランド (Recorded Music NZ)[ 137]
3
ポーランド (ZPAV)[ 138]
33
スペイン (PROMUSICAE)[ 139]
30
スウェーデン (Sverigetopplistan)[ 140]
17
スイス (Swiss Hitparade)[ 141]
15
UK シングルス (Official Charts Company)[ 142]
3
US Billboard Hot 100[ 143]
3
US Adult Contemporary (Billboard )[ 144]
24
US Adult Pop Songs (Billboard )[ 145]
4
US Alternative Songs (Billboard )[ 146]
5
US Pop Songs (Billboard )[ 147]
7
US Rock Songs (Billboard )[ 148]
8
チャート (2010年 - 2019年)
順位
UK シングルス (Official Charts Company)[ 150]
85
US Billboard Hot 100[ 151]
29
チャート (1958年 - 2018年)
順位
US Billboard Hot 100[ 152]
112
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Billboard JAPAN R35以上対象番組ラジオ・エアプレイ・チャート「Adult Contemporary Airplay」第1位(2013年2月25日付)
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