佐々木 譲(ささき じょう、1950年3月16日 -)は、日本の作家。本名は同じ漢字で「ささき ゆずる」と読む。東京農業大学客員教授。日本アレンスキー協会の名誉会長。
北海道夕張市生まれ[1][注 1]。北海道中標津町在住。父親は択捉島出身、母親は樺太からの引き揚げ者であった[3]。幼時に札幌市へ移り、北海道札幌月寒高等学校卒業[1]。広告代理店や本田技研で広告関連の仕事に従事した後、1979年『鉄騎兵、跳んだ』で文藝春秋「オール讀物新人賞」を受賞し、作家デビュー[1]。同作は映画化もされ評判となった。若い頃はジュブナイル小説も手がけていたが、近年は歴史や犯罪を題材とした重厚な作風で知られる[4]。近年は電子絵本の制作や自作の舞台化にも積極的である。また、直木賞をはじめ数々の文学賞を受賞している[1]。
社会派エンターテインメントで広く知られる。「真夜中の遠い彼方(後に「新宿のありふれた夜」と改題)」では暴力団・ボートピープル・違法入国労働者など、「夜にその名を呼べば」では冷戦・警察など、国内外の情勢に取材した作品で知られる。のち、出身地の北海道警を舞台とした「うたう警官(のちに『笑う警官』に改題)」や警官家族の3代にわたる歴史を描いた「警官の血」などの警察小説も、傾向のひとつとなっている。西部劇映画のファンであり、「蝦夷地三部作」シリーズは、開拓期の北海道をアメリカの西部開拓時代に見立て、西部劇の趣向を導入している[5]。
- 五稜郭残党伝(1991年1月 集英社 / 1994年2月 集英社文庫)
- 雪よ荒野よ(1994年10月 集英社 / 1997年11月 集英社文庫)
- 北辰群盗録(1996年11月 集英社 / 1999年12月 集英社文庫 / 2022年10月 光文社文庫)
- 武揚伝(2001年7月 中央公論新社【上・下】 / 2003年9月 - 12月 中公文庫【1・2・3・4】 / 2015年11月 中央公論新社【決定版 上・中・下】 / 2017年11月 中公文庫【決定版 上・中・下】)
- くろふね(2003年9月 角川書店 / 2008年7月 角川文庫)
- 英龍伝(2018年1月 毎日新聞出版 / 2020年10月 毎日文庫)
- うたう警官(2004年12月 角川春樹事務所)
- 警察庁から来た男(2006年12月 角川春樹事務所 / 2008年5月 ハルキ文庫)
- 警官の紋章(2008年12月 角川春樹事務所 / 2010年5月 ハルキ文庫)
- 巡査の休日(2009年10月 角川春樹事務所 / 2011年5月 ハルキ文庫)
- 密売人(2011年8月 角川春樹事務所 / 2013年5月 ハルキ文庫)
- 人質(2013年1月 角川春樹事務所 / 2014年5月 ハルキ文庫)
- 憂いなき街(2014年4月 角川春樹事務所 / 2015年8月 ハルキ文庫)
- 真夏の雷管(2017年7月 角川春樹事務所 / 2019年7月 ハルキ文庫)
- 雪に撃つ(2020年12月 角川春樹事務所 / 2022年5月 ハルキ文庫)
- 樹林の罠(2022年12月 角川春樹事務所)
- 制服捜査(2006年3月 新潮社 / 2009年1月 新潮文庫 / 埼玉福祉会 大活字本シリーズ【上・下】) - 連作短編集
- 暴雪圏(2009年2月 新潮社)
- 警官の血(2007年9月 新潮社【上・下】 / 2010年1月 新潮文庫【上・下】)
- 警官の条件(2011年9月 新潮社 / 2014年2月 新潮文庫)
- 地層捜査(2012年2月 文藝春秋 / 2014年7月 文春文庫)
- 代官山コールドケース(2013年8月 文藝春秋 / 2015年12月 文春文庫)
- 鉄騎兵、跳んだ(1980年8月 文藝春秋 / 1986年5月 徳間文庫 / 2010年5月 文春文庫)
- 振り返れば地平線(1982年9月 CBSソニー出版 / 1986年10月 集英社文庫)
- あこがれは上海クルーズ(1984年4月 コバルト文庫 / 1997年9月 集英社)
- 死の色の封印(1984年5月 トクマ・ノベルズ / 1989年6月 徳間文庫)
- 真夜中の遠い彼方(1984年11月 大和書房 / 1987年3月 集英社文庫 / 1992年3月 天山文庫)
- 【改題】新宿のありふれた夜(1996年1月 スコラ・ノベルズ / 1997年10月 角川文庫)
- そばにはいつもエンジェル(1984年12月 コバルト文庫 / 1997年9月 集英社)
- いつか風が見ていた(1985年4月 CBSソニー出版)
- 【改題】タイム・アタック(1988年4月 集英社文庫) - 2篇を追加収録
- 夜を急ぐ者よ(1986年8月 集英社 / 1990年7月 集英社文庫 / 2009年12月 ポプラ文庫 / 2010年7月 集英社文庫)
- ベイシティ恋急行(1986年12月 コバルト文庫)
- 【改題】湾岸道路は眠らない(1997年9月 集英社)
- 白い殺戮者(1986年12月 トクマ・ノベルズ / 1991年8月 徳間文庫)
- 南の風にモーニン(1987年3月 CBSソニー出版 / 1991年2月 集英社文庫)
- 犬どもの栄光(1987年8月 集英社 / 1990年8月 集英社文庫)
- きみの素敵なサクセス【短編集】(1987年10月 集英社文庫)
- 仮借なき明日(1989年1月 集英社 / 1992年2月 集英社文庫 / 2010年4月 集英社文庫)
- マンハッタンの美徳(1989年8月 集英社文庫) - 中短編集
- 愚か者の盟約(1991年7月 講談社 / 1993年8月 講談社文庫 / 2009年9月 ハヤカワ文庫JA)
- ハロウィンに消えた(1991年9月 日本経済新聞社 / 1995年9月 カドカワノベルズ / 1996年10月 角川文庫)
- サンクスギビング・ママ【短編集】(1992年1月 スイッチパブリッシング / 1995年4月 新潮文庫 / 2008年6月 扶桑社文庫)
- 夜にその名を呼べば(1992年3月 早川書房 / 1995年5月 ハヤカワ文庫JA / 2008年5月 ハヤカワ文庫JA)
- ネプチューンの迷宮(1993年8月 毎日新聞 / 1997年2月 新潮文庫 / 2001年12月 徳間文庫 / 2008年9月 扶桑社文庫)
- きょうも舗道にすれちがう【連作短編集】(1994年2月 中央公論社 / 2000年9月 中公文庫)
- 勇士は還らず(1994年10月 朝日新聞社 / 1997年11月 朝日文芸文庫)
- 昭南島に蘭ありや(1995年8月 中央公論社 / 1998年4月 C★NOVELS / 2001年11月 中公文庫【上・下】 / 2008年7月 中公文庫【上・下】)
- 飛ぶ想い【短編集】(1995年11月 中央公論社)
- 総督と呼ばれた男(1997年6月 集英社 / 2000年8月 集英社文庫【上・下】)
- ワシントン封印工作(1997年12月 新潮社 / 2000年12月 新潮文庫 / 2010年10月 文春文庫)
- ステージドアに踏み出せば(1998年5月 集英社 / 2002年6月 集英社文庫)
- 牙のある時間(1998年8月 マガジンハウス / 2000年7月 ハルキ文庫)
- 鷲と虎(1998年10月 角川書店 / 2001年9月 角川文庫)
- 屈折率(1999年12月 講談社 / 2003年1月 講談社文庫 / 2018年3月 光文社文庫)
- 黒頭巾旋風録(2002年8月 新潮社 / 2005年6月 新潮文庫 / 2011年3月 徳間文庫)
- 疾駆する夢(2002年11月 小学館 / 2006年7月 小学館文庫【上・下】)
- 帰らざる荒野(2003年4月 集英社 / 2006年4月 集英社文庫)
- ユニット(2003年10月 文藝春秋 / 2005年12月 文春文庫)
- 天下城(2004年3月 新潮社【上・下】 / 2006年10月 新潮文庫【上・下】)
- 駿女(2005年11月 中央公論新社 / 2008年11月 中公文庫)
- 廃墟に乞う(2009年7月 文藝春秋 / 2012年1月 文春文庫) - 連作短編集、2010年第142回直木賞
- 北帰行(2010年1月 角川書店 / 2012年9月 角川文庫)
- カウントダウン(2010年9月 毎日新聞社 / 2013年11月 新潮文庫)
- 婢伝五稜郭(2011年1月 朝日新聞出版 / 2013年10月 朝日文庫)
- 回廊封鎖(2012年8月 集英社 / 2015年10月 集英社文庫)
- 獅子の城塞(2013年11月 新潮社 / 2016年4月 新潮文庫)
- 砂の街路図(2015年8月 小学館 / 2018年11月 小学館文庫)
- 犬の掟(2015年9月 新潮社)
- 沈黙法廷(2016年11月 新潮社 / 2019年10月 新潮文庫)
- 抵抗都市(2019年12月 集英社 / 2022年1月 集英社文庫)
- 図書館の子(2020年7月 光文社 / 2023年5月 光文社文庫)
- 降るがいい(2020年8月 河出書房新社)
- 帝国の弔砲(2021年2月 文藝春秋)
- 偽装同盟(2021年12月 集英社) - 『抵抗都市』続編
- 裂けた明日(2022年8月 新潮社)
- 闇の聖域(2022年11月 KADOKAWA)
- 時を追う者(2023年5月 光文社)
- 冒険者カストロ(2002年9月 集英社 / 2005年11月 集英社文庫)
- 幕臣たちと技術立国 江川英龍・中島三郎助・榎本武揚が追った夢(2006年5月 集英社新書)
- わが夕張 わがエトロフ(2008年9月 北海道新聞社)
- 幻影シネマ館(2008年12月 マガジンハウス)
- サーカスが燃えた(2020年6月 角川春樹事務所) - 絵:中島梨絵
- ^ 父親が働いていた大夕張炭鉱(鹿島明石町)で生まれ、3歳まで過ごす。札幌に転出した際、戸籍の転記漏れがあり、札幌で出生したこととして戸籍回復。そのため戸籍上の出生地は札幌市である[2]
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1930年代 - 1950年代(第1回 - 第42回) |
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1930年代 | |
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1940年代 |
- 第11回 堤千代『小指』他/河内仙介『軍事郵便』
- 第12回 村上元三『上総風土記』他
- 第13回 木村荘十『雲南守備兵』
- 第14回 該当作品なし
- 第15回 該当作品なし
- 第16回 田岡典夫『強情いちご』他/神崎武雄『寛容』他
- 第17回 山本周五郎『日本婦道記』(受賞辞退)
- 第18回 森荘已池『山畠』『蛾と笹舟』
- 第19回 岡田誠三『ニューギニヤ山岳戦』
- 第20回 該当作品なし
- 第21回 富田常雄『面』『刺青』他
- 第22回 山田克郎『海の廃園』
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1950年代 | |
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1960年代 - 1970年代(第43回 - 第82回) |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1980年代 - 1990年代(第83回 - 第122回) |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 - 2010年代(第123回 - 第162回) |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 - 2030年代(第163回 - ) |
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2020年代 | |
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