偽痛風 | |
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概要 | |
診療科 | リウマチ学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | M11.1-M11.2 |
ICD-9-CM | 712.3 |
OMIM | 600668 118600 |
DiseasesDB | 10832 |
MedlinePlus | 000421 |
eMedicine | med/1938 radio/125 orthoped/382 emerg/221 |
Patient UK | 偽痛風 |
MeSH | D002805 |
偽痛風(ぎつうふう、英: Pseudogout)とはピロリン酸カルシウム二水和物 (CPPD) の関節軟骨や周囲組織への沈着を原因とした関節炎を来す疾患の総称である[1][2]。厳密には急性関節炎のみを指し[1]、広義にはピロリン酸カルシウム結晶沈着症、軟骨石灰化症とも呼ばれる[2]。痛風と同じような症状を来たしながら高尿酸血症が見られないことから名付けられた。
高齢者に好発し性差はない[2]。偽痛風における関節炎は、痛風における尿酸への反応と同様のものがピロリン酸カルシウムに対して発生したものである。すなわち、関節包内に析出したピロリン酸カルシウムの結晶に対する炎症反応によって発生する。
急性及び慢性の結晶誘発性関節炎や関節破壊など多彩。慢性症状(慢性関節炎)では重度の関節組織破壊が起きることがある[3]。
好発部位は、
ピロリン酸カルシウム結晶が沈着する原因は不明であるが、血液中の無機ピロリン酸濃度は高くなくても、関節局所でこれらが過剰に所在することで結晶化し、沈着すると考えられている。
なお、家族性の発症が報告される。通常は常染色体優性パターンで遺伝し、40歳までに発症する。
関節に激烈な痛みがおこり、患部の炎症に伴う発熱を生じる事がある。痛風よりも痛みは弱い。好発部位は膝関節で、約半数が発生する。それ以外のほとんどの関節にも発生しうるが、肩関節、足関節などの大きな関節のほうが発生しやすい。心筋梗塞や脳梗塞などが誘因となる可能性もあるが、誘因がないこともある。
特効薬(特異療法)は無い。急性症状の痛みを軽減するための対症療法として、インドメタシン、ナプロキセンなどの投与[3]。