船の全長(英語: Length overall、略称:LOA、o/a、o.a.、oa)とは、喫水線と平行に測定された船体の最大長さの事である。この長さは船をドック入れする際に重要になる数字である。また、この数字は船舶のサイズを表す最も一般的なものであり、港の係留施設利用料(滞船料)を計算するためにも使用される(たとえばLOA1 mあたり2.50ポンドのように)。
LOAは、通常船体のみの測定で、帆船やトールシップ、レーシングボート(パワーボート)等のバウスプリットや船体の付属物などは除外される[1][2]。しかし、バウスプリット等を含むよう書かれているものもあり[3][4]、紛らわしいことにLOAの考え方に差異がみられる[5][6]。そのため、帆船の全長を示すために、LOAの代わりに"Sparred length"、"Total length including bowsprit"、"Mooring length"、"LOA including bowsprit" などの表記も行われる。
船体の長さから突起物(例えば、バウスプリットなど)を含む船舶の長さを区別するため、甲板の長さ(英語: Length on Deck、略称:LOD)が使われることもある。これは小さい帆船ではLOAがLODと大きく異なる可能性があるので、よく使われる[3][7]。
日本の海上交通安全法では全長が200m以上の船舶は巨大船に分類され、港湾などでの扱いが200m未満の船舶と異なるため、国内で就航しているフェリーにはゆうかり、さんふらわあ くれない(いずれも199.9m)のように規制回避のために200m未満で設計された船舶がある。
小型ボート用のISO 8666:2002 Small craft - Principal data では、LOH(length of hull:船体の長さ)の定義がなされている[8]。この定義では、バウスプリットなどの長さは除外する事とされている。