勧請縄

勧請縄(かんじょうなわ)は、村境(地域・地区の域内・外のさかい)に、呪物を付した注連縄を張る習慣。道切りとも呼ばれる。

概要

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日本全国の農村地域では、疫病などの災厄が域内に入るのを防いだり、災厄を賦与して域内から追い出す意味合いで、藁や草で作った縄、人形、わらじなどを村境に祀る例が残る[1][2][3]近畿地方周辺では、福井県若狭地方滋賀県湖東・湖南地方、三重県伊賀地方奈良県東部山間部、京都府南山城地域などにまとまって分布しており[4]、勧請縄の他、勧請吊(かんじょうつり)という呼称もある[5]

各地の勧請縄

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  • 飛鳥路の勧請縄行事(京都府相楽郡笠置町飛鳥路区 無形民俗文化財 平成10年(1998年)登録)
    飛鳥路区でおこなわれている勧請縄行事は、村内の招福や安全を祈るため、毎年1月初旬に各戸より1人ずつ出て注連縄を作り、集落を南北に流れる布目川に渡す行事である。注連縄には農具や生活用品、また男根や女陰をかたどった藁製のツクリモノを下げる[6]

脚注

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  1. ^ 印南敏秀「村落の境界呪物 ―南山城を中心とした近畿のカンジョウナワを事例として―」『民俗文化分布圏論』 1993年(平成5年)12月28日、375-376頁、ISBN 4-626-01486-0
  2. ^ 高嶋賢二「村境の大草履―四国西南部の事例を中心に」日本民具学会『民具研究 (131)』、2005年3月
  3. ^ 小口千明「農村集落における精神的ムラ境の諸相 ―茨城県桜村における虫送りと道切りを事例として―」(城西人文研究第12号 昭和62年(1987年)2月10日)
  4. ^ 印南敏秀「村落の境界呪物」、P.377 カンジョウナワの分布図
  5. ^ 原田敏丸「近江の勧請吊」『彦根論叢』第48・49号・人文科学特集第9号合併 昭和33年(1958年)、p.345-360
  6. ^ 「飛鳥路の勧請縄行事」京都の文化財第16集 平成11年(1999年)3月 京都府教育委員会