南鳥島ロランC局(みなみとりしまロランシーきょく)は、かつて東京都小笠原村の南鳥島にあったLORANの施設。
1968年(昭和43年)6月26日に小笠原諸島が日本に返還された時から1975年(昭和50年)に対馬オメガ局送信用鉄塔が完成するまでの期間において、硫黄島ロランC主局とともに日本一高い構造物であった。
高さ411.48mの初代アンテナマストは、返還前の1963年(昭和38年)にアメリカ合衆国の沿岸警備隊によって建設された。発破解体撤去工事は1986年(昭和61年)4月10日に行われ[1]、跡には記念碑が残った[2]。
高さ213.4mとなった2代目アンテナマストは1985年(昭和60年)に建設され、1993年(平成5年)に海上保安庁の管理となるが、腐食が激しくなったために2000年(平成12年)9月20日に発破解体工事を実施[3]して3代目に建て替えられた。
しかし、GPSの普及に伴い、2009年(平成21年)5月に廃止が決定し、同年12月1日9時をもって廃止された[4][5][6]。2010年(平成22年)1月24日には発破解体工事[7]が実施され、アンテナマストは南鳥島から撤去された[8]。
完成時の1963年(昭和38年)には東京タワー(332.6m)を抜く高さを誇ったが、この時点では日本の実効支配がおよんでいない土地であったため、名実ともに「日本一高い構造物」であったのは、1968年(昭和43年)6月26日に南鳥島が日本に返還された時より1975年(昭和50年)に対馬にオメガタワーが完成するまでの期間であった。