双曲割引(そうきょくわりびき、英: Hyperbolic discounting)は、行動経済学の用語で、「遠い将来なら待てるが、近い将来ならば待てない」という、今までの経済学理論では説明できない非合理的行動を説明する概念として注目されている。時間経過をx 軸、割引率をy 軸とした時のグラフが、時間とともに減少する双曲線(反比例のグラフ)になることから名づけられた。ジョージ・エインズリーテンプル大学教授(臨床精神医学)が唱えた。
「今日と明日の違いは明日と明後日の違いより大きい」と説明されている。例えば1年後のダイエットの成果より、目の前のケーキの誘惑に負けたり、1年後のローンの負担より今のキャッシングの買い物が嬉しいということである。これを人間やその人の弱さとしてではなく、動物(人間を含む)の基本的性質として捉える。
経済学を心理的・精神医学的基盤の上に乗せようとする努力の一環である。今までの経済学は「合理的人間」仮定の上に立っていたが、人間は本来非合理的なものであるということと矛盾するという根本的な問題と、経済理論と現実との不整合が目立ってきたため、それを解決するかも知れない理論と言うことで注目されている。