ジャンル | アクションアドベンチャーゲーム |
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対応機種 | PlayStation |
開発元 | スクウェア/ユークス(Yuke's) |
発売元 | スクウェア |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM3枚 |
発売日 | 通常版:1998年5月28日 |
対象年齢 | CERO:B(12才以上対象) |
売上本数 | 13万本 |
『双界儀』(そうかいぎ)は、1998年5月28日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売されたPlayStation用アクションアドベンチャーゲームソフト。
発売当初のキャッチコピーは、以下などがある。
2008年8月13日からはゲームアーカイブスでPlayStation Portable向けにダウンロード販売が開始された。
スクウェアがデジキューブを介して発売したアクションアドベンチャーゲームのひとつで、スクウェア初のフルボイスを採用した作品としても知られ、全編3Dフルポリゴンで構成されていて、その3Dフルポリゴンとフルボイスによるムービーシーンは約3時間にもおよぶロードムービーになっている。ノベル(語りの文章)とムービーは飛ばすこと(スキップ)ができる。
物語の終了後にはゲームデータを保存することにより、Disk1にて引き続き、物語と同じ広大なフィールドで、アクションゲームとして楽しむことができる。ただし、ステージごとの連戦になり、「昼と夜が逆転している」などの同一フィールドはなくなる。ムービーも省略される。
監督と原案は天河信彦で、ドラマ演出は三ツ矢雄二による。キャラクター原案は皇名月で、寄り神デザインは田中毅による。音楽は70名のスタジオ・ミュージシャンによる生演奏であり、印象的なコーラスをはじめ、さまざまな演奏形態が取られた。ミュージックコンポーザーを務めた菊田裕樹のスクウェアにおける最後の作曲作品集でもある。音響監督は三ツ矢雄二で、寄り神の咆哮も彼自身の声である。主題歌は作中でもヒロインを演じた京野ことみが担当。
太極の陰陽、常世(とこよ)と現世(うつしよ)、悠久と刹那、「現代」の日本を舞台としながらも、「古代」から語り継がれた『日本神話(記紀神話)』や古神道、西方大陸から渡来した密教や道教(陰陽道)を織り交ぜ、循環と再生や渾沌と融合などの、二律背反と表裏一体を主とした世界観から、「二つ=双」の「世(よ)=界」の「理(ことわり)=儀」で題名の『双界儀』となっている。
『古事記』や『万葉集』のみならず、主に『竹内文書』や『東日流外三郡誌』などの偽書に発想を得た日本観や、日本各地に残る「富士文明説」や「寄り神信仰」を題材とし、寄り神(よりがみ)が、いわゆる漂着神(ひょうちゃくしん)・客神(まれびとかみ)[1]であることから、「追いやられるもの[2]」と「忘れ去られたもの[3]」といった神に焦点があてられ、物語に登場するものも「流れ着く物[4]」や「流れ去る者[5]」や「渡来の者[6]」といった表現によって、万物流転(森羅万象の生滅流転)がイメージされる。
陰陽五行(いんようごぎょう)といわれる陰陽思想と五行思想を合わせたものをもとに、陰(いん)・陽(よう)の気(精ともいい、本作では「氣」と表記)の流れや、五行(五行配当)の相関関係などが、システムに組み込まれ、良好な融合を見せており、登場人物の各々の持つ氣や陰陽の属性が、人物設定や人間関係、物語や戦いの重要なファクターになっている。
表示も0(ゼロ)以外のアラビア数字は排され[7]、外来語のカタカナ表記も極力、日本語に置き換えられており、「漢字、ひらがな、古語」に重点が置かれ、時間経過も2月を如月に12月を極月などの和名で記していて、とくに10月は神無月ではなく、「神在月」としているのは、出雲大社[8]の慣しからの引用である。古代に係わる場所や物に「秀真文字(ホツマもじ)[9]」が朱で記されている。また、本作では古式床しい台詞(せりふ)が、随所にちりばめられ、一例を挙げると武器[10]という言葉は使われず武具や得物となっていて、日本語において「武器、武具、得物」は多少、意味合いが違っていることを、さりげなく表現している。効果音も、メニュー画面などの操作時は和太鼓や鼓や井戸の釣瓶の滑車が回るような音が使われていて、和風を醸し出している。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
1997年(平成9年)の12月、富士山の山頂で起こった大規模な爆発により富士は崩壊、二つに引き裂かれた姿に変貌を遂げた。それに呼応するかのように日本の各地で大規模な爆発と地震が起こり、その爆発から発生した光球が半径50キロメートル以内の地域を吹き飛ばし、さらにその光球は謎の巨大な柱となった。日本各地のその柱は、周りのありとあらゆるものを飲み込み、大地さえも抉った。その結果、直径100km、深さ30kmに及ぶクレーターとなった無残な大地には、直径10km、高さ150kmの、その「紅く光る柱」がただ聳(そび)え立つだけとなってしまう。日本はたった一夜にして、滋賀県・福岡県の全域が消滅し、日本の国土の17%と総人口の14%を喪った。のちに、この日は「ガランの日」と、紅く光る柱は「ガラン石の柱」と呼ばれるようになる。
そして、各地に林立したガラン石の柱に引き寄せられるかのように、「寄り神・寄神[11]」と呼ばれる怪異のものが大量に出現し、人々を襲い始めた。「紫微仙(しびせん)」という者たちが作った組織である「五方輪(ごほうりん)」の塞上夜斗(さえがみやと)は、この惨事を起こしたのが紫微仙の仕業と知り、その事実を五方輪の残り4人に告げ、それを期に五方輪は紫微仙に叛旗を翻す。
五方輪の一員である真武居直柔(まぶいなおや)は夜斗にいわれ、紫微仙の目的をハッキリとわからぬまま、この物語の鍵となる「御石神文書(みしゃくじもんじょ)」を手に入れるために、奥能登の珠州へと足を運んだ。そこで直柔は御巫美津穂 (みかなぎ みづほ)を寄り神から助け、初めて五方輪の前に姿を現した、紫微仙の一人とも対峙する。
珠洲にはじまり、高千穂・沖ノ島・出雲・大和・富士・鹿島。御石神文書に秘された、「七つの楔(ななつのくさび)」を守るため、五方輪は集結し、旅をしながら出会っていく。
紫微仙とは?その目的は?語られる「高天の民」とは?この世界にまつわる理(ことわり)が、いま明らかになる。
太極図に表される陰と陽、および五行配当{五つの氣(元素)の相生と相克(有利不利)}が、ゲームの中でフィールドの龍穴や戦いに組み込まれ、陰を「衰氣(すいき)」、陽を「旺氣(おうき)」と言い表し、各々が持つ旺氣・衰氣と五行により、ダメージを受けたり受けなかったりし、また敵である寄り神も五行の1つに属し、操作キャラクターによって与えるダメージに差異が生じる。
ステージに点在する「ガラン石[12](がらんせき)」を破壊することで得られる「現世のカケラ(うつしよの欠片)」を集めることで攻撃力、防御力、跳躍力などのパラメータを強化することができる。強化するほど大量の現世のカケラが必要となり、カケラを回収→パラメータ強化→以前取れなかった位置にあるカケラを回収といった流れで強化を続けていく。ただし、キャラクターにおいて一部のパラメーターが無かったり、元から最大限になっていて、個々の特徴となっている。また、体力や生命力やヒットポイント(以下、HPと記す)と呼ばれるパラメータも、キャラクター個々にその設定値が違うが、現世のカケラによってその数値を増加することはできない。
適性を示す台詞 | |||||||||||
適任 ◎ | 通常 ◯ | 不適 △ | 不可 X | ||||||||
「はぁーあ、楽勝、楽勝、 あくびがでるぜ」 |
「真武居の太刀筋、 見せてやるぜ!」 |
「マジかよ、 めんどくせーなー」 |
「なんで俺が やんなきゃ なんねーんだよ」 |
●真武居 直柔 | |||||||
「はっはっはっ! お前さんは 昼寝でもしときな」 |
「どっちが先に 燃え尽きちまうか、 試してみるか?」 |
「おいおい、 俺に行けってかぁ?」 |
「バッカ野郎、 俺は知らねぇぞ」 |
●八州 大騎 | |||||||
「御巫無想流、 結構強いんだから」 |
「わたし師範代だって 言ったでしょ、 忘れたの?」 |
「ちょっとねー、 つらいかなー」 |
「あ、ダメ、 ほんと、ぜんっぜんダメ」 |
●御巫 みづほ | |||||||
「死にたくなければ、 俺に任せろ」 |
「運がいいな。 我舞式練氣術、 見せてやる」 |
「ふん」 | 「てめぇがやれ!」 | ●我舞 要 | |||||||
「あずさ、 ひとりで大丈夫だよ!」 |
「あずさ、 がんばるよ!」 |
「やだやだやだやだ、 やだったらやだ!」 |
「えー、 あずさ、 知らないよ」 |
○琴平 あずさ | |||||||
「安心し、 うちがなんとかする」 |
「ま、やってみるわ」 | 「あんまし 期待せんといてや」 |
「うち、 ちょっと、 あかんねん」 |
●朱童 ひふみ | |||||||
「手出しは無用、 私独りで事は足りる」 |
「玄武の理、 身をもって知るがいい」 |
「出来得る限りの事はする 私に言えるのは それだけだ」 |
「今は、 その時ではない」 |
●塞上 夜斗 |
強化はどの能力もキャラクターにより、1段階に付き9から20個の、現世のカケラを必要とする。それぞれの持つ基本パラメーターから8段階まで強化できるが、1段階の増加率は個々のキャラクターで違い、またキャラクターよって、能力のうちの幾つかを有せず(メニュー画面では、赤く塗りつぶされている)、または、数段階を元から体得している。ただし、「結界(けっかい)」は5段階の展開数で、「封陣符(ほうじんふ)」は最高16枚所持できるの咒符(じゅふ)[15]の数なのでそれぞれパラメーターはない。最終ステージに突入する時には、ガラン石を全て破壊していれば現世のカケラは、500個を所持する。
能力・現世のカケラの必要数 | |||||||||||
真武居 直柔 | 八洲 大騎 | 御巫 みづほ | 我舞 要 | 琴平 あずさ | 朱童 ひふみ | 塞上 夜斗 | |||||
11片 | 18片 | 9片 | 20片 | 12片 | 17片 | 不明 ※1 | 1段階強化の カケラの必要数 | ||||
○ 2/8 |
○ 3/8 |
○ 2/8 |
○ ※2 3/8 |
○ ※2 1/8 |
○ ※2 1/8 |
× | 打撃攻撃 基本値・最高8/8 | ||||
○ 2/8 |
○ 1/8 |
○ 0/8 |
○ 3/8 |
○ 3/8 |
× ※3 | ○ 8/8 |
旺氣攻撃 基本値・最高8/8 | ||||
○ 1/8 |
× ※4 | ○ 3/8 |
○ 2/8 |
○ 2/8 |
○ 1/8 |
○ 8/8 |
対打撃防御 基本値・最高8/8 | ||||
○ 2/8 |
× ※4 | ○ 1/8 |
○ 3/8 |
○ 3/8 |
○ 8/8 |
○ 8/8 |
対衰氣防御 基本値・最高8/8 | ||||
○ 1/5 |
○ 3/5 |
○ 1/5 |
× | × ※5 | ○ 4/5 |
○ 5/5 |
結界 基本値・最高5/5 | ||||
○ 4/16 |
○ 5/16 |
○ 0/16 |
× | ○ 6/16 |
○ 7/16 |
○ 16/16 |
封陣符 基本値・最高16/16 | ||||
○ 3/8 |
○ 4/8 |
○ 2/8 |
× | × | ○ 4/8 |
○ 8/8 |
跳躍1(水平)ブースト 基本値・最高8/8 | ||||
○ 3/8 |
○ 4/8 |
○ 2/8 |
○ 4/8 |
○ 2/8 |
○ 4/8 |
○ 8/8 |
跳躍2(垂直)ジャンプ 基本値・最高8/8 | ||||
493片 504片 ※6 |
486片 522片 ※6 |
468片 | 500片 540片 ※6 |
468片 | 476片 | 0片 | 全能力強化の カケラの必要数 |
ボス戦に限り、照準(ロックオン)機能がL1・R1ボタンにて使用できるが、通常の反転を行うことはできなくなる。
通常の攻撃は、立ち止まっている(立位)からの攻撃を「基本攻撃」といい、攻撃ボタンを連続して押せばモーションが一連の流れで変化する。移動中(徒歩)からの攻撃を「ダッシュ攻撃」という。水平跳躍(神通足)からの攻撃を「ブースト攻撃」という。垂直跳躍中に攻撃もできるが、上昇中か下降中の違いによって攻撃方法が異なり、上昇中からの攻撃を「ジャンプ弾道攻撃」といいジャンプからの急降下攻撃で、上昇中に反転しからの攻撃を「宙返り攻撃」というバリエーションがあり、下降中の攻撃を「空中攻撃」といい、地上に着地するまで何度か繰り返し攻撃できる。
奥義は物理と氣の能力の延長線上にあるが、その発動においては、マテリアが必要となり奥義はそれぞれ位があり、奥義、中程度の奥義、究極奥義などで、一連の発動モーションも順次変化し、マテリアの消費量も1→2→3→4→5個と多くなる。マテリアの所持数は99個までとなっており、多数所持していれば、戦闘中に数を気にする事なく使える。
奥義の発動は、一連の発動モーションが順次変化し、ボタンをはなすタイミングで奥義の選択がされる。最終段階の奥義のモーションを選択しなければ発動しないので、発動中は攻撃を受け付けない事を利用して、緊急回避として使えるが、マテリアの数が十分であればそのまま奥義を発動しても良い。
攻撃・奥義 | |||||||||||
真武居 直柔 | 八洲 大騎 | 御巫 みづほ | 我舞 要 | 琴平 あずさ | 朱童 ひふみ | 塞上 夜斗 | |||||
紫微武甲法 | 紫微武甲法 密教咒術 |
無想流剣術 △ 紫微武甲法 |
練氣術 | 紫微武甲法 体得中 |
紫微武甲法 陰陽術 |
紫微武甲法 | 流派 | ||||
若雷 わかいかずち 4・8連斬 |
名称なし 3連打 |
瀧波 たきなみ 4連斬 |
梅花 ばいか 5連打 |
十六夜の人矢 いざよいのひとや 1射で1から4矢 |
名称なし 5連打 |
× | 基本攻撃 立位の攻撃 モーションの変化 | ||||
大雷 おおいかずち |
焔毬 ほむらまり |
捷波 はやなみ |
桜花 おうか |
名称なし |
名称なし |
超級太極弾 | ダッシュ攻撃 移動中の攻撃 | ||||
焔雷 ほのいかずち |
焔鼓 ほむらつづみ |
△ 焔雷 ほのいかずち |
× | × | × | 超級太極弾 | ブースト攻撃 水平跳躍の攻撃 | ||||
鳴雷 なるいかずち |
焔凧 ほむらだこ |
名称なし |
蕣花 しゅんか |
十六夜の天矢 いざよいのあまや |
名称なし |
超級太極弾 | 空中攻撃 跳躍下降中の攻撃 | ||||
析雷 さくいかずち |
焔笛 ほむらぶえ |
△ 析雷 さくいかずち |
× | 十六夜の地矢 いざよいのつちや |
名称なし |
超級太極弾 | ジャンプ弾道攻撃 跳躍上昇中の攻撃 | ||||
臥雷 ふすいかづち |
× | 名称なし |
× | × | 名称なし |
超級太極弾 | 宙返り攻撃 跳躍上昇中に反転 | ||||
犯土雷 つちいかずち |
焔太鼓 ほむらだいこ |
× 奥義1で代用 |
桂仙花 けいせんか |
× 奥義2で代用 |
名称なし |
× | 全方位攻撃 ※1 周囲に同時攻撃 | ||||
超級太極弾 |
焔独楽 ほむらこま |
百重波 ももえなみ |
金紅花 ※2 きんこうか |
月夕 ※3 げっせき |
紫苑 ※4 しをん |
× | 奥義1 マテリア消費1 | ||||
黒雷 くろいかずち |
大焔独楽 おおほむらこま |
千重波 ちえなみ |
徒花 あだばな |
金烏の矢 きんうのや |
黄櫨 ※4 こうろ |
× | 奥義2 マテリア消費2 | ||||
△ 荒覇吐 ※5 あらはばき |
超級太極弾 | △ 黒雷 くろいかずち |
狂花 くるいばな |
玉兎の矢 ぎょくとのや |
滅紫 ※4 めっし |
× | 奥義3 マテリア消費3 | ||||
× | × | △ 超級太極弾 | × | 月華 げっか |
× | × | 奥義4 マテリア消費4 | ||||
× | × | × | × | 超級太極弾 |
× | × | 奥義5 マテリア消費5 |
咒符(じゅふ)を使った特別な力で物理でも氣でもない、三つ目の能力である。咒符の使用と発動まで、固有のモーションがあり、その間は攻撃されない。咒符は現世のカケラの所持数により、最高で16枚まで強化できるので、「五芒醒力」を3回と「一穴点螺」1回の使用や「八極天地」の2回の使用といった組み合わせができ、戦略上において特にボス戦では重要になる。また、一枚目の使用までタイムラグとしてモーションがあり、途中でボタンをはなせば一瞬であるが、「モーション中は攻撃を受けない」という仕様を緊急回避としても使える。
それぞれの咒符が描く封陣の形は、1.の点、2.の直線、3.の三角形は、規則性のある「秀真文字(ヲシテ)」の構成要素でもあり、0次元・1次元・2次元を表しているともとれる。4.の三角形の中心に点は秀真文字の「ウ」であり、5.の「五芒星(ごぼうせい)」と、6.の五芒星の中心に点は、陰陽道の根幹となる象形でもあり、特に五芒星は、陰陽道の宗家の1つである安倍晴明(安倍家)の紋章となっている。7.の三角形に等角のYの字を重ねた形も秀真文字の「ツ」を表し、8.の正八角形は、陰陽道の「八卦(はっけ)」でもある。
龍穴の効果 | |||||||||||
● | ● | ● | ● | ● | 龍穴 | ||||||
HPの全回復 | 五芒醒力状態 | 変化なし | ステータス低下 | 衰氣感染中和 | 真武居 直柔/御巫みづほ | ||||||
衰氣感染中和 | HPの全回復 | 五芒醒力状態 | 変化なし | ステータス低下 | 八州 大騎 | ||||||
ステータス低下 | 衰氣感染中和 | HPの全回復 | 五芒醒力状態 | 変化なし | 朱童 ひふみ | ||||||
変化なし | ステータス低下 | 衰氣感染中和 | HPの全回復 | 五芒醒力状態 | 琴平 あずさ | ||||||
五芒醒力状態 | 変化なし | ステータス低下 | 衰氣感染中和 | HPの全回復 | 我舞 要/塞上 夜斗 |
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MAP(地図・ステージ)は日本各地から採られ、忠実に再現されているのが特徴である。
紫微仙の暮らす「幽玄郷(ゆうげんきょう)」だけは彼らの作り出した結界の異空間[19]にあるので、日本地図にプロットできない。幽玄郷にある物は、中央に中華風の六角形の東屋(あずまや)と、三方を囲むように庵(いおり)があり、東屋には3ヶ所の出入り口と、3脚の木製の長椅子と1卓の六角形の卓があり、その卓にはミニチュアの日本の立体映像を俯瞰(ふかん)から映し出す、六角形の「鏡」が填め込まれている。六角形の庵は3軒あり、紫微仙それぞれの住居となっている。
五方輪の「隠れ家(かくれが)」は、中央に八角形の集会所としての屋根と床と柱だけの簡素な東屋があり、六方を囲む形で1ヶ所が市街へ続く鳥居のある参道(フィールド外)で、森に囲まれた残りの5本の道の先にそれぞれ1軒の庵があり、庵の扉の上には五方輪の紋章である双勾玉が象られ、五方輪それぞれの住居となっている。
ステージと物語の節の「各話」は連立している。各話の地名は江戸時代以前の古い地名を表している。
幾つかのフィールドは、実在の場所をほぼ忠実に再現しているが、齎(もたら)された禍(わざわい)により、大きく変貌している場所もある。ただし、紀伊水道は実際に存在するが、淡島{遥那(えな)の地}[20]は、日本神話における架空の島である。
七つの楔が秘された地。(物語の進行順に記載)
「楔(くさび)」は、全ての邪悪と兇氣(きょうき)を祓う(はらう)辟邪(へきじゃ)の力を形作り、あるものを鎮護(ちんご)するための封印であり、すべて霊石(れいせき)からなり、日本各地に点在するの楔を結ぶと北斗七星を描く。岩や石を信仰する風習は古神道の始まりとも言われ、磐座信仰(いわくらしんこう)という。
ガラン石の柱が聳え立つ八つの地。(北東順に記載)
日本の地勢(ちせい)を形造る地脈(ちみゃく)ともいい、いわゆる風水の龍脈の経絡(けいらく)が交差する重要な場所であり、古くから霊山(れいざん)となっていて、楔とは別の意味で「要」となっている。龍脈(りゅうみゃく)の交差する場所に、紫微仙により引き裂かれた富士から齎された衰氣を集約させることで、8本のガラン石の柱が生み出され、「ガランの日」という禍が引き起こされた。
下記の山々は、縄文時代や古代から信仰されてきた神体山(しんたいさん)や霊峰(れいほう)、神奈備(かんなび)とされる、神留まる[28](かんづまる)場所であり、山中や麓(ふもと)に社(やしろ・神社)をいだき、遺跡や磐座(いわくら)が点在する山である。その多くが「人工の山[29]ではないか?」とされるが、人の手が加わって成形されたと、正式に認められるのは、黒又山だけである。
五方輪は、咒方術(じゅほうじゅつ)という特別な力である武術(ぶじゅつ)、氣功術(きこうじゅつ)、咒術(じゅじゅつ)を持ち、紫微仙から授かった五神宝珠(ごしんほうじゅ)を、武具に備えた咒方士(じゅほうし)からなる。元々は紫微仙が、寄り神を撃退するために作った組織であり、名目上は「世の理(ことわり)を守るためにある」という趣旨で、紫微仙から咒方士たちに預託される。咒方士はさまざまな理由や立場の縁で、資質がある者が選ばれ引き継がれるが、真武居家だけは「世襲(せしゅう)」となっている。
五方輪の装束(しょうぞく)は和服と五行の色が基本となっていて、みな手甲(てっこう)をしているが、後に参入する二人、我舞は革のベストを羽織り、みづほは防除班の戦闘服としてプロテクターが各所に充がわれるが、上着のスリットとスタンドカラーの特徴はチャイナドレスを思わせる。紫微仙の装束は満州の民族衣装が基本となっている。
五方輪の五方とは陰陽五行においての方位であり、基準となる中心と東西南北を表し、紫微仙の紫微は北極星のことを言う。北極星は古来から世界各地で方位を知る上で、北の基準点として利用され、肉眼で見えるものの他に2つあり、紫微仙と同様に3からなるものである。紫微仙の3人の名につけられた天尊とは道教における神の敬称であり、道教の最高神も「三清」といって3人からなる。(六震祇の六震も、立体上や、古代インドにおける東西南北上下の6方向の方位を示すものである。)
{名称の表記において、エンドロールでは、御巫 美津穂、琴平 梓、汐里 楸、那美姫、という漢字表記になっていて、説明書や公式資料では、御巫 みづほ、琴平 あずさ、汐里 ひさぎ、ナミ姫、という表記になっている。以上により、各人の登場人物の冒頭での記述のみを、エンドロールに准じて漢字表記とした。紫微仙は、陽龍(ヤンロン)と陰虎(インフゥ)が外来語読みで、河伯(カハク)が日本語読みであるので、漢字表記に統一した}
各項目の登場人物は紫微仙を除き、戦闘フィールドの参加と物語の時系列により記載する。
「紫微仙の3人」と、紫微仙の作った式神(しきがみ)である「六震祇」と、人の生命活動から排出される氣である衰氣を求めて、常世から現世に出現する「寄り神」が敵となる。偶然出会う「とある人物(HP1000)」も、人とは考えられない「氣」を発していることと暗闇であったため、お互いを寄り神の類(たぐい)と勘違いし、戦いになる。心の隙を突かれ、河伯に操られる「とある人物(HP2000)」も、一時に敵となる。
六震祇の咆哮(ほうこう)と寄り神の断末魔(だんまつま)は、三ツ矢雄二によるものである。「紫微仙の3人」と「とある二人」については、登場人物を参照。
六震祇(りくしんぎ)は、「あるもの」を封じる結界を作っている「楔」を抜くために、紫微仙により、なにかしらの対象物[40]を依り代(よりしろ)に作られた式神であるが、五方輪はそれを阻止する立場になるので、必然的に戦うようになる。六震祇も全て、五行のいずれかに属し、また結界は無効のうえ結界能力を持っている。
「六震(りくしん・ろくしん)」とは六種震動とも表記し、釈迦の人生の節目[41]または、新たな思想を説いた時が6回あったとされ、その毎時に世の全てが、6方向(東西南北地天)のうちの一方向づつに、順番に胎動した[42]とされ、この現象を瑞祥(ずいしょう)とし、その方位を「動・起・涌・震・吼・覚」と表している。「祇(ぎ)」は日本における神とされるもの[43]を意味する。六震祇のそれぞれの名は、六震の6文字に「尸(し)」をくわえたものであるが、尸は屍や死を意味し、漢字の部首としても屍垂(かばねだれ)といい、生き物の代謝による排出物や、代謝が終わった老廃物を意味する漢字の部首に使われる。
寄り神・寄神(よりがみ)も、全て五行のいずれかに属していて、倒した時に弾ける光球の色でも判断できる。寄り神には等級があり、下級・中級・上級となっていて、結界の捕縛できる時間と、衰氣ゲージの中和に関係し、上級ほど捕縛時間が短く衰氣ゲージの旺氣の上昇量が大きく、下級はその逆になる。特徴は固定・移動・高速移動・浮遊・飛翔や、突然出現するもの、透明、不死身のものもいる。攻撃は物理と衰氣弾を行い、特殊な攻撃では、毒液や毒霧を吐いたり、衰氣レーザーなど、珍しい手段で攻撃してくるものなどがいる。防御や特殊能力は、旺氣反射や弾性性能(体ごと弾かれる)や衰氣感染を齎すもの、結界を仕掛けるものや結界無効などの能力を持つものがいる。
寄り神の名は、ほとんどが、日本で伝承される妖怪から採られ、ホオナデの頬を撫でるような仕草や、センポクカンポクの姿など、その妖怪の特徴を踏襲しているものも多い。
公式資料には、組織・情勢については、突然起こった災害に対しての、日本政府や世界各国の科学的対処や、市井(しせい)の人々の動向を、「陽の章」というレポートとして、内閣安全保障調査会が作成したものがあり、もう一方で、太古から続く計略による禍に対しての、ごく限られた人々が知る超常的原因を研究する学者が、作成した「ガランの日と闇の史実」という著書をもとに、平易に記述しなおした「陰の章」というものがある。
「富士異変」から数年の出来事と社会情勢。陽の章の組織に属す人物で、物語に登場するのは立科だけであるが、みづほもかつては防除班に所属していた。
原初の渾沌(こんとん)から生じ、悠久(ゆうきゅう)の時間にあるこの世の真理と、この物語の本流であり、主人公たちが活躍するこの世のもうひとつの側面と、「ガランの日を遥かに上回る禍の始まり」と、それらに係わる物事。※この物語の根幹となる5つの事象と5つの言葉については、記載していない。
物語における重要な5つの事象は時系列に従い、重要な5つの言葉(本作での造語)はその意味を記述する。
サウンドトラックのイラストは、そのまま皇名月によるものだが、御巫みづほを中心に女性の登場人物で構成され、色合いも桜色と水色のパステルカラーの背景により、淡く柔らかい印象となっている。
オリジナル・サウンドトラックに『It's a merry X'mas』は含まれておらず、劇中では、歌詞の無いオルゴールによるバージョンも流れる。『Lovely Strains 〜淡夢の軌跡〜』はゲームでは、『淡夢の軌跡』という題名になっている。
菊田裕樹によれば、「PlayStationの決して高くないグラフィックとポリゴンの、映像の表現力の不足を補うために、スタジオミュージシャンによる生演奏、生録音が最適だ」と考えたことと、「製作時のスクウェアの経済事情が、このような方法を容易に許すものだったから出来た」と語っている。また、この『双界儀』で目指したものは、「日本のスタジオミュージシャンを使った生演奏、生録音で作るゲーム音楽の限界」であり、「思い描いた域には到達し、成功した」と考え、「自信と誇りを持ってユーザーに聴いてもらうことが出来ると思っている」と語っている[50]。
『双界儀』(そうかいぎ)とはPlayStation専用ソフトの小説版であり、『双界儀』のストーリーをそのままに肉付けし、ゲームでは語られなかった詳細を含め、脚色された単行本(ソフトカバー)である。
ゲーム以上に古語や漢字表記が増えている反面、ゲームでは背景程度でしかない、近代的な文化や施設や機器の記述や、科学や生物学などを用いて、背景となる状況の設定の説明もされ、日本の伝承や日本神話にとどまらない、サイエンスフィクションの色合いもあり、古式ゆかしい登場人物、特に五方輪とナミ姫はより生身の人としての、人間関係を通じた心情が表現され、現在に生きる人々としても描かれる。戦闘シーンの描写も盛り込まれ、各キャラクターの武術も丁寧に反映され、ダイナミックに感じられるとともに、寄り神や心霊現象の発露などに、おどろおどろしい形容がされ、畏怖(いふ)をイメージさせるための演出ともとれるが、この二つの要素が加味されて、メリハリの利いたものになっている。
ゲームとの差異はほとんどといって良いほどなく、ムービーシーンで使われた台詞はそのまま活字になっていて、強いて言えば、富士でみづほが歌うクリスマスソングが『It's a merry X'mas』ではなく『Lovely Strains 〜淡夢の軌跡〜』になっていることと、言葉が古語としての表記や読みに差し替えられているほか、後述の「あとがき」にもあるが、基本設定の矛盾点として「楔とその結界を解くこと」に関するエピソードなどが、盛り込まれているぐらいである。追加部分はというより、基本設定にあったとおもわれる、ゲームでは一瞬しか登場しなかった佐々木喬一の人となりや出来事が描かれているところと、直柔とみづほの出会う前などの序章の導入部分や、剣山の探訪や、エピローグが、物語により厚みと整合性を添えている。
あとがきの中で、著者である波多野鷹は、「実質的な原案者はYuke'sの天河信彦氏だ」と語っている。著者と天河信彦の間で、相当量の遣り取りがあり、ゲームの基本設定の矛盾になりそうな点や、ストーリーの根幹の「回避できないはずの状況設定に、逃げ道があること」などが、発覚したようであるが、逆にその矛盾などを新たに、「物語の厚みを増すエピーソードとして、取り込むことができた」と天河信彦を賛辞しつつ、幾つかの部分での共同作業の充実と、著者の作品の完成度に対する自負が語られている。
物語は13章からなり、「あとがき」を含め14章となっている。
表紙を含めた着彩された絵は皇名月による新たな書下ろしである。また表紙のカバーの返しには、みづほの制服にデニムジャケットはおり、ポシェットを身につけた姿と、あずさのティディーベアを背負った私服姿が描かれている。本の2・3ページを使った見開きには、夜斗・ナミ姫・貴騎・立科を除いた登場人物(河伯は砂の彫刻になっている)が南国のビーチで戯れている姿が描かれている。本文中の登場人物の挿絵はゲームの説明書と同一である。
『双界儀』(そうかいぎ)とはPlayStation専用ソフトの漫画版であり、『双界儀』のストーリーをそのままに肉付けし、ゲームでは表現できなかった部分を含め、脚色された単行本(ソフトカバー)である。
ゲームでは、容量やドットの関係から詳細の良く解らない部分が、漫画ならではに画かれている。全体的な印象は明るくポップなタッチであり、主人公たちのとぼけたギャグシーンや私服姿が随所に見られ、身近に感じられるようになっている。
ストーリーにおいては、柔直の幼少の頃やみづほの防除班時代などが追加され、独自の作品感につながっている。また、小説版との整合性も取られ、矛盾のほとんどない形になっている。ゲームとの相違点もほとんど無いが、「楔とその結界を解くこと」について指摘される「回避できないはずの状況設定に、逃げ道があること」の点についての解消方法の理由付けが、小説とは異なっていて、作風に沿ったものとなっている。その他には、奥義マテリアは五神宝珠を持つ者しか獲得できないなどがある。
作画については、ゲームの情報として解らなかった部分が補完され、双界儀の世界を拡げているが、寄り神などは、オリジナルのキャラクターがいたり、六震祇もアレンジが加えられている。細かい部分ではあずさの胸当てが小さくなり、双勾玉の紋章が無かったりするが、七つ楔の形や夜斗の晒しにはしっかりと、秀真文字が画かれていて、ゲームでははっきりしなかったものが、より鮮明になっている。
全3巻からなり各巻に3話ずつで全9話となっている。各巻の巻末には登場人物の設定資料とショートストーリーが載せられている。
ソフトカバーの外側のトレーシングペーパーに白色で、印刷された「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」の文字は八卦を表す。
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