四分一(しぶいち)とは金属工芸で使われてきた日本古来の色金(いろがね)のひとつで銀と銅の合金である。合金における銀の比率が四分の一である事から名付けられた。 煮色仕上げで美しい銀灰色を示すことから朧銀(ろうぎん、おぼろぎん)とも呼ばれる。 朧銀には他に銀の表面に梨地(なしぢ)をつけ光沢を消したものも含まれる[1]。
四分一には銀の含有率は23-60%の幅でいくつか異なった合金があり、異なった色合いを呈する。 より銀の含有量が多くなると白っぽくなる[2][3]。
種類 | 銀:銅 +金の割合[4] | 備考 色はいずれも煮色仕上げ後のもの |
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(並)四分一 | 25:75 金微量 | 暗い灰色 |
白四分一 (金一分差し) |
60:40 +1 | 白っぽい灰色 硬く加工しづらい、融点は低い |
上四分一 (金一分差し) |
40:60 +1 | 灰色、硬く加工しづらい |
並四分一 内三分 (金一分差し) |
30:70 +1 | 濃い灰色 |
並四分一 外三分 (金一分差し) |
23:77 +1 | 内三分より、さらに濃い灰色 |
黒四分一 (金一分差し)
これは上記の「四分一」とは異なり、「四分一」を40%と「赤銅」を60%合わせたものに、さらに金を1%混ぜた合金である。 煮色仕上げで赤銅の青みがかった黒とは異なった黒色が得られる。仮に三分挿し(金3%)の赤銅を使ったとして、銀9.9%、銅87.3%、金2.8%の比率となる。
注)
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