国道158号(こくどう158ごう)は、福井県福井市から岐阜県高山市を経由して、長野県松本市に至る一般国道である。
国道158号は岐阜県北部の山間部を東西に横断して敷設され、油坂峠と新軽岡峠、安房峠といった、急峻な峠を通過する。旧道はこれらの峠を越える狭隘な道路(いわゆる「酷道」)であるが、それぞれに峠を短絡するトンネルが建設され、新道が開通している。岐阜県と長野県の間にある安房峠の旧道は、概ね11月中旬から翌年春季まで冬期通行止めとなるが、安房トンネルの開通により、年間を通して通行できるようになった。
一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
中部縦貫自動車道については当該記事を参照。
道路法(昭和27年法律第180号)に基づく二級国道として初回指定された路線のひとつである。国道指定当初は、福井県大野郡大野町[注釈 7]から岐阜県郡上郡白鳥町[注釈 4]まで二級国道157号金沢岐阜線(後の国道157号)と重用区間として指定されていた[4]が、1975年(昭和50年)に国道157号の経路が変更され[5]、大野市で交差する路線になった。
長野県松本市安曇では梓川の谷沿いを走り、ダム建設時の道路がそのまま国道となっているため、大型観光バスのすれ違いが困難な狭小トンネルやトンネル入り口での急カーブがある。過去にはすれ違いに失敗してバスが転落する事故も発生した(前述)。
2011年(平成23年)11月25日に国道158号改良を促進する沿線住民の会が、国道158号改良促進総決起大会を開催した。会には、安曇、奈川、波田、梓川といった地区の町会連合会などが協賛した。2014年(平成26年)に奈川渡ダムの下流で、長さ2,200 mの新トンネルを掘削する奈川渡改良工事の準備が開始された。
旧道として福井県に計上されている2.2 km区間は、大野市長野 - 同市野尻にあり、九頭竜ダム建設に係る付替部の一部として1965年から1976年まで現道であったもの。野尻側の現道合流点近くで落石多発のため通り抜けることができず、進入を阻止するガードレールが設置されその奥は草が生い茂る。長野(九頭竜ダム)側分岐からは進入できるが、さながら電源開発のダム湖管理道路と化している。なお、この区間の現道では約650 mに短縮されている。
- 和田中〜前波バイパス(福井県福井市) - 全区間現道化。
- 前波〜田尻バイパス(同上)
- 三万谷〜奈良瀬バイパス(同上)
- 奈良瀬〜境寺バイパス(同上)
- 境寺〜計石バイパス(同上、全区間未供用)
- 大宮〜犬山バイパス(福井県福井市 - 同県大野市)
- 大野バイパス(福井県大野市) - 全区間現道化。同市内にあリ直接接続している国道157号の大野バイパスとは別の事業。
- E67 中部縦貫自動車道(福井県福井市 - 長野県松本市)
- うすゆき橋バイパス(同上)
- 奈川渡改良(同上)
- 狸平工区(同上)
- 三本松トンネル(同上)
- 美濃街道(郡上市、美濃市)
- 大野街道(福井市、大野市)
- 越前街道(福井市、大野市)
- 飛騨街道
- 白川街道
- 野麦街道
- 木曽街道
- 越美さくら街道(郡上市)
- コスモス街道(高山市)
- 安房シラカバ街道(高山市)
- 飛騨やまびこ街道(高山市)
- 国道364号(福井県福井市田尻町・高田大橋南詰 - 大野市春日・明治交差点)
- 国道476号(福井県大野市犬山・犬山交差点 - 同市犬山)
- 国道418号(福井県大野市桜塚町・明治交差点 - 同市桜塚町・エキサイト広場南東交差点)
- 国道157号(福井県大野市桜塚町・エキサイト広場南東交差点 - 同市吉)
- 国道156号(岐阜県郡上市白鳥町向小駄良・清流の里しろとり前交差点 - 高山市荘川町牧戸・牧戸交差点)
- 国道472号(岐阜県高山市荘川町三尾河 - 高山市上岡本町・上岡本町交差点)
以下では中部縦貫自動車道ではない区間のみ述べる。
- 福井県
- 宿布トンネル(福井市宿布町)
- 三万谷トンネル(福井市三万谷町)
- 市波第一トンネル(福井市宿布町)
- 市波第二トンネル(福井市宿布町)
- 小和清水奈良瀬トンネル(福井市宿布町)
- 新丁トンネル(福井市 - 大野市)
- 花山トンネル(福井市 - 大野市)
- 砂山トンネル(大野市)
- 馬返トンネル(大野市)
- 長野ダムトンネル(大野市)
- 長平トンネル(大野市)
- 影路トンネル(大野市)
- 野尻トンネル(大野市)
- 箱ヶ瀬トンネル(大野市)
- 下半原トンネル(大野市)
- 油坂トンネル(大野市 - 岐阜県郡上市)
- 岐阜県
- 三谷トンネル(高山市)
- 新道谷トンネル(高山市)
- 軽岡トンネル(高山市)
- 余之谷トンネル(高山市)
- 平湯トンネル(高山市)
- 平湯第2トンネル(高山市)
- 長野県
- 赤怒谷トンネル(松本市)
- 新坂巻トンネル(松本市)
- 白なぎトンネル(松本市)
- 清水トンネル(松本市)
- 芝ぞりトンネル(松本市)
- 榾小屋トンネル(松本市)
- 雲間の滝トンネル(松本市)
- 新山吹トンネル(松本市)
- 日向窪トンネル(松本市)
- 木賊トンネル(松本市)
- 前川渡トンネル(松本市)
- 親子滝トンネル(松本市)
- 水道沢トンネル(松本市)
- 奈川渡トンネル(松本市)
- 新入山トンネル(松本市)
- 入山トンネル(松本市)
- 大白川第2トンネル(松本市)
- 大白川第1トンネル(松本市)
- ずみの窪トンネル(松本市)
- 小雪薙トンネル(松本市)
- 三本松トンネル(松本市安曇)
- このほか、沿道の足羽川頭首工(福井市)付近から対岸に「一乗谷あさくら水の駅」が見える(道路は本路線から分岐し約0.8 km)。
2005年度(平成17年度道路交通センサスより)
平日24時間交通量(台)
地点 |
台数
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大野市犬山 |
11,555
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大野市東市布 |
01,772
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高山市朝日町 |
10,010
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高山市丹生川町久手349 |
05,094
|
高山市奥飛騨平湯85-10 |
01,537
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松本市中の湯 |
02,461
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中部縦貫自動車道については当該記事を参照。
福井県福井市
福井県大野市
岐阜県郡上市
岐阜県高山市
長野県松本市
- 油坂峠(標高750 m):福井県大野市 - 岐阜県郡上市
- 新軽岡峠(標高1,150 m):岐阜県高山市
- 松ノ木峠(標高1,086 m):岐阜県高山市
- 小鳥峠(標高1,002 m):岐阜県高山市
- 平湯峠(標高1,684 m):岐阜県高山市
- 安房峠(標高1,790 m):岐阜県高山市 - 長野県松本市
- ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2017年7月5日の政令(平成29年7月5日政令第182号)に基づく表記。
- ^ 2006年2月1日に福井市へ編入。
- ^ 2006年2月13日に吉田郡永平寺町ほか1町1村が合併して吉田郡永平寺町発足。
- ^ a b 2004年3月1日に2町4村が合併して郡上市発足。
- ^ a b 2005年2月1日に高山市ほか2町7村が合併して高山市発足。
- ^ a b c d e f g 2022年3月31日現在
- ^ 1954年7月1日に大野郡大野町ほか1町6村が合併して大野市発足。
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国道158号に関連するカテゴリがあります。
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通過市町村 |
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バイパス道路 |
奈良瀬-境寺バイパス - 境寺-計石バイパス - うすゆき橋バイパス
| 中部縦貫自動車道 | |
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道路名・愛称 |
美濃街道 - 越前街道 - 飛騨街道 - 白川街道 - 八軒町通り - 国分寺通り - 安川通り - 木曽街道 - 野麦街道
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自然要衝 |
花山峠 - 油坂峠 - 蛭ヶ野峠 - 新軽岡峠 - 松ノ木峠 - 小鳥峠 - 平湯峠 - 安房峠、越坂峠(永平寺大野道路)
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道の駅 | |
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旧道 | |
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構造物 |
三万谷トンネル - 小和清水トンネル - 新丁トンネル - 砂山トンネル - 君ケ代橋 - 馬返トンネル - 琴洞橋 - 油坂トンネル - 三谷トンネル - 軽岡トンネル - 鍛冶橋 - 平湯トンネル - 清水トンネル - 山吹トンネル - 木賊トンネル - 前川渡トンネル - 親子滝トンネル - 奈川渡トンネル - 入山トンネル - 三本松トンネル - 稲核橋 - 奈良井大橋
| 中部縦貫自動車道 |
越坂トンネル - 吉峰トンネル - 大袋トンネル - 小矢戸トンネル - 越美トンネル - 油坂第三トンネル - 油坂第二トンネル - 油坂第一トンネル - 小鳥トンネル - 清見八日町トンネル - 栗尾トンネル - 見量山トンネル - 湯ノ平トンネル - 安房トンネル
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1 - 100 (1 - 57号は旧一級国道。59 - 100号は欠番) |
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101 - 200 (旧二級国道、109 - 111号は廃止・欠番) |
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201 - 300 (201 - 271号は旧二級国道、214 - 216号は廃止・欠番) |
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