国道400号(こくどう400ごう)は、茨城県水戸市から福島県耶麻郡西会津町に至る一般国道である。単独区間の起点は栃木県大田原市の佐良土交差点である。茨城県区間はすべて国道118号、国道293号との重複区間である。
起点である茨城県内では全区間が他路線重複である。国道121号と重複する区間は、会津西街道(下野街道、あるいは日光街道[注釈 1]とも)である。栃木県内の区間は主に黒羽街道、塩原街道と呼ばれているが、バイパス開通によりかつての街道と現在の国道としてのルートが一致しない区間も増えている。
一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 2]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
国道118号・国道293号および国道294号との重複区間はそれぞれの記事を参照。
- 大田原西那須野バイパス
- 栃木県大田原市と那須塩原市西那須野地区(旧西那須野町)を現道の南側を迂回する形で建設されたバイパスである。那須塩原市の国道4号と交差する西三島交差点から大田原市の国道461号と交差する美原交差点までの全長約5 kmで1989年に着工、2009年3月21日に全線開通した。片側2車線で開通し、総工費は約137億円。大田原市の美原地区には、東武宇都宮百貨店大田原店やヨークベニマルなどの郊外型商業施設の集積が進んでいる。
- 関谷バイパス
- 栃木県那須塩原市下田野と関谷間約1.6 kmにわたる。2000年2月開通。
- 下塩原バイパス
- 栃木県那須塩原市関谷と下塩原間の3.6 kmにわたる。2011年9月29日に1期区間、2022年3月26日に2期区間が開通し全通した。当初はこのほかに3期区間1.0 kmも計画されていたが、事業休止となっている。
- 青葉通り
- 1995年に開通した、塩原温泉郷のエリア南側をバイパスする道路。開通当時は塩原町道(のち那須塩原市道)であった。もみじライン方面には繋がっていたが、国道400号上塩原方面には直結しておらず、バイパス道路として十分機能を果たせない状況が続いていた。中塩原バイパス開通によりこの状態が解消され、合わせて旧道である塩原街道側が国道の指定を外れると当時に青葉通りが国道400号本線に組み込まれた。
- 中塩原バイパス
- 栃木県那須塩原市中塩原と上塩原間の1.6 kmにわたる。幅員狭小で屈曲部が多く、歩行設備も不十分であった現道を南側に迂回している。片側1車線で総事業費は22億円。2011年9月29日に全線開通した。
- 田島バイパス
- 南会津町〜昭和村にかけての舟鼻峠前後の狭小区間をバイパスするための道路で、2009年に全線開通した。田島市街地内をバイパスする田島バイパス (国道289号)とは別の道路である。
- 杉峠バイパス
- 三島町-柳津町・西会津町境の杉峠にある幅員狭小区間の解消と磐越自動車道西会津インターチェンジのアクセス改善のために1990年(平成2年)度事業化、翌年度工事開始された。現在までに三島方1.6 km(名入工区)と西会津方0.3 km(上牛尾工区の一部)が部分供用されている。計画当初、峠は1.7 kmの長大トンネルで通過するとされていたが、その後の地質調査で軟弱地盤であることが分かり、そのままでは莫大な費用がかかるため見直され、現道を修繕して使用することになった[8]。
福島県と栃木県の県境をまたぐ区間は、国道121号・352号・400号の3連重複区間で、この区間の道路わきには国内でも珍しく、3路線分だけ縦に3つ連なる国道標識が立ち並ぶ。
- がま石トンネル(栃木県那須塩原市)
- 尾頭トンネル(那須塩原市 - 日光市、延長1,782 m)
- 高野トンネル(福島県南会津郡南会津町、延長323 m)
- 積入山トンネル(南会津郡南会津町 - 下郷町、延長1,579 m)
- 舟鼻トンネル(南会津郡下郷町 - 大沼郡昭和村)
- 全長:625.0m
- 6.0(8.5)m
- 有効高:4.7m
- 工法:NATM工法(ショートベンチカット工法)
- 施工:西部・谷ヶ城・佐久間建設工事共同企業体
- 竣工:1992年10月
- 急カーブと急勾配の続く従来の舟鼻峠の改良事業である舟鼻工区(全長1700m)の建設に伴い、国道改良事業として1986年10月25日に起工された。1990年10月1日に貫通し、1992年10月26日に開通した。総工費は14億5500万円[10]。
- 福島県
- 高野大橋(南会津郡南会津町 高野川)
- 浅布大橋(南会津郡南会津町)
- 綱木橋(大沼郡金山町 野尻川)
- 全長:107.874m
- 幅員:8.0m
- 形式:3径間連続非合成鋼箱桁橋
- 竣工:1984年
- 総事業費:2億9210万円[11]。
- 1980年度に着工された。1985年11月9日開通。
- 小綱木橋(大沼郡金山町 野尻川)
- 全長:62.0m
- 幅員:8.0m
- 形式:2径間単純PCポストテンションT桁橋
- 竣工:1984年
- 総事業費:1億8950万円[11]。
- 1981年度に着工された。
- 大綱木橋(大沼郡金山町玉梨字綱木 野尻川)
- 全長:67.5m
- 幅員:6.0(8.0)m
- 形式:2径間単純PCポストテンションT桁橋
- 竣工:1983年
- 雪崩による交通障害の解消のために1980年度より綱木工区(事業化当初は主要地方道田島金山線改良事業であった)として事業化された橋梁で、1981年度に着工した。総事業費は1億8920万円[12]。
- 赤谷橋
- 全長:14.3m
- 幅員:6.5(11.0)m
- 形式:PC単純プレテン床版桁橋
- 竣工:2001年度
- 三島町名入字上赤谷で一級水系阿賀野川水系只見川支流の赤谷川の河口部を渡る。橋上は上下対向2車線で供用され、下り線側に幅員2.5mの歩道が設置されている。1969年に架けられた旧橋梁の幅員狭小対策のため架け替えられた。総工費は2億9700万円[13]
- 出ヶ原観音橋
- 全長:65.0m
- 幅員:6.5(12.0)m
- 形式:鋼単純箱桁橋
- 竣工:1998年度
- 出ヶ原天神橋
- 全長:55.0m
- 幅員:6.5(12.0)m
- 形式:鋼単純箱桁橋
- 竣工:1996年度
- いずれも耶麻郡西会津町出ヶ原で一級水系阿賀野川水系長谷川を渡る。長谷川右岸側の出ヶ原地区を貫く狭隘区間の解消のための改良事業として長谷川左岸側にバイパス道路を整備するために関連橋梁として建設された。総工費は出ヶ原観音橋が3億1000万円[14]、出ヶ原天神橋が2億9900万円[15]。
平日24時間交通量(平成17年度道路交通センサス)
- ^ 東京と日光を結ぶ日光街道とは別。
- ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
- ^ 2004年10月16日に那珂郡大宮町が1町3村を編入して常陸大宮市発足。
- ^ 2005年10月1日に2町が合併して那珂郡那珂川町発足。
- ^ 2005年10月1日に大田原市へ編入。
- ^ 2005年1月1日に1市2町が合併して那須塩原市発足。
- ^ 2006年3月20日に2市2町1村が合併して日光市発足。
- ^ 2006年3月20日に1町3村が合併して南会津町発足。
- ^ a b c d e f g 2022年3月31日現在
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国道400号に関連するカテゴリがあります。
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1 - 100 (1 - 57号は旧一級国道。59 - 100号は欠番) |
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101 - 200 (旧二級国道、109 - 111号は廃止・欠番) |
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201 - 300 (201 - 271号は旧二級国道、214 - 216号は廃止・欠番) |
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