『地獄の門』(じごくのもん、原題:Paura nella città dei morti viventi)は、ルチオ・フルチ監督のゾンビ物ホラー映画。
1980年のイタリア映画。アメリカでの公開タイトルは『THE GATES OF HELL』。日本では劇場未公開、ビデオ・DVD発売。
フルチが『サンゲリア』に続いて発表したゾンビ映画第2弾。脳が飛び散り、口から内臓が噴き出し、頭をドリルが貫通し、ウジの大群が降り注ぎと、フルチの作品の中でも過激な残酷描写で有名である。
『ビヨンド』に先立ち、「現世と死者の世界を隔てる境界が徐々に崩れて、死者が生者を襲い始める」というプロットを扱っている。登場するゾンビは半分悪霊のような存在で、突然消えたり現れたりするのが特徴。舞台となる「ダンウィッチ」は、ラヴクラフトによる『ダンウィッチの怪』などクトゥルフ神話作品に登場するアメリカの田舎町と同名である。
主演のカトリオーナ・マッコールは、日本映画(ただし日本人はプロデューサーと原作者だけ)『ベルサイユのばら』(1979年)でオスカル役を演じた美人女優。この後、立て続けにフルチの『ビヨンド』『墓地裏の家』にも主演している。
『ルチオ・フルチ映画祭2011』と題してシネマート新宿[1]にて2011年7月16日から1週間開催され『地獄の門』『ビヨンド』ほかフルチ監督の作品計7作品が上映された。
ダンウィッチ。地図にも載っていないこの小さな町である日、トーマス神父(ファブリツィオ・ジョヴィーネ)が首を吊って自殺した。以来、町では奇妙な出来事が相次ぐようになった。キリスト教の戒律に反する自殺を神父が行うという神への冒瀆行為により、町では地獄の門が開かれようとしていたのだ。万聖節の夜までに門を閉じなければ、悪霊が世界にはびこり、人類は死滅してしまう。事件を霊視した霊媒師マリー(カトリオーナ・マッコール)は、新聞記者ピーター(クリストファー・ジョージ)と共にダンウィッチへ向かう。