増田 みず子(ますだ みずこ、1948年11月13日 - )は、日本の小説家。東京都足立区千住関屋町出身[1]。本名、榛名みず子[2]。
東京都立白鷗高等学校に入ったが、受験校の校風に反発して中退し、東京都立上野高等学校の定時制に再入学[3][4]。のち、当時の心の傷跡を自伝的な作品『内気な夜景』の題材にした。東京農工大学農学部植物防疫科卒業。日本医科大学第二生化学教室勤務を経て「死後の関係」で新潮新人賞の候補となり、小説家としてデビューする。
元来、男女問わず独身生活を主題とする作家だったが、1986年の『シングル・セル』はその到達点ともいうべき長編で、「シングル」という語が少し流行語となり、また話題となった。
近年は青山学院女子短期大学で創作を指導しながら、雑誌に短篇を発表している。2020年、『月夜見』以来19年ぶりの単行本『小説』を刊行する。
また6回芥川賞の候補に上るが受賞ならず。これは、なだいなだ、阿部昭、島田雅彦、多田尋子らとともに最多落選記録である。
- 『詩集 硬質のアプサラス』 現代文学会出版部, 1977
- 『ふたつの春』 新潮社, 1979 のち福武文庫
- 『道化の季節』 集英社, 1981
- 『麦笛』 福武書店, 1981のち文庫
- 『自殺志願』 福武書店, 1982 のち文庫
- 『内気な夜景』 文藝春秋, 1983
- 『独身病』 新潮社, 1983
- 『自由時間』 新潮社, 1984
- 『家の匂い』 河出書房新社, 1985
- 『二十歳・猛獣』 集英社, 1985
- 『女からの逃走』 花曜社, 1986
- 『シングル・セル』 福武書店, 1986 のち文庫、講談社文芸文庫
- 『降水確率』 福武書店, 1987
- 『一人家族』 中央公論社, 1987
- 『<孤体>の生命感 小説と生命の論理』岩波書店, 1987 (作家の方法)
- 『夜のロボット』 講談社, 1988
- 『禁止空間』 河出書房新社, 1988
- 『鬼の木』 新潮社, 1989
- 『児童館』 日本文芸社, 1989
- 『シングル・ノート』 日本文芸社, 1990
- 『水魚』 日本文芸社, 1990
- 『カム・ホーム』 福武書店, 1990
- 『童神』 中央公論社, 1990
- 『夢虫』 講談社, 1991
- 『空から来るもの』 河出書房新社, 1992
- 『風道』 筑摩書房, 1993
- 『隅田川小景』 日本文芸社, 1993
- 『妖春記』 講談社, 1994
- 『わたしの東京物語』 丸善ブックス, 1995
- 『風草』 河出書房新社, 1995
- 『うちの庭に舟がきた』 河出書房新社, 1996
- 『水鏡』 講談社, 1997
- 『火夜』 新潮社, 1998
- 『樋口一葉』 新典社, 1998 (女性作家評伝シリーズ 1)
- 『月夜見』 講談社, 2001
- 『小説』田畑書店,2020
- 『理系的』田畑書店,2021
- ^ 堀切直人『浅草: 戦後篇』85頁
- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.464
- ^ 『内気な夜景』著者略歴。
- ^ 今井泰子、薮禎子、渡辺澄子編『短編女性文学: 現代』188頁
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野間文芸新人賞 |
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2020年代 |
- 第42回 李龍徳『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』
- 第43回 井戸川射子『ここはとても速い川』
- 第44回 町屋良平『ほんのこども』
- 第45回 朝比奈秋『あなたの燃える左手で』、九段理江「しをかくうま」
- 第46回 豊永浩平『月ぬ走いや、馬ぬ走い』
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