ジャンル | 横スクロールアクション |
---|---|
対応機種 |
PC-8801mkIISR以降 (PC88) X1 MSX 対応機種一覧
|
開発元 | ウルフ・チーム |
発売元 | 日本テレネット |
プロデューサー | 林浩樹 |
ディレクター |
林浩樹(グラフィック) 小川史生(音楽) |
デザイナー | ウルフ・チーム |
シナリオ |
林浩樹 三橋幸雄 |
プログラマー | 秋篠雅弘 |
音楽 | 小川史生 |
美術 | 林浩樹 |
シリーズ | ヴァリスシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア |
5インチフロッピーディスク (PC-88、X1) ROMカセット (MSX) |
発売日 |
1986年12月 |
対象年齢 |
CERO:B(12才以上対象) |
コンテンツアイコン |
PCE、MD セクシャル、暴力 |
『夢幻戦士ヴァリス』(むげんせんしヴァリス、英題:The Fantasm Soldier Valis)は、ウルフ・チームが開発し1986年に日本テレネットから発売されたPC-8801mkIISR以降およびX1、MSX用横スクロールアクションゲーム。
パソコン雑誌『LOGiN』が主催した、各ゲームメーカーが製品以外のゲームソフトを作成して技術力とアイデアを競う企画「ゲームオリンピック」に参加するため、日本テレネット社内で秋篠雅弘ら有志により極秘に開発されていた『スケ番不良伝説』が元になっている。スクロール描画速度を確保するために、RGB3プレーンのうち2枚だけを使用する4色カラーのゲームだった。これが、社の幹部の知るところとなり、正規の製品として昇格して新たに開発を続けることになった。
こうしてできた作品が第1作の『夢幻戦士ヴァリス』である。8色フルカラーグラフィックによるスクロールを滑らかに実行するために、動作するのはハードウェアグラフィック処理が搭載されているPC-8801mkIISR以降用(以下PC-88版)に限定されていた。
ゲームの主人公である麻生優子のファンクラブが結成されるほど人気を集めたためシリーズ化され、多くの機種に移植された。デザイン画が事故によって失われたため、1作ごとにキャラクターデザインが異なっている。
1989年には優子のイメージガール「ミス優子」コンテストが開かれ、現在は女優として活動中の宮本裕子がグランプリとなり[1]、杉山容子(現 杉咲佳穂)が準グランプリを受賞。その他、のちに東京パフォーマンスドールのメンバーとなる穴井夕子(審査員特別賞受賞)、大野まりな(当時乙女塾松元裕美名義)がエントリーしていた[2]。
8方向スクロールによるアクションゲーム[3]。プレイヤーはセーラー服に身を包んだ主人公「優子」を操作して、敵を倒していく。ゲーム進行上、優子は女戦士「ヴァリス」に変身する力を得る。敵を倒すと、ときどきパワーストーンが出現し、これを取得することで優子のパワーは回復する[3]。また、ステージ内の様々な場所に落ちているパネルを拾うと、剣のパワーや防御力がアップする[3]。画面右下に表示される矢印の方向にステージ内を進んでいくと、ステージごとに異なるボスキャラクターが待ち構えており、これを倒せばステージクリアとなる[3]。全10ステージあり、ステージクリアごとにデータをセーブできる(PC-88版)[3]。
各ステージの前後には、ウルフ・チームが開発した日本テレネットの前作『ファイナルゾーン』で好評だったビジュアルシーンが挿入されていて、ゲーム世界観や物語を見事に演出していると評された[3]。
ゲームには隠しコマンドが実装されており、ステージ・セレクトと、最強の武器を装備するという2つのコマンドある(PC-88版)[3]。また、タイトル画面でF5キーを押すことにより、全12曲のBGMを視聴できるミュージック・モードに入ることができる[3]。
ごく普通の女子高生だった優子は夢幻界・ヴァニティの女王ヴァリアによって「ヴァリスの戦士」に指名された[1]。
優子の使命は、ヴェカンティの支配者・ログレスとその部下である4人のヴォーグを倒し、5個の「ファンタズム・ジュエリー」を取り戻して世界の均衡を守ること[1]。
優子は戸惑いながらも戦いの中でヴァリスの力に目覚め、ログレスの野望を挫くために夢幻界を駆け抜ける[1]。
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 夢幻戦士ヴァリス | 1986年12月 |
X1 | ウルフ・チーム | 日本テレネット | 5インチフロッピーディスク | - | FM音源ボードに対応 |
2 | 夢幻戦士ヴァリス | 1987年3月 |
FM77AV | ウルフ・チーム | 日本テレネット | 3.5インチフロッピーディスク | - | |
3 | 夢幻戦士ヴァリス | 1987年4月 |
PC-9801 | ウルフ・チーム | 日本テレネット | 3.5インチフロッピーディスク | - | |
4 | 夢幻戦士ヴァリス | 1987年8月21日 |
ファミリーコンピュータ | 日本テレネット | 徳間書店 | 1メガビット+64キロRAMロムカセット[4] | GTS-VA | |
5 | 夢幻戦士ヴァリス Valis: The Fantasm Soldier |
1991年12月27日 1991年12月 |
メガドライブ | ライオット | 日本テレネット レノ |
8メガビットロムカセット[5] | T-49083 49196 |
リメイク版 |
6 | 夢幻戦士ヴァリス Legend of a Fantasm Soldier |
1992年3月19日 |
PCエンジンSUPER CD-ROM2 | ライオット | 日本テレネット | CD-ROM | TJCD2023 | リメイク版 |
7 | 夢幻戦士ヴァリス | 2002年9月1日[6] |
Windows | サンソフト | ボーステック | ダウンロード (プロジェクトEGG) |
- | MSX版の移植 |
8 | 夢幻戦士ヴァリス | 2003年10月15日[7][8] |
Windows | サンソフト | ボーステック | ダウンロード (プロジェクトEGG) |
- | メガドライブ版の移植 |
9 | 夢幻戦士ヴァリス COMPLETE | 2004年6月24日 |
Windows | サンソフト | ボーステック | CD-ROM | - | |
10 | 夢幻戦士ヴァリス | 2005年5月18日[9][10] |
256K対応機種 (Vアプリ) |
アールフォース | バンダイネットワークス | ダウンロード | - | アレンジ移植 |
11 | 夢幻戦士ヴァリス | 2006年 |
Windows | 日本テレネット | アイレボ | ダウンロード (i-revo) |
- | MSX版の移植 |
12 | 夢幻戦士ヴァリス Legend of a Fantasm Soldier |
2007年6月26日[11] |
Windows | サンソフト | D4エンタープライズ | ダウンロード (プロジェクトEGG) |
- | PCエンジン版の移植 |
13 | 夢幻戦士ヴァリス Legend of a Fantasm Soldier |
2010年12月15日 |
PlayStation 3 PlayStation Portable (PlayStation Network) |
サンソフト | KDE | ダウンロード (ゲームアーカイブス) |
- | PCエンジン版の移植 |
14 | 夢幻戦士ヴァリスCOMPLETE PLUS | 2011年11月24日[12] |
Windows | サンソフト | D4エンタープライズ | CD-ROM | - | |
15 | 夢幻戦士ヴァリス | 2015年2月24日[13] |
Windows | サンソフト | D4エンタープライズ | ダウンロード (プロジェクトEGG) |
- | PC-8801版の移植 |
16 | 夢幻戦士ヴァリス COLLECTION |
2021年12月9日[14][15][16] |
Nintendo Switch | D4エンタープライズ | エディア | Switch専用ゲームカード ダウンロード |
- | PCエンジン版を収録 |
17 | 夢幻戦士ヴァリス | 2022年2月10日 |
Nintendo Switch | エディア | エディア | ダウンロード | - | PCエンジン版の移植 |
18 | 夢幻戦士ヴァリス COLLECTION II |
2022年9月22日[17][18] |
Nintendo Switch | D4エンタープライズ | エディア | Switch専用ゲームカード ダウンロード |
- | MSX版、メガドライブ版を収録 |
19 | 夢幻戦士ヴァリス for メガドライブ |
2022年12月22日 |
Nintendo Switch | エディア | エディア | ダウンロード | - | メガドライブ版の移植 |
20 | 夢幻戦士ヴァリス for MSX |
2022年12月22日 |
Nintendo Switch | エディア | エディア | ダウンロード | - | MSX版の移植 |
21 | 夢幻戦士ヴァリス COLLECTION III |
2023年12月7日[19][20] |
Nintendo Switch | エディア | エディア | Switch専用ゲームカード ダウンロード |
- | PC-8801版、ファミリーコンピュータ版の移植 |
22 | 夢幻戦士ヴァリス | INT 2024年10月29日 |
Windows | エディア | エディア | ダウンロード (Steam) |
- | PCエンジン版の移植 |
現在、PC-8801mkIISR以降 (PC-88) 版・MSX版・PCエンジン版及びメガドライブ版はプロジェクトEGGのダウンロード販売でプレイ可能となっている。
1987年にファミコン版が発売される際にテレビCMとプロモーションのために短編アニメが制作された。アニメ本編は当時のVHDビデオマガジン『アニメビジョン』に収録されている。
評価 | ||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.33 | 3.23 | 2.93 | 2.98 | 2.82 | 2.98 | 18.17 |
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.76 | 3.40 | 3.00 | 2.94 | 3.08 | 3.04 | 19.22 |
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 4.21 | 3.98 | 3.84 | 3.43 | 3.67 | 3.43 | 22.82 |
本作の発表時、ファンタジー系の洋書イラストや漫画やアニメ等に登場する女戦士はビキニアーマーを着けていることが多かった。本作のヒットとシリーズ化は、そのイメージをゲーム業界にも定着させた(以後の詳細はビキニアーマーを参照)[1]。
その一方で一見軟派なイメージとは異なり、ステージ間のビジュアルシーンにおいて語られる作品テーマは、非常に重いもので、この二面性の絶妙な混在でプレイヤーに強い印象を与えることに成功しており、同時に本作が他社の亜流作品と一線を画す、要因にもなっている[1]。
特に、PCエンジン版はCD-ROM採用のメリットを活用し、ビジュアルシーンでのアニメーションや声優の起用は、後のゲーム開発における手法を先取りしたものと言え、その点からも本作が後に「ギャルゲーの始祖」と呼ばれるようになった[1]。
また、本作ではPC-8801版から、当時のゲームでは珍しいサウンドテストモードが採用されている。サウンドはFM音源であった。