宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち | |
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アニメ | |
原作 | 西﨑義展 |
監督 | 羽原信義 |
シリーズ構成 | 福井晴敏 |
脚本 | 福井晴敏、岡秀樹 |
キャラクターデザイン | 結城信輝、山岡信一 |
メカニックデザイン | 玉盛順一朗、石津泰志、小林誠[注 1] |
音楽 | 宮川彬良、宮川泰 |
アニメーション制作 | XEBEC |
製作 | 宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会 |
放送局 | テレビ東京ほか[1] |
放送期間 | 2018年10月6日[1] - 2019年3月30日 |
話数 | 全26話 |
映画:「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択 | |
原作 | 西﨑義展 |
監督 | 佐藤敦紀(ディレクター) |
脚本 | 皆川ゆか、福井晴敏 |
音楽 | 宮川彬良、宮川泰 |
制作 | studio MOTHER |
配給 | 松竹ODS事業室 |
封切日 | 2021年6月11日 |
上映時間 | 120分 |
小説 | |
著者 | 皆川ゆか |
イラスト | むらかわみちお |
出版社 | KADOKAWA |
レーベル | 角川書店 |
刊行期間 | 2017年10月13日 - |
巻数 | 既刊4巻(2021年1月現在) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | アニメ |
ポータル | アニメ・文学 |
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』(うちゅうせんかんやまと にいにいぜろにい あいのせんしたち[2])は、2017年2月より公開された日本のアニメ作品。
宇宙戦艦ヤマトシリーズのアニメ作品の1つである。
本項では、テレビシリーズの総集編「『宇宙戦艦ヤマト』という時代 西暦2202年の選択」についても記載する。
アニメ『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作品である『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『2199』)の続編[3]。『2199』から始まるリメイク版アニメシリーズ作品としては4作目、「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」全体では総集編を含めると18作目に当たる。
劇場アニメ『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(以下、『さらば』)およびテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト2』(以下、『ヤマト2』)のリメイクに相当する[4](作品タイトルロゴのうち「2202」の末尾(一の位)の「2」が他の桁の数字より大きく描かれているのもこのため)。
『2199』と同じくODS形式をとっており、2017年2月25日以降、松竹の劇場配給で全7章をイベント上映(#特別上映を参照)。
2015年7月27日発行のヤマトクループレミアム会報誌『宇宙戦艦ヤマト 航海日誌』Vol.11において初めて情報が公開され、「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」の新作製作として発表された。そして、2016年3月31日に『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』として正式発表され[5]、公式サイトもオープンした[6]。同年9月5日には制作発表会が秋葉原UDXシアターにて開催され、全7章構成であることや、第一章の公開日、その他ビジネススキームなどの詳細情報が明かされた[7]。
2018年10月6日よりテレビ放送開始[8]。
2019年3月28日には第七章の舞台挨拶において続編の製作が発表され[9]、同年9月1日にはそのタイトルが『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』であること、2020年秋に上映されること、シリーズ構成を福井が引き続いて担当すること、本作から3年後の世界を描くことが、本作の公式サイトにおいて発表された[10]。
2019年10月14日、『2205』の前に『2202』の総集編を2020年に上映予定であることを発表[11]。詳細は#派生作品を参照。
宇宙戦艦ヤマトのイスカンダルへの航海が終わってから3年が経過した、西暦2202年。巨大な白色彗星によって宇宙を進撃する帝星ガトランティスは、女神テレサの力を求めてテレザート星を侵略する。その際、テレサの放ったコスモウェーブが地球へ向かったことを知った大帝ズォーダーは、地球への本格的な侵攻を開始する。
一方、かつての青い姿を取り戻した地球は、ガミラス帝国と和平条約を締結して復興を進めていたが、地球連邦政府は「波動砲艦隊計画」に基づいて建造した新鋭艦アンドロメダをその象徴として軍拡に進みつつあり、その姿勢に古代進をはじめ元ヤマト乗組員たちは疑念を抱いていく。
そして、宇宙の彼方から元ヤマト乗組員たちのもとへテレサのメッセージが届く。また、コスモリバースシステムが地球にもたらした「時間断層」という負の遺産の存在を知って地球連邦政府の方針に憤った古代は、テレザートへ向かうべく反逆覚悟で元ヤマト乗組員たちと共にヤマトを無断発進させる。防衛軍による妨害に遭うもガミラスの交渉によって反逆の汚名をそそがれたヤマトは、ガミラスの地球駐在武官クラウス・キーマンを乗組員に加え、テレザートへの航海に再出発する。
第十一番惑星でのガトランティスとの戦闘や、惑星シュトラバーゼでの古代とズォーダーの邂逅、生きていたデスラーとの再戦、白色彗星との接触などを経つつもヤマトはテレザート星に到達し、そこでテレサとの対面を果たす。テレサは、古代アケーリアス文明の遺産たる白色彗星を手に入れたガトランティスが、宇宙のすべての生命を絶とうとしていることを告げる。
その後、太陽系では地球とガトランティスの本格戦闘が開始されるが、白色彗星およびその内部に潜んでいた都市帝国によって地球艦隊は壊走する。太陽系に帰還して都市帝国と相対したヤマトもガトランティスの策略に遭い、都市帝国内部のとある惑星に墜落する。しかし、その惑星はガトランティス発祥の地「ゼムリア」であり、そこでガトランティスとズォーダーの出自、そしてガトランティスを殲滅する安全装置「ゴレム」の存在が明かされる。地球・ガミラス連合艦隊の活動によって都市帝国から脱出したヤマトは修理・応急改装を受け、改めて都市帝国との最終決戦に臨む。
ヤマトは地球圏にて都市帝国を半壊させ、ズォーダーがゴレムを起動してガトランティス人は全滅し、「滅びの方舟」は地球の破壊に動く。月をも削るその猛威に対し、多大な犠牲を払ったヤマトにもはや抗える手段はなく、敗北を悟った古代は地球人の逃げ延びる時間を稼ごうという自分の考えを悟った雪と2人だけでヤマトを特攻させるが、暴走した波動エンジンを通じてテレサが宿ったことにより、ヤマトは半年後に時間断層から浮上する。時の流れが停滞した高次元世界に生きたまま取り残されていた古代と雪は、やがて時間断層を代価として現れたヤマトと仲間たちに救出され、共に地球へ帰還する。
詳細な解説やその他のキャラクターについては、各個別記事および「宇宙戦艦ヤマト2199の登場人物」を参照
制作会社は『2199』から引き続きXEBECとなっているが、主要スタッフが一部入れ替わっている。
監督が『2199』『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』(以下、『星巡る方舟』)での出渕裕から『宇宙戦艦ヤマト 復活篇 ディレクターズカット版』でアニメーションディレクターを担当した羽原信義に交代している。また、『2199』で美術系スタッフとして参加し、『復活篇』で副監督、同DC版で監督代行を務めた小林誠が、本作では副監督として参加しているなど、上層のスタッフが『復活篇』主要スタッフだった人物に入れ替わっている。
脚本には『亡国のイージス』や『機動戦士ガンダムUC』を手掛けた小説家の福井晴敏と、特撮など実写映画系統の監督である岡秀樹が参加。各話ごとに分担していた『2199』と異なり福井と岡が全体を担当しており、シリーズ構成も福井が担っている。先に候補として挙げられたのは岡の方であり、当時まだ監督と決まっていなかった羽原が「ドラマに対して熱く感じるところが同じ」と考え、推薦した[29][30]。福井が最初のオファーをかけられたのは『2199』が終わる2013年頃だったが、当時はまだOVA版『機動戦士ガンダムUC』が製作途上だったことから断っており、同作終了後に改めてオファーを受けた[3]。年齢的に「ヤマト世代」だった福井は、「やるしかない」「一度バラバラになったものを一つにまとめたい」という思いだったという[31]。その後、2015年4月頃に福井が企画書を提示し、同年夏頃にスタッフが固まった[32]。
監督関係や脚本関係のスタッフが入れ替わっている一方で、デザイン関係のスタッフは『2199』からほぼ据え置きとなっている。
脚本製作は、福井が書いた大筋のストーリーを基に岡がシナリオを書き、それに福井が修正を加えるという手順をとっている[33]。
まず最初に福井がプロットを1人で自由に書き、それをもとに他のスタッフと協議して脚本に仕上げていっている[17]。具体的には、福井のプロットを基に岡がロングプロットを作り、福井と羽原の確認を経てから全体会議へ提出され、そこで出た意見を盛り込んで脚本化する[34]。脚本化作業は、まず岡がたたき台となる「ゼロ稿」をロングプロットと同じ要領で書き、福井が「初稿」として仕上げている[34]。なお、最初の土台となる福井のプロットは、内容の取捨選択を行うことを最初から前提として、アイデアを可能な限り多く入れて長めに作られている[34]。
内容は基本的には『さらば』をベースとしているが、随所に『ヤマト2』からのガジェットを引用し、『2199』で追加された設定(波動砲の使用禁止やガミラスの存続など)を矛盾なく生かすため、旧作の空気感を残しつつも新しい展開になることを福井は指摘している[32]。第1話は『2199』からのつながりを意識した内容で、第2話以降を『さらば』のリメイクとして認識できる構成にしている[17]。また、『さらば』を戦後復興からバブル期への10年間ほどのらん熟期に向き合った作品であると認識し、本作は東日本大震災などの社会情勢に向き合ったものとして描いている[35]。福井は「真正面から、今の若い人たちの愛、ひいては国への愛につながるような構成にした」と述べている[31]。
作品タイトルは福井が考えており、地球の復興に1年は短すぎるという理由、および2作目であることの提示や2並びの覚えやすさなどから、タイトルおよび設定年代は『さらば』『ヤマト2』と同じ「2201」ではなく「2202」としている[32]。「2202」最後の「2」を大きく強調して、副題に「愛の戦士たち」をつけることで、本作が『さらば』と『ヤマト2』のどちらの結末へも行くことができることを示している[32][36][37]。また、「2202」の「0」をスラッシュを入れた「∅」にすることで、(『さらば』と『ヤマト2』の)どちらでもない」という意味を込めている[38][37]。タイトルが提案されたのは初期のプロットの書き始め段階で[17]、「2202」は単純に語音の良さや前作のタイトルとのつながりを考えてつけられた[31]ものだが、「愛の戦士たち」は作品の方向性を決めるものとして打ち出しており、「愛」をテーマとして本作を描いていることを福井は語っている[17]。
キャラクターデザインは結城信輝と山岡信一が前作から続投している[23]が、デザイン原案も担当していた出渕は本作に不参加となっている。
メカニカルデザイン・セットデザインに関しては、前作までに参加していた玉盛順一朗・石津泰志・山根公利・出渕・高倉武史・小林誠・渡部隆のうち、メインメカを担当していた玉盛と石津、艦内デザインを主に担当していた高倉は本作でも続投している[24]。その一方、一部航空機や戦車、艦・機内デザインなどを担当していた山根は参加していない。
小林は、デザイン関係ではクレジットされていないが、本作でも背景美術のイメージボートを描き起こしたり[39]、コスモタイガーI[40]やアンドロメダ級の空母型[41]などのデザインを担当したり、さらにはメカのカラーリングデザインを行ったりしている[42][43][注 4]。
玉盛と石津は主に旧作メカのリファインを担当。『2199』と同様、玉盛が地球側、石津が異星人側を担っている。しかし、旧作メカがほぼ全て登場した『2199』とは異なり、本作では地球側の巡洋艦や駆逐艦、ガトランティス側の潜宙艦や各種航空機など旧作メカの半分近くがオミットされてしまっている。特にガトランティスは『星巡る方舟』でおおよそのメカが登場済みであったため、本作で新たに石津が描き起こしたデザインは『2199』と比較するとだいぶ少ない。
一方で、本作新規のメカはほとんど小林がデザインを行っている。元々シナリオでは新規のメカをあまり登場させておらず[注 5]、小林のメカは多くは絵コンテなどの段階で小林自身が演出とセットで提案したものである。そのため、後述の第1話や第13話・第17話など小林デザインのメカが初めて活躍する回は、(主に戦闘シーンにおいて)元のシナリオ[47]から大きく改変されていることが多い。
新規メカでもノイ・デウスーラは石津のデザインであり(カラー設定は小林)、厳密には旧作メカ・新規メカといった区別というより、当初から登場が予定されていたメカ=玉盛・石津、後付けで登場が決まったメカ=小林という図式に近い。
本作では理屈や数値上の正しさよりも演出を優先して絵作りを行っている[48]。
人物の作画は『さらば』『ヤマト2』に寄せるためにも影のつけ方が変更され、『2199』とは異なるより硬派な印象を与えるものとなっている[49]。それは戦闘シーンにも反映されており、カットバックなどを入れ込むことで人物の心情を浮き彫りにしている[49]。また、艦船の見せ方については重量感を優先させることを徹底しているが、第1話で古代が乗っているゆうなぎだけは、彼が戦闘機乗りであることや、新政府へのわだかまりからやや捨て鉢になっていることを踏まえ、異質な描き方をしている[49]。
羽原が『復活篇』に参加していた当時、同作や『さらば』に参加していた湖川友謙と親交を持ったことから、彼が本作にも参加することとなり、第1話序盤でテレザート星の映像を煽り構図で眺めるズォーダーのカットの原画を担当した[49]。湖川はその後の話でもガトランティス側の原画を担当しており、第七章の劇場公開前には第1話への参加について「私の原画を修正しないということなら描くよ(笑)」との理由や、「彗星帝国側のキャラは私が全部作画してもいいよ」と羽原に返事したことを、明かしている[50]。
CG制作は前作までのSUNRISE D.I.D.から、『星巡る方舟』で3Dレイアウトを担当していたサブリメイションに代わっている[51][52]。それに伴い、制作用ツールが3ds MaxからLightWaveに替わっており、前作までの3Dモデルデータは、30 - 40個程度をLightWaveに合うように落とし込んで引き継いでいる[53][54]。エフェクト系は3ds Max独自の機能を使っているものも多く、単純なデータの流用がほぼできないため、データを一度分解して組み立て直すなど、前作までと同じ見た目のものを再現するのに苦労したという[54][注 6]。
上記の通り、演出や絵的な見栄えを優先しており、コスモタイガーIIに金田パースをオマージュした「バージョンK」と呼ばれる3Dモデルを用意したり[55]、戦艦を大きく引き伸ばして巨大感を出すように映したりしている[56]。また、爆発時の破片やパネルラインから漏れる光などには、After Effectsを用いた2D処理による補完を行っている[57]。
一方、前作まででメカ全般の表現・演出を担う「チーフメカニカルディレクター」を担当していた西井正典が本作には不参加となっており[注 7]、彼が担当していたCGに手描きでディテールを描き足す「ディテールアップ作画」も、本作では規模を縮小している[58]。代わりに、3Dモデルの段階でディテールを盛り込んでいく方針となっている[58]。
前述のとおり、本作はアイデアの取捨選択を前提として長いプロットが描かれており、各話脚本決定稿へ至るまでにもだいぶ内容が削られているが、一部の話は脚本決定稿以降にも大胆なシナリオの改変が行われている。
羽原は『2199』に対して、要素を詰め込み過ぎてメカを見せる尺が短くなったいう反省をしており、本作はセリフを可能な限り削ってメカ描写を優先させている[59]。その結果、脚本に存在していたキャラクター同士の掛け合いや戦況等の状況説明などをセリフで表現するシーンはかなり減らされており、さらに伏線や後の話に影響するセリフなどもいくつか無くなってしまっている[注 8]。セリフを削って分かりにくくなった部分があることは羽原自身も認識しており、分からないところはBD特別限定版特典の脚本をぜひ読んでほしいとインタビューで述べている[59]。
戦闘シーンにおいては、副監督の小林による演出アイデアも多く、例えば第1話ではニードルスレイブ・ガミラス臣民の壁を装備したゼルグート級・岩塊から出てくるカラクルム級などの要素[61]が、絵コンテ以降[注 9]の段階で追加されており、結果的に元の脚本から大きく流れが変化している部分もある[注 10]。
音楽は宮川彬良が前作から続投しており、音響監督も吉田知弘が続投している[23]。本作の劇伴 (BGM) も主に、旧作用に彬良の父の宮川泰が作・編曲したものを元にして彬良が改めて楽譜を起こした、再録音版である。『2199』と同じく旧作の譜面が現存していないため、宮川彬良は耳コピーで本作用の楽譜を新たに書き起こしたうえ、依頼されていない曲も作っている[63][64]。
1度目のレコーディングが開始されたのは2016年の11月下旬で、この時は計85曲が制作された[65]。そのうち、『さらば』『ヤマト2』のBGMの再録曲は約50曲で、元がバリエーション違いも含めて200曲以上に上り、すべてを再録することが不可能なため、この曲数に絞り込まれた[66]。その後、2017年8月にも収録が行われており[67]、11月以降にももう1回収録が予定されている[68]。
なお、原曲の作曲者である宮川泰は、第一章ではクレジットされていなかった[24][25]。
音響面での特徴として、本作の音響は2chステレオ(テレビ放送などで最も一般的な左右のスピーカーから音声を流すもの)で制作されているが、第二章以降の劇場上映時は3ch(左右および中央の計3つのスピーカーから音声を流すもの)に再編集している[69]。これは、第一章が『ガールズ&パンツァー 劇場版』とコラボ上映した際、吉田が同作の音響(ガールズ&パンツァー 劇場版#音響へのこだわりも参照)に触発され[注 11]、本作の音響を劇場用に調整しようと思ったため行われた[69][注 12]。3ch化作業は吉田が個人的に行っているもので、作業場所は彼の自宅であり、費用も自腹である[69]。そのため、この3ch音響版は、ビデオソフトには収録されておらず、通常の2chステレオのみとなっている[69]。
「第〇章」は劇場上映、無印はビデオソフト、「TV」はテレビ放送時の使用話数。
# | タイトル | 絵コンテ | 演出 | 総作画監督 | 作画監督 |
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第1話 | 榎本明広 | 加戸誉夫 | - | 前田明寿、髙木弘樹 | |
地球・ガミラス連合艦隊は、占拠されたガミラス基地奪還のため、ガトランティス艦隊と交戦する。その中には、古代進が艦長を務める戦艦「ゆうなぎ」もいた。敵カラクルム級戦闘艦の攻撃によって連合艦隊は劣勢に陥るが、地球の最新鋭艦「アンドロメダ」が発射した拡散波動砲によって敵艦隊は壊滅する。イスカンダルとの約束を反故にされたと知って古代たちが憤る中、轟沈を辛うじてまぬがれたカラクルム級が帰還する地球艦を追って地球圏へワープし、都市部への特攻を試みる。ゆうなぎの追撃の甲斐もなく敵艦は地球へ墜落していくが、海底ドック内で真田志郎たちによって改装されていた「ヤマト」が発射した主砲によって敵艦は撃沈され、地球は危機をまぬがれる。その直後、古代の前にヤマト艦長・沖田十三の幻影が現れ、「ヤマトに乗れ」と語りかけてくる。 | |||||
第2話 | アミノテツロ | 上坪亮樹 | - | 高見明男 | |
沖田の命日である2202年12月8日、地球ではアンドロメダ級4隻の進宙式が行われており、英雄の丘に集った元ヤマト乗組員たちは、軍拡路線の地球の復興政策に違和感を覚える。さらに、森雪を除く全員が「ヤマトに乗れ」と告げられる幻覚を見ていたことを知る。後日、古代と島大介は幻覚を見せたエネルギーの解析データを真田から見せられる。それは、宇宙の彼方で助けを求める何者かのメッセージだった。古代は助けに行くべきと主張するが、乏しい根拠では軍は動かないと島に諭される。複雑な思いを抱えながら地下都市を訪れた古代は、そこで出会ったガミラスの地球駐在武官クラウス・キーマンに、元ヤマト乗組員全員が監視されていることを教えられる。古代はキーマンに導かれ、地球大使ローレン・バレルに会うため、ひそかに月面大使館へ向かう。 | |||||
第3話 | 二瓶勇一 | 川崎ゆたか | - | 前田明寿、齊藤格 | |
バレルと密談した古代はテレザート星と女神テレサの神話を聞かされ、ヤマト乗組員はテレザートに向かわなければならない旨を告げられる。さらに、コスモリバースシステムの副作用によって地球に生じた、時間の流れが異なる空間「時間断層」の存在と、それを利用した地球の軍備拡張、および地球とガミラスの同盟の裏事情を知らされる。テレザートへの調査航海を上層部に打診するも却下された古代は、仲間と共にヤマトの無断発進を決意する。その一方で、雪を巻き込みたくないという思いから彼女に地球に残ってほしいと告げるが、幻の件も含めて苦悩していた雪は婚約指輪を残し、去ってしまう。その頃、太陽系辺境の第十一番惑星は、ガトランティス艦隊に襲撃されていた。 | |||||
第4話 | 加戸誉夫 | - | 髙木弘樹、前田明寿、石原満 | ||
旧ヤマト乗組員が集結し、古代を艦長代理としてヤマトの発進準備を進める。軍長官の藤堂平九郎の説得を受けるが、決意を固めるヤマト乗組員は誰一人として応じず、準備が整えられていく。武装兵による妨害や彼らとの交戦によって山崎奨ら4名の残留者を出しながら、ヤマトは発進に成功する。 | |||||
第5話 | 中村里美 | 矢野孝典 | - | 高見明男 | |
小惑星帯までたどり着いたヤマトへ元ヤマト航空隊員が合流するが、そこにキーマンもアドバイザーとして乗艦してくる。その直後、軍の命令を受けたアンドロメダがヤマトを阻止するために接近し、アンドロメダ艦長の山南修の説得を拒否した古代たちはアンドロメダとの一騎討ちに挑み、強行突破する。やがて、地球連邦大統領と交渉したバレルによってヤマトの反乱容疑は晴らされ、正式にテレザート星への派遣任務を受ける。 | |||||
第6話 | 榎本明広 | 星野真 | - | 小林千鶴、石原満、前田明寿 | |
ガトランティスの攻撃で壊滅した第十一番惑星は、司令官の土方竜の降伏申請も一蹴され、今なお攻撃を受け続けていた。一方、交戦を続ける空間騎兵隊は、隊員の永倉志織を救援要請のために脱出させる。救助した永倉から事情を聞いたヤマトは、テレザートへの航海を優先するよう軍上層部に指示されるも救援を決意し、第十一番惑星に向かう。ヤマトは避難民を収容して脱出を図るが、ワープアウトしてきたカラクルム級数隻による巨大なビームが惑星の地表を薙ぎ払い、その閃光に呑み込まれる。 | |||||
第7話 | 加戸誉夫、羽原信義 | 小谷野竜成 | - | 髙木弘樹 | |
瓦礫に埋もれつつも、ヤマトは辛うじて生き延びる。しかし、上空では無数のカラクルム級がワープアウトしてきており、第十一番惑星の人工太陽をエネルギー源とした兵器で地球を狙っていることが判明する。古代は波動砲の使用について苦悩した末、人工太陽を波動砲で撃ち抜いて特殊な干渉波を発生させ、敵艦隊をすべて行動不能にしたうえで撤退を呼びかけるという選択をする。波動砲を使いながらも、一切の犠牲を出さずに地球を救ってみせたことに対し、古代は自己欺瞞だと理解しつつも、そこから歩み始めることを決める。 | |||||
第8話 | 上坪亮樹 | - | 前田明寿、石原満、小林千鶴、千葉充 | ||
救助した土方や空間騎兵隊、避難民などを抱えたヤマトは、避難民を地球へ向かうガミラス艦に託すため、惑星シュトラバーゼに向かう。その途中、密航していた雪と再会した古代はわだかまりが解けず、彼女に避難民の引率を命じてしまう。ヤマトはシュトラバーゼでガミラス艦3隻と合流するが、そこへガミラスの反乱軍が襲撃してくる。その混乱の中、キーマンはガミラス艦乗員から渡された「反波動格子」と呼ばれるものを、密かに波動エンジンに仕掛けていた。一方、無断でヤマトを出奔した避難民の1人であるレドラウズ教授を連れ戻しにアケーリアス遺跡を訪れた古代は、そこで教授を操るガトランティスの大帝ズォーダーと出会う。 | |||||
第9話 | 加戸誉夫、羽原信義 | 伊藤浩 | 前田明寿 | 渡辺浩二 | |
土方の臨時指揮下でヤマトは反乱軍と交戦していたが、敵の予想以上の火力に、惑星が崩壊し始める。一方、古代と対面したズォーダーは、自種族が人為的に作り出された人造兵士であるという出自や、宇宙を支配する大義を語る。そして、古代の持つ愛がエゴであると示すため、3隻すべてのガミラス艦の避難民の中に、ガトランティスの人間爆弾が紛れていることを明かし、1隻だけ選んで助けろと迫る。罪悪感を抱えつつも雪の乗る艦を選ぼうとする古代に対し、雪は彼を苦しませず自身を選択要素から外そうと艦から身を投げ、古代は選択を放棄して雪を助けに行く[83]。その行為に憤ったズォーダーは3隻とも墜落させようとするが、ヤマトは全員を助けようと、崩壊する惑星内核へ波動砲を撃つ。古代が雪に求婚する中、2人は波動砲の命中した惑星内核から弾き出され、救われる。 | |||||
第10話 | アミノテツロ | 川崎ゆたか | - | 高見明男 | |
テレザートへの行程の3分の1を消化したヤマトの進路上には敵本星と思しき白色彗星があり、そのまま進むか引き返して出直すかの選択に迫られる。そんな中、いくつもの問題を抱えたことにより、古代は心身共に疲労してしまう。催眠効果を持つ宇宙ホタルの騒動の後、テレサからの2度目のメッセージが届き、古代は沖田の幻影に励まされる。そして、空間騎兵隊なども含めたヤマト乗組員一同は、虚空に浮かぶテレザート星とテレサの姿を目撃する。古代たちは決意を固め、テレザートへ再び進み始める。一方、ガトランティスではシュトラバーゼでヤマトが見せた「執念」というものを知るべく、ズォーダーがかつてのガミラス総統デスラーに艦隊を与えていた。 | |||||
第11話 | 二瓶勇一 | 孫承希 | - | 高見明男、髙木弘樹、岡辰也 | |
デスラーは監視役であるミルを伴い、ヤマトとの戦闘に入る。敵の正体もわからないままミサイルの波状攻撃に曝されたヤマトはワープで逃走するが、異空間へ迷い込んでしまい、デスラー艦隊の追撃に遭う。ヤマトは異空間内にあったアケーリアスの遺跡とデスラー砲のエネルギーを利用して再度ワープを行い、辛くも逃走に成功する。一方、デスラーの真の狙いはヤマトの撃破ではなく、ヤマトとの戦闘を隠れ蓑に異空間を利用してガトランティスの監視から外れることであり、戦闘後にガミラスの旧体制派の艦隊と合流し、ミルを拘束する。 | |||||
第12話 | 寺岡巌 | 矢野孝典 | - | 石原満、小林千鶴、前田明寿 | |
ヤマトに残留するかつてのレドラウズの助手にしてガトランティスのスパイだった桂木透子は疑惑の目を向けられ、艦内からの逃走を図る。その時、テレザートから吸い上げたエネルギーでワープした白色彗星がヤマトの前面に出現する。ヤマトは強力な重力波によって彗星内部に引きずり込まれ、そこで核と思わしき惑星規模の物体の影を目撃する。そんな中、白色彗星を操る白銀の巫女・サーベラーは、桂木との共鳴を起こす。桂木とサーベラーは、どちらもオリジナルの「サーベラー」のコピーである「純粋体」であった。共鳴の結果、封じられていたオリジナルの記憶を取り戻したサーベラーはズォーダーのことを諭すが、彼の手によって殺される。その隙に乗じ、ヤマトは白色彗星からの離脱に成功する。 | |||||
第13話 | 岩崎知子 | 伊藤浩 | 高見明男、前田明寿 | 島崎望 | |
ヤマトの捕虜となった桂木は、波動砲を対人使用しない古代を偽善者と嘲る。その後、ついにヤマトはテレザート星へ到達するが、テレザートは岩盤による封印作業が最終段階に入りつつあり、最後の岩盤を挟んで内側にテレザート直掩艦隊、外側にゴーランドのミサイル艦隊が布陣していた。小ワープで岩盤の裏に回り込み、波動砲で岩盤を破壊してゴーランド艦隊を牽制しつつ敵艦隊を撃滅しようとするヤマトは、発射された「破滅ミサイル」によって窮地に陥る。急遽作戦を軌道修正し、波動砲による直接撃破が決定されるが、古代は波動砲の対人使用に最後の踏ん切りをつけられずにいた。そんな古代に対し、島ら他の乗組員たちは一丸となって波動砲発射の重荷を背負うことを宣言する。そして波動砲は発射され、ゴーランド艦隊を撃破する。 | |||||
第14話 | 二瓶勇一 | 小谷野竜成 | - | 前田明寿、髙木弘樹、山岡信一 | |
空間騎兵隊はテレザート星の地上においてザバイバルの陸戦師団と交戦した末、メダルーサ級改造戦車や反射衛星砲に辛勝し、斉藤はザバイバルを一騎打ちの末に倒す。封印を解除し、惑星中心部「テレザリアム」でテレサと邂逅した古代たちに、テレサは白色彗星の正体が古代アケーリアスの残した破壊システムであること、それをガトランティスが目覚めさせて利用していることを明かす。その攻略のヒントを求める古代にテレサが「『大いなる和』たるヤマトを中心とした『縁』の力が白色彗星を止めるだろう」と告げたそこへ、縁でつながった者の1人としてデスラーが現れる。 | |||||
第15話 | アミノテツロ | 大槻敦史 | - | 髙木弘樹、石原満 | |
古代たちに対し、デスラーはテレサを取引材料にしてガトランティスと交渉することを述べる。一方、テレザート上空ではデスラー艦隊がヤマトと対峙していた。ヤマトは古代たちとコンタクトを取るため、自らを囮にしてキーマンを上陸させる。テレザリアムに着いたキーマンはデスラーと対峙し、自分がデスラーの甥であることを告げる。さらに、かつてガミラスが進めた拡大政策の裏には、寿命が近いガミラス星と同じ環境を持つ移住可能惑星の発見という真の目的があり、デスラーがいまだその目的のために邁進していることが明かされる。そして、デスラーに誘われたキーマンは、古代に向けて銃を撃つ。 | |||||
第16話 | 実原登 | 川崎ゆたか | - | 前田明寿、山根まさひろ | |
古代たちはデスラー艦内に囚われ、ヤマトもキーマンの反波動格子によって機関が停止し、デスラー艦隊に包囲される。キーマンは旧体制派のスパイとして、テレサの力を手に入れるためにヤマトに同乗していたという。旧体制派の首魁と通信した後、自身が進む道に悩んだキーマンやデスラーは、テレサのもとを訪れる。テレサは、キーマンに「考えるのではなく感じたことに従え」、デスラーに「誰かを大切に思う気持ちがある限り、民を率いる資格がある」と告げる。その後、キーマンは反波動格子を停止させ、古代たちを解放する。キーマンの真の立場は、旧体制派の首魁の正体を突き止める任を負った二重スパイだった。役目を終えたキーマンは、自身の感情に従って古代たちを連れ、ヤマトへ帰還する。その直後、テレサはすべての縁が整ったとして、テレザート星とともに再び姿を消す。デスラーはテレザートの消失を見届けると、旧体制派の艦隊に合流する。テレサの願いを託されたヤマトは、ガトランティスを止めるべく地球への帰途につく。 | |||||
第17話 | 二瓶勇一 | いとがしんたろー | 結城信輝、髙木弘樹、石原満 | 名倉智史 | |
ガトランティスの侵攻を目前にした地球では、時間断層内において人類生存の要となる技術の開発が進められていた。一方、地球への帰途を急ぐヤマト艦内においても、反波動格子を利用した「トランジット波動砲」という強力な兵器の開発が開始される。そして、サーベラーが復活したガトランティスは地球への本格的な侵攻作戦を開始し、土星圏においてバルゼー率いるガトランティス艦隊と、山南率いる地球艦隊の戦端が開く。その頃、不治の病を患う息子のことで苦悩するヤマト航空隊長・加藤三郎のもとへ、息子を助ける方法を知りたければ桂木に会うようにというメッセージが送られてくる。 | |||||
第18話 | 麻宮騎亜 | 小谷野竜成 | - | 結城信輝 | |
大多数の波動砲搭載艦をもってバルゼー艦隊と渡り合う地球艦隊の異常な物量を調査し、時間断層の存在を知ったガトランティスは、白色彗星を土星圏へワープさせる。地球艦隊は彗星に対して波動砲の斉射を敢行するが、吹き飛ばしたガス帯の中から、巨大な都市帝国が出現する。都市帝国の超重力によって地球艦隊は壊滅し、アンドロメダは離脱に成功するも満身創痍となる。太陽系へ到達したヤマトはトランジット波動砲で都市帝国を打倒しようとするが、ガトランティスから息子の病を治す薬の情報を条件に取引させられた加藤が反波動格子を起動させたことで機関を停止させられ、都市帝国へ落ちていく。 | |||||
第19話 | 二瓶勇一 | 飯村正之 | 前田明寿 | 石原満、山根理宏 | |
乗組員を脱出させ、ヤマトは白色彗星の中へと消えた。進撃を再開した彗星の前に、ヤマトの同型艦である波動実験艦「銀河」を中心とした地球・ガミラス連合艦隊が立ちふさがる。銀河はAIによる高度な自立制御を備える無人艦隊の先駆けであり、ヤマトから受け継いだコスモリバースシステムを用いた友軍艦の波動エンジンの増幅・制御によって敵の進攻を食い止める。しかし、指揮AIの下す合理的ながらも非情な戦術と、それを是とする銀河乗組員に、ヤマト乗組員は困惑を深める。一方、脱出できなかった一部の乗組員を乗せたヤマトは、彗星内にある謎の惑星へと墜落していた。 | |||||
第20話 | 岩崎知子 | 球野貴裕 | 前田明寿、結城信輝 | 千葉充、常盤健太郎 | |
ヤマト墜落時のアクシデントにより、雪が失っていた記憶を取り戻すが、代わりにこの4年の記憶を失ってしまい、古代は絶望する。キーマンたちは墜落した惑星にある遺跡を調査し、そこで遺跡の語り部と出会う。そして、ここがガトランティス発祥の地である「ゼムリア」という星であることが明らかとなる。約1000年前、ガトランティスの中で人間と相違ない高度な知性を有していたズォーダーは、ゼムリア人のサーベラーと愛を育んでいた。しかし、ゼムリアとガトランティスの戦争の中で、ゼムリアの作戦と自らの選択によって妻子を失い、「人類」と「愛」に絶望。人類を裁くために、サーベラーのコピーを巫女として、滅びの方舟(後の都市帝国)を目覚めさせたのだった。ヤマトが語り部と接触している頃、白色彗星は銀河艦隊を突破し、火星圏へとワープした。 | |||||
第21話 | 大倉雅彦、羽原信義 | 小谷野竜成 | 前田明寿 | 乘田拓茂 | |
語り部によって、あらゆる人造生命を死滅させる装置「ゴレム」の存在が明らかになる。しかし、それを察知したガトランティスはゼムリアを破壊しようとし、ヤマトは脱出を図らざるを得なくなる。一方、地球・ガミラス艦隊は、時間断層による絶え間ない戦力補充を頼みに、奮戦を続けていた。その中で、山南の乗る「アンドロメダ改」が彗星中心部へ突撃していき、そこでヤマトを発見する。同じ頃、銀河は指揮AIの判断により、地球人種を他の惑星で存続させる「G計画」を発動しようとしていた。AIはヤマト救出よりもG計画を優先しようとするが、銀河艦長・早紀によってAIは破壊され、銀河は火星圏へと進出。アンドロメダ改と銀河の活動により彗星の重力核は破壊され、ヤマトは白色彗星から脱出に成功する。 | |||||
第22話 | 平川哲生 | 中原れい | - | 結城信輝 | |
補修と応急改装を受けたヤマトは、ガトランティスとの決戦へと出発する。一方デスラーは、ガトランティスからガミラス民族の存亡を取引材料にされ、ヤマトを待ち受けていた。ヤマトに対しノイ・デウスーラのデスラー砲が放たれるが、直前に発光信号も送られており、これを見たキーマンの進言によりヤマトは小ワープで攻撃を回避。後顧の憂いを絶つためにヤマトはノイ・デウスーラへ強行接舷し、白兵戦を挑む。ノイ・デウスーラの艦橋において、デスラーとキーマンは対峙するが、そこへ現れたミルがデスラーを撃ち、キーマンに地球とガミラスの命運を対価にデスラーを殺すよう促した。 | |||||
第23話 | 二瓶勇一 | 常盤健太郎 | 前田明寿 | 石原満・山根理宏・山岡信一 | |
ズォーダーの幼生体であり、やがて歴代ズォーダーの記憶を受け継いで大帝となる立場にあるミルは、その前に自身で人間を見極めようとしていた。感覚を共有するズォーダーが見つめる中、ミルはキーマンに選択を促すが、寸前で現れた古代に阻止される。古代は憎しみの連鎖を断ち切るため、自身の投降と和平交渉をミルに申し出る。ミルとズォーダーは怒りを見せて彼を撃つが、そこへ雪が立ち塞がって古代を庇う。記憶が無いはずの雪のその行為に人間の未知の可能性を見たミルは、和平交渉に応じる姿勢を見せ始める。しかし、デスラーの救出に駆け付けた親衛隊によってミルは射殺され、和平の可能性は潰えてしまう。もう戦いは止まらないと覚悟した古代は、桂木に協力を願い出る。そして、白色彗星は地球圏へと到達した。 | |||||
第24話 | 岩崎知子 | 中原れい | 前田明寿 | 乘田拓茂・千葉充 | |
地球へ近づく白色彗星の前にヤマトが出現し、トランジット波動砲で都市帝国を半壊させる。バレル率いるガミラス艦隊の援護の下、都市帝国中枢に到達したヤマトは、桂木の協力でゴレムへの道を突き進む。徳川や加藤、桂木など多くの犠牲を払いつつ、古代達はズォーダーの下へと辿り着く。大帝玉座の間での戦闘の中、古代はズォーダーに対し、「人間」であるなら話し合えると説得する。その最中、先代ズォーダーであるガイレーンがズォーダーを流れ弾から庇って死亡する。崩れ落ちる彼を思わず抱きかかえたズォーダーは、自身を「人間」であると認めるが、その直後ゴレムを起動した。 | |||||
第25話 | 麻宮騎亜 | 小谷野竜成 | 前田明寿 | 石原満、山根理宏、那花優統 | |
ゴレムによってガトランティス人は全滅するが、ズォーダーだけは死ななかった。自身を人間と認識したズォーダーは、サーベラーに代わって自ら滅びの方舟を操り始める。斉藤やキーマンの犠牲も虚しく、滅びの方舟は新たな形態へと進化を遂げ、地球を破壊するために動き始める。敗北を悟った古代は、自分1人を残して乗組員を退艦させ、激しい損傷で波動エンジンが臨界寸前のヤマトを特攻させることで、地球人が逃げ延びる時間を稼ごうとする。古代の考えを見抜いて残った雪とともに、2人はヤマトで滅びの方舟へと向かっていく。その時、暴走した波動エンジンによって高次元世界への穴が開き、テレサが現れる。それはヤマトが結んだ多くの縁の結果だった。そして、テレサを宿したヤマトは宇宙の彼方へ消え、閃光が宇宙に広がった。 | |||||
最終話 | アミノテツロ | 羽原信義 | - | 結城信輝 | |
ガトランティスとの戦争から半年後、消滅したはずのヤマトが時間断層から浮上してくる。ヤマトは時間断層のさらに奥にある高次元世界への辺端とも言える場所より帰還し、そして古代と雪がその世界に生きたまま取り残されていることが明らかとなる。真田達は時間断層を代価に2人を救出する案を考え、決断を国民投票に委ねる。一方、高次元世界では、先の戦いの余波で時の流れが停滞し始めていた。時間と空間は人の想いが紡ぐものであり、強すぎる想いは未来への流れを歪めてしまう。時の異常の原因は戦いに後悔し、戦わない未来を見つけられず立ち止まってしまった古代だった。そんな古代の下へ、全ての記憶を取り戻した雪が現れ、彼に手を伸ばす。古代が雪と育む小さな未来を見つけたことで、時の流れは正された。そこへ、2人を迎えにヤマトが現れる。2人を乗せ、ヤマトは地球へと帰還した。 |
『2199』同様、全7章で、少数の劇場で特別上映が行われた。上映館は、『2199』第七章時の16館から、本作第一章では配給元である松竹傘下のMOVIX系列が2館、他系列館が1館の計3館が除外された代わりに、他系列館が2館追加され、全15館となっていた[84]。さらにその後、第二章では20館[85]、第三章では25館[86]、第四章では29館[87]、第五章では35館[88]へと増えている。都道府県別では、第一章では『2199』から兵庫県が除かれて1県少ないエリアだった[84]が、その後、第二章で3県[85]、第三章・第四章でそれぞれ2県ずつ[86][87]、第五章で3県[88]追加され、現在21都道府県となっている。
上映期間は当初『2199』と同じ2週間だったが、第二章で一部劇場[89]、第三章で全劇場が3週間へと上映期間を増やし[86]、さらに第四章では一部劇場が4週間上映となっている[90]。
また、『2199』と同様、封切に先駆けてYouTubeのバンダイビジュアルのチャンネルにて本編の冒頭映像が配信されている[91][92]。
特別上映版は数話分まとめ「第〇章」という形になっているため、本編以外の部分で地上波テレビ放映版とはフォーマットが微妙に異なる(第2章以降は上映開始冒頭に前章までのダイジェスト映像が流れる、など)。後にテレビでもWOWOWプライムで特別上映版が放送されたほか、2021年3月には特別上映版仕様のセルソフトがリリース予定。
章題 | 話数 | 封切日 |
---|---|---|
第一章「嚆矢篇」 | 第1話 - 第2話 | 2017年 2月25日[93] |
第二章「発進篇」 | 第3話 - 第6話 | 6月24日[94] |
第三章「純愛篇」 | 第7話 - 第10話 | 10月14日[95] |
第四章「天命篇」 | 第11話 - 第14話 | 2018年 1月27日[96] |
第五章「煉獄篇」 | 第15話 - 第18話 | 5月25日 |
第六章「回生篇」 | 第19話 - 第22話 | 11月2日 |
第七章「新星篇」 | 第23話 - 第26話 | 2019年 3月1日 |
封切日の前に、一部劇場において舞台挨拶を含めた特別先行上映が行われている。
下記の最速先行上映のほか、第一章と第二章では首都圏外の劇場で行われる「男たちの完成報告行脚」[97][98]、第四章では「第一章〜第四章 イッキ見爆音オールナイト上映会」[99]といった、振り返り上映と合わせた先行上映も開催されている。
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [108] | 備考 |
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2018年10月6日 - 2019年3月30日 | 土曜 1:23 - 1:53(金曜深夜) | テレビ東京 | 関東広域圏 | |
土曜 2:05 - 2:35(金曜深夜) | テレビ愛知 | 愛知県 | ||
土曜 2:10 - 2:40(金曜深夜) | テレビ大阪 | 大阪府 | ||
2019年1月7日 - 7月1日 | 月曜 1:25 - 1:55(日曜深夜) | 中国放送[109] | 広島県 |
テレビ東京 土曜 1:23 - 1:53(金曜深夜) 枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
イナズマイレブン アレスの天秤
(再放送) |
宇宙戦艦ヤマト2202
愛の戦士たち |
2021年6月11日に『2199』『2202』の総集編が公開された。その後には続編にあたる『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』の劇場公開およびBD発売が予定されている。
『宇宙戦艦ヤマト』という時代 西暦2202年の選択 | |
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監督 |
佐藤敦紀(ディレクター) 福井晴敏(構成・監修) |
脚本 |
皆川ゆか 福井晴敏 岡秀樹(脚本協力) |
原作 | 西﨑義展 |
製作総指揮 | 西﨑彰司(製作総指揮・著作総監修) |
音楽 |
宮川彬良 宮川泰 |
製作会社 | studio MOTHER |
配給 | 松竹ODS事業室 |
公開 |
![]() |
上映時間 | 120分 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
次作 | 宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち |
2020年2月に開催されたイベント「『宇宙戦艦ヤマト2202』コンサート2019 Blu-ray 発売記念!愛のフィルムコンサート」にて正式な題名が公表された。制作は「studio MOTHER」が担当する。
前作『2199』の劇場版総集編『追憶の航海』のような物語の凝縮的内容とは異なり、福井に言わせると、ドキュメンタリー(的な要素を多分に含んだ内容)となるとのこと[110][111]。
当初は2020年内公開予定[112]を経て2021年1月15日公開予定だったが、同年1月8日には新型コロナウイルスの感染拡大の影響による公開延期が発表され、上映館でのBD特別限定版やデジタルセル版の発売も延期された[113]。また、1月22日には一般発売も延期された[114]。その後、3月15日には6月11日に全国36館での公開、同日にBD特別限定版やデジタルセル版の発売、8月27日に一般発売とレンタル配信がそれぞれ決定した旨が報じられた[115]。
2021年6月11日には劇場公開となり、『2205』の劇場公開日が同年10月8日に決定したことや全2章構成であること、新キャストが発表された[116]。同年6月12日には新宿ピカデリーにて上映記念舞台挨拶が開催され、福井のほか、山寺宏一・桑島法子・中村繪里子・佐藤敦紀が登壇した[117]。
2021年8月9日には『2205』の本予告編と本作の冒頭約22分が、YouTubeにてそれぞれ公開された[118]。
バンダイビジュアル(第5巻以降はバンダイナムコアーツ)から、エモーションのレーベルで販売。『2199』と同様、一般発売の前に先行上映劇場においてBDの特別限定版[注 15]が数量限定で先行販売された[120]。
巻 | 発売日 | 収録話 | 品番 | |||
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劇場先行 | 一般 | BD特別限定版 | BD | DVD | ||
1 | 2017年2月25日 | 2017年3月24日 | 第1話 - 第2話 | BDOT-0253 | BCXA-1204 | BCBA-4817 |
2 | 2017年6月24日 | 2017年7月28日 | 第3話 - 第6話 | BDOT-0254 | BCXA-1205 | BCBA-4818 |
3 | 2017年10月14日 | 2017年11月24日 | 第7話 - 第10話 | BDOT-0255 | BCXA-1206 | BCBA-4819 |
4 | 2018年1月27日 | 2018年2月23日 | 第11話 - 第14話 | BDOT-0256 | BCXA-1207 | BCBA-4820 |
5 | 2018年5月25日 | 2018年6月22日 | 第15話 - 第18話 | BDOT-0257 | BCXA-1208 | BCBA-4821 |
6 | 2018年11月2日 | 2018年12月21日 | 第19話 - 第22話 | BDOT-0258 | BCXA-1209 | BCBA-4822 |
7 | 2019年3月1日 | 2019年4月26日 | 第23話 - 第26話 | BDOT-0259 | BCXA-1210 | BCBA-4823 |
BCXA-1428[注 16] | BCBA-4941[注 16] |
前述したとおり、2021年3月26日(金)に特別上映版仕様の本作を収録したBlu-rayBOXが発売予定(品番 BCXA-1560)。音声特典として、上映時に使用した3ch音声への切り替えが可能。映像に同期した日本語字幕も表示可能。
ボイジャーレーベルで、ランティスが発売元、バンダイビジュアルが販売元となるCDが発売されている[122]。その後両社は経営統合されて現在のバンダイナムコアーツとなっている。
タイトル | 発売日 | 品番 |
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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」主題歌シングル「月の鏡」 | 2017年10月11日 | LACM-14665 |
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」オリジナル・サウンドトラック Vol.1 | 2018年1月24日 | LACA-15686 |
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」主題歌シングル「君、ヒトヒラ / CRIMSON RED / 宇宙戦艦ヤマト2202」 | 2018年1月24日 | LACM-14708 |
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」主題歌シングル「大いなる和 / ようらんか」 | 2018年10月31日 | LACM-14810 |
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」オリジナル・サウンドトラック Vol.2 | 2019年3月2日 | LACA-9667〜9668 |
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」主題歌集 | 2019年3月2日 | LACA-15777 |
福井晴敏(ストーリー)、皆川ゆか(小説)、むらかわみちお(挿絵)による書き下ろしの公式ノベライズが、KADOKAWAより、2017年秋から順次刊行開始。
アニメ版を下敷きとしつつ、アニメ本編で省略された設定・描写[注 17]や、後述の外伝小説の内容が盛り込まれ、それ以外にも登場人物の言動や世界観の説明に関してより掘り下げた描写が差し込まれるなど、アニメ本編の内容が補完されている。ただし、各単行本の冒頭で、設定がアニメ版と異なっている点もあると注意書きされている。
さらに、『月刊ニュータイプ』にも、同じく皆川による外伝小説が掲載されている。こちらはアニメ版の外伝という体裁となっている。以下は一覧。
タイトル | 掲載誌 | 内容の概略 |
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外伝I ガミラス万歳(ガーレ・ガミロン) | 月刊ニュータイプ2017年3月号[127] | キーマン視点での地球の現状 |
外伝II 島不機嫌之介 | 月刊ニュータイプ2017年8月号[128] | アニメ第4話における島の苦悩と回想 |
外伝III 誰かの特別 | 月刊ニュータイプ2018年3月号[129] | アニメ第14話における、航空隊員・鶴見二郎の語り |
Amazon.co.jp限定のBDおよびDVDに数量限定の特典として、ドラマCD『誰も聞いてはならぬ裏ヤマト』が付属している。福井晴敏の書き下ろし脚本。
本編の世界観や設定は共有されているものの、内容は全編ギャグ調で展開されており、各章のタイトルも往年の人気テレビ番組やフレーズをもじったものとなっている。音響監督は本編同様に吉田知弘が担当。
各章の公開約1週間前に放送される特別番組。『2199』を含む前章までのダイジェスト、本編冒頭映像、キャストインタビューなどが放送されている。