宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約 | |
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通称・略称 | 宇宙損害責任条約 |
署名 | 1972年3月29日 |
署名場所 | ロンドン、モスクワ、ワシントン |
発効 | 1972年9月1日 |
寄託者 | イギリス政府、ロシア連邦政府、アメリカ合衆国連邦政府 |
文献情報 | 昭和58年6月20日官報特別号外第10号条約第6号 |
言語 | 英語、ロシア語、フランス語、スペイン語、中国語 |
主な内容 | 宇宙物体の落下等に伴い発生する損害に関し、賠償の責任を負うべき国、賠償の責任に関する原則、賠償の請求を行うことのできる国、賠償の請求の手続、賠償額の算定基準、外交交渉による解決が得られなかった場合に設置する請求委員会の組織および権限等について。 |
関連条約 | 宇宙法 |
条文リンク | 条約検索 (PDF) - 外務省 |
宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約(うちゅうぶったいによりひきおこされるそんがいについてのこくさいせきにんにかんするじょうやく、英:The Convention on International Liability for Damage Caused by Space Objects、英略称:Liability Convention)は、宇宙法を構成する5条約の1つ。
打ち上げ国が宇宙物体によって何らかの損害を引き起こした場合、打ち上げ国は無限の無過失責任を負うことを定める。宇宙条約第6条・7条の規定を具体化したもの。
略称は宇宙損害責任条約。
1971年11月29日に採択された第26会期国際連合総会決議2777号で、1972年9月1日に発効した。
第2条、第3条で規定。打上げ国は、自国の宇宙物体が地表において引き起こした損害、又は飛行中の航空機に与えた損害につき無過失責任を負い、損害が地表以外の場所において引き起こされた場合には、その損害が自国の過失又は自国が責任を負うべき者の過失によるものであるときに限り責任を負う。
第4条で規定。損害が、1の打上げ国の宇宙物体・物体内の人・財産に対して、他の打上げ国の宇宙物体により地表以外の場所において引き起こされ、その結果、損害が第三国又に対して引き起こされた場合には、これらの打上げ国は、当該第三国に対し、次に定めるところにより連帯して責任を負う。
第5条で規定。2以上の国が共同して宇宙物体を打上げる場合には、これらの国は、引き起こされるいかなる損害についても連帯して責任を負う。
第6条で規定。損害の全部又は一部が、請求国の重大な過失又は作為若しくは不作為に引き起こされたことを打上げ国が証明した場合には、その限度において無過失責任が免除される。ただし、打上げ国の活動であって、国際法(国際連合憲章、宇宙条約を含む)に適合しないものにより損害が引き起こされる場合には、いかなる免責も認められない。
第7条で規定。この条約の規定は、打上げ国の宇宙物体により次の者に対して引き起こされた損害については適用されない。
第8条で規定。損害を被った国は、当該損害の賠償につき、打上げ国に対し請求を行うことができ、被損害国が請求を行わない場合には、他の国が、その領域において被った損害につき、打上げ国に対し請求を行うことができる。
2012年12月12日現在での締約状況は次の通り[1]。
(アルファベット順)
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