容疑者Xの献身 | ||
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著者 | 東野圭吾 | |
発行日 | 2005年8月30日 | |
発行元 | 文藝春秋 | |
ジャンル | ミステリ、推理小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 四六判上製カバー装 | |
ページ数 | 360 | |
受賞 |
第6回本格ミステリ大賞 第134回直木三十五賞 『本格ミステリ・ベスト10 2006年版』 『このミステリーがすごい!2006』 『2005年「週刊文春」ミステリベスト10』 2006年本屋大賞4位 | |
前作 | 予知夢 | |
次作 |
ガリレオの苦悩 聖女の救済(同時刊行) | |
公式サイト | books.bunshun.jp | |
コード |
ISBN 978-4-16-323860-9 ISBN 978-4-16-711012-3(文庫本) | |
ウィキポータル 文学 | ||
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『容疑者Xの献身』(ようぎしゃエックスのけんしん)は、東野圭吾の推理小説。ガリレオシリーズ第3弾。2003年から文芸誌『オール讀物』に連載され、2005年8月に文藝春秋より出版された。2008年8月には文春文庫より文庫化された。
第6回本格ミステリ大賞、第134回直木三十五賞受賞作。そして日本人として史上2度目となるエドガー賞候補となった(受賞は逃した)。また、国内の主要ミステリランキングである『本格ミステリ・ベスト10 2006年版』『このミステリーがすごい!2006』『2005年「週刊文春」ミステリベスト10』においてそれぞれ1位を獲得し、3冠と称された(のちに前出の2賞を取り、最終的に5冠となった)。
2008年にテレビドラマ『ガリレオ』の劇場版として映画化されており、2012年に韓国版、2017年に中国版、2023年にインド版としてそれぞれ映画化されているほか、舞台劇にもなっている。
弁当屋で働く評判の美人、花岡靖子は一人娘の美里と仲良く暮らしていた。ある日、2人が暮らすアパートへ靖子の元夫である富樫慎二が彼女達の居所を突き止め訪ねてくる。どこへ引っ越しても疫病神のように現れ、暴力を振るい金を無心する富樫を、靖子と美里は揉み合いの末に殺してしまう。今後の成り行きを想像し呆然とする母子に救いの手を差し伸べたのは、隣人の天才数学者・石神だった。彼は自らの論理的思考に基づき、警察の捜査から逃れられるよう的確な指示を出す。
そして3月11日、旧江戸川で男性の遺体が発見される。警察は証拠品から遺体を富樫と断定し花岡母子に目をつけるが、2人の完璧すぎるアリバイを前にして捜査は難航する。
困り果てた草薙刑事がいつものように友人の天才物理学者・湯川に相談を持ちかけると、驚いたことに石神と湯川は大学時代の友人であった。当初は傍観していた湯川だったが、やがて石神が犯行に深く絡んでいることに気づき、独自に解明に乗り出していく。
湯川学、および捜査一課の登場人物についてはガリレオシリーズ#登場人物を参照
2005年末、『容疑者Xの献身』が「本格ミステリ」として評価され、同年の『本格ミステリ・ベスト10』にて1位を獲得したことに、推理作家の二階堂黎人が疑問を呈したことに始まる問題[注 1]。
二階堂の主張は、「『容疑者Xの献身』は、作者が推理の手がかりを意図的に伏せて書いており、本格推理小説としての条件を完全には満たしていない(そのため、『本格ミステリ・ベスト10』の1位にふさわしくない)」というものであった。このことに関して二階堂のウェブサイトや『ミステリマガジン』誌上などに多くの作家や評論家が意見を寄せた。
最終的には北村薫や鯨統一郎などの多くが「『容疑者Xの献身』は本格である」という立場につき、2006年5月に同作品が第6回本格ミステリ大賞を受賞したこともあり、現在では二階堂の意見は否定された形で議論が収束している[2]。
なお、作者の東野圭吾本人は、一貫して「本格であるか否かは、読者一人一人が判断することである」というスタンスを取っている[注 2]。
容疑者Xの献身 | |
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監督 | 西谷弘 |
脚本 | 福田靖 |
製作 | 亀山千広 |
出演者 |
福山雅治 柴咲コウ 北村一輝 渡辺いっけい 品川祐 真矢みき 松雪泰子 堤真一 |
音楽 |
福山雅治 菅野祐悟 |
主題歌 | KOH+「最愛」 |
撮影 | 山本英夫 |
編集 | 山本正明 |
配給 | 東宝 |
公開 |
2008年10月1日[6] 2008年10月4日 2008年12月24日 2008年12月24日 |
上映時間 | 128分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 49.2億円 |
次作 | 真夏の方程式 |
ガリレオシリーズの短編『探偵ガリレオ』『予知夢』を原作としたテレビドラマ『ガリレオ』の劇場版として本作を同ドラマのキャスト・スタッフにより映画化。2008年10月4日に公開された。
月9枠のドラマの映画化は『西遊記』『HERO』に続き3作目となる。2008年初旬に撮入し、映画公開初日には、フジテレビ系で『ガリレオΦ』が放送された。
福山雅治にとって『ほんの5g』以来20年ぶりの本格的な映画出演になり、初の主演映画である。また、本作の上映に先駆けて、10月1日に福山の出身地である長崎市に開館した映画館「TOHOシネマズ長崎」のこけら落としとして本作が先行上映され、柴咲とともに舞台挨拶を行った[7]。
なお、翌2009年に死去した伊藤隆大の遺作である。
基本的なストーリーは原作に沿ったものとなっているが、所々で独自要素が組み込まれている[注 3]。また、ドラマの劇場版という位置づけながらもドラマからのオリジナルキャラクターの出番が少なく、石神と花岡が話の軸となっている。湯川が数式を書いて推理を整理するシーンがないといったドラマのパターンを踏襲しない展開を見せている。また原作との相違点として湯川と石神が雪山に登るというものがあり、足を滑らせた湯川が窮地に陥るという演出がされている。
公開直前の2008年9月28日にTOKYO FM他JFN加盟局全38局で放送された『福山雅治のTalking F.M.』に制作のフジテレビおよびFNS27局の女性アナウンサー28人が、本作品のプロモーションとして女子アナならぬ助手アナとして出演した。
2009年12月29日に『ガリレオΦ』と連動した「二夜連続ガリレオスペシャル」を銘打って、地上波で初放送された(視聴率17.3%)。2022年9月24日には、フジテレビ系列にて『沈黙のパレード』映画公開記念でノーカットで地上波で放送された。
回数 | 放送日 | 放送時間 | 放送局 | 備考 |
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1 | 2009年12月29日(火) | 21:00 - 23:38 | フジテレビ | [初](28分拡大) |
2 | 2011年1月8日(土) | 21:00 - 23:30 | フジテレビ | 20分拡大 |
3 | 2011年12月27日(火) | 21:00 - 23:23 | フジテレビ | 13分拡大 |
4 | 2013年7月6日(土) | 21:00 - 23:25 | フジテレビ | 15分拡大 |
5 | 2013年8月11日(日) | 19:00 - 21:55 | BSフジ | |
6 | 2014年6月14日(土) | 21:00 - 23:20 | フジテレビ | 10分拡大 |
7 | 2016年3月19日(土) | 21:00 - 23:20 | フジテレビ | 10分拡大 |
8 | 2017年4月9日(日) | 21:00 - 23:25 | BSフジ | 30分拡大 |
9 | 2017年7月1日(土) | 15:00 - 17:25 | BSフジ | |
10 | 2022年9月24日(土) | 21:00 - 23:25 | フジテレビ | 映画”沈黙のパレード”公開記念 |
11 | 2024年3月23日(土) | 21:00 - 23:25 | フジテレビ | 15分拡大 |
容疑者X 天才数学者のアリバイ | |
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朝: 용의자X | |
監督 | パン・ウンジン |
脚本 |
イ・ゴンジュ イ・ジョンファ キム・テユン |
製作 | ケイエンエンターテイメント |
出演者 |
リュ・スンボム イ・ヨウォン チョ・ジヌン キム・ユンソン グァク・ミンホ |
音楽 | シン・イギョン |
撮影 | チェ・チャンミン |
編集 |
ユ・ソンヨプ ベ・クンジャ |
配給 | CJエンターテイメント |
公開 |
2012年10月18日 2013年4月20日 |
上映時間 | 119分 |
製作国 | 韓国 |
言語 | 韓国語 |
興行収入 | US$10,187,540(換算値) |
2012年に公開された韓国のミステリー映画である。
11月9日。ソウルの大河・漢江(ハンガン)の河川敷で男の惨殺体が発見された。顔は歯型も取れないほど潰され、指紋も消されていたが、宿泊先の宿の鍵などの遺留品から大田(テジョン)在住の前科者キム・チョルミンと判明した。
キムの別れた妻ファソンが住むソウルのアパートを訪ねるチョ刑事。9日は同居する姪のユナと映画を観に行ったと証言するファソン。隣室も訪問し、住人が高校時代の同級生キム ・ソッコだと気づくチョ刑事。ソッコは数学の天才で、高校時代から「ゴールドバッハの予想」という数学上の難問に取り組んでいた。しかし、人付き合いもせずに難問に入れ込み続けた結果、ソッコは天才でありながら、高校で教える孤独で無名な数学教師となっていた。
亡くなった姉夫婦の娘のユナを育てながら、弁当屋で働くファソンを容疑者としてマークするチョ刑事。だが、ファソンの9日のアリバイは完璧で嘘発見器もクリアした。実は、アパートに押しかけ暴力をふるったキムを、ファソンとユナが殺した事実を知っているソッコ。事件の晩にソッコは自首しようとしたファソンを引き止め、協力を申し出たのだった。
ソッコの指示に従って、チョ刑事の追求をかわし続けるファソン。ソッコは叔母が好きだから助けてくれるのだと好意的に受け止めるユナ。だが、ファソンが男前なナム社長と親しげに会う姿を目撃するソッコ。ナム社長は大田(テジョン)でファソンが世話になり、互いに好意を持っている相手だった。嫉妬し、ストーカーと化すソッコ。
ソッコがファソンを好いている事を知り、高校に出向いてソッコが事件の前後に授業を午前中だけ休んだ事実を知るチョ刑事。惨殺体がキムでない可能性に気づいたチョ刑事は、ソッコの通勤ルートで野宿するホームレスである可能性に行き着いた。
ソッコがナム社長を脅したと知り、怒ってソッコの部屋に押しかけるファソン。どうせ体が目当てだろうと服を脱ぎ、泣き叫ぶファソンを静かに自室に返すソッコ。
自分の存在がファソンを苦しめた事で、終りを悟ったソッコは、わざとナム社長を襲って逮捕された。取り調べで異常者のストーカーを演じ、ファソンのことは何でも知っている。キムが元妻に会う前に捕えて殺したと自白するソッコ。
ファソンにソッコから託された手紙を届け、自分の推理を語るチョ刑事。キムがアパートに押しかけ殺されたのは、9日ではなく8日だった。ソッコは9日に無実のホームレスを殺してキムに見せかけ、キム本人の死体は得意のフリーダイビングで深い湖の底に隠したのだった。
ソッコからの手紙を読むファソン。半年前、解けない難問に行き詰まったソッコは首つり自殺を図ったが、引っ越しの挨拶に来たファソンとナムのチャイムに救われた。以來、ソッコは隣室の明るいファソンたちを生きる糧としていたのだ。ソッコの無償の愛に気づき、護送車に取りすがって謝るファソン。走り去る護送車の中で泣き崩れたソッコは、それでも満足げな表情を浮かべた。
嫌疑人X的献身 | |
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監督 | アレック・スー |
脚本 | 許佳鵬 |
製作 | 黄志明 |
出演者 |
王凱 張魯一 任熙青 林心如 |
音楽 | 大島ミチル |
公開 | 2017年3月31日 |
製作国 | 中国 |
言語 | 中国語 |
嫌疑人X的献身 (原題) | |
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各種表記 | |
繁体字: | 嫌疑人X的獻身 |
簡体字: | 嫌疑人X的献身 |
拼音: | Xián yí rén X de xiàn shēn |
注音符号: | ㄒㄧㄢˊ ㄧˊ ㄖㄣˊ X ㄉㄜ˙ ㄒㄧㄢˋ ㄕㄣ |
ラテン字: | Sien2 yi2 rên2 X dê sien4 shên1 |
発音: | シェンイロンXデシェンソン |
英文: | The Devotion Of Suspect X |
2017年に公開の中国のミステリー映画である。日本未公開。
容疑者X | |
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Jaane Jaan Suspect X | |
監督 | スジョイ・ゴーシュ |
脚本 | スジョイ・ゴーシュ |
製作 |
Balaji Motion Pictures 12th Street Entertainment Kross Pictures Boundscript Northern Lights Films |
出演者 |
カリーナ・カプール ジャイディープ・アロワット ビジャイ・バルマ サウラブ・サチデバ カルマ・タカパ ナイシャ・カンナ リン・ライスラム |
音楽 | Shor Police |
配給 | Netflix |
公開 | 2023年9月21日 |
上映時間 | 139分 |
製作国 | インド |
言語 | ヒンディー語 |
2023年に配信のインドのミステリー映画である。
2009年に演劇集団キャラメルボックスによって舞台化された。脚本・演出を成井豊が手がけた。4月18日から4月26日に新神戸オリエンタル劇場で、4月30日から5月24日にサンシャイン劇場で上演された。翌2010年には、成井豊脚本のままで上海の現地製作会社が『嫌疑人X的献身』のタイトルで2週間上演した。
2012年には同劇団で再演された。5月12日から6月3日にサンシャイン劇場(東京・池袋公演)で、6月7日から6月12日にシアター・ドラマシティ(大阪公演)で、6月15日・6月16日にシアター1010(東京・北千住公演)で上演された。脚本は初演に引き続き成井豊が担当し、演出は成井豊と真柴あずきが手がけている[8]。
2015年に劇団変形日和によって舞台化された。脚本は演劇集団キャラメルボックス版と同様に成井豊のものを使用した。演出は劇団変形日和の鈴木勝明と、演出補佐として北山和泉が担当。9月9日から9月14日に阿佐ヶ谷シアターシャインで上演された[10]。
2016年に演劇集団 笹塚放課後クラブによって舞台化された。脚本・演出を亜南博士が手がけた。9月29日から10月2日にザ・ポケットで上演された[11]。
一部ダブルキャスト。
2021年にNAPPOS UNITEDの主催によって舞台化された。脚本・演出とも演劇集団キャラメルボックス版と同様に9年ぶりに成井豊が手がける。当初は2020年5月・6月に公演が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で延期になり[12]、5月28日から5月30日にシアター1010で、7月10日から7月11日に兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールで上演された。
一部ダブルキャスト。
学生劇団の公演も行われている。神戸大学演劇部自由劇場の第190回公演として2014年12月12から14日に神戸アートビレッジセンターで上演された[13]。脚本は演劇集団キャラメルボックス版と同様に成井豊のものを使用している。